三井でみつけて

築90年の日本家屋をリフォーム。オン・オフを明確に切り替えた二拠点生活

思い出の品をインテリアに取り入れて

美しくリフォームされた住まいの中でも特に印象的だったのは、この家で古くから使われてきた調度品や食器、絵画などがインテリアとして巧みに取り入れられていることでした。リビングでパーテーション代わりに配置されていた食器棚は、もともと奥様のご両親が使われていたもの。各部屋の壁には、油彩が趣味だったお父様の作品が数多く飾られています。作り付けの飾り棚に目を移すと、一風変わった棚板がありました。

「これは、リフォーム前の廊下に使われていた床板です。新しく張り替えるので不要になったのですが、捨ててしまうのが忍びなかった。どうにかして活かすことができませんか? とリフォームプランナーさんにリクエストしたところ、棚板や玄関の敷台として再利用してくれました。こちらの希望を見事に叶えてくれて、とても嬉しかったです」とご主人。

住まいや道具への愛着が感じられる素敵なエピソードです。

床板を再利用して作られた棚には、お二人が海外で買い求めたお土産品が飾られている

リフォーム完成後、新たにスタートした二拠点での生活。当初は京都と名古屋、片道2時間の移動が少し負担だったという奥様ですが、身支度をできるだけ少なく、普段の生活もコンパクトにすることで全く苦ではなくなったそう。「都市部にあって買い物などもしやすく、交通の利便性が高い名古屋の住まいは仕事の拠点として、そしてこれからの生涯をすごす京都の住まいは心の拠り所となる拠点として、二つの拠点があることで安心感が得られています」と語ります。ご主人は現在100%リモートワークなので、生活の拠点をミャンマーから京都に移しても全く問題なし、奥様も対面の授業があるときだけ名古屋に移動すれば仕事に支障はありません。

ここに来てからは、毎朝ご夫婦そろって散歩に出かけるのが習慣になりました。
「嵯峨野は歩いて行ける場所に古いお寺や観光名所がたくさんあります。若い頃はあまりにも身近すぎて関心をもっていなかったのですが、最近改めてこの地域が持つ魅力に気付かされました。人が少ない早朝に出掛けると、いつもとは違った景色に見えることがあるんですよ」と奥様。

静寂な環境の中でオンとオフの時間を上手に切り替えることができるようになり、以前にも増して充実した毎日を過ごせるようになったそうです。時間が止まったような感覚を覚える、そんな素敵な住まいとSさんご夫婦でした。

リフォームの話を伺う中にも、息がぴったり合った仲むつまじい様子が伝わるSさんご夫婦
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