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「家を建てるにあたって、設計士の方をはじめとする三井ホームのチームとの打ち合わせは、ほとんど妻に任せてしまいました。妻が満足してくれることが一番かな、という感じで。私がオーダーした内容は、仕事したり、本を読んだりできる空間が欲しい、という一点のみです」
そう和やかに語るのは、千葉県柏市に暮らすMさん一家のご主人。約1年半前に同じ柏の葉エリアにある三井不動産レジデンシャルのマンションから、三井ホームの注文戸建住宅へと引っ越しました。同じエリア内でマンションから一戸建てへ。そこにはどのような思いがあったのでしょうか?
Mさんご夫婦は共働きで、ともに都心の会社に勤めています。お二人が結婚を機に柏の葉へとやって来たのは、約10年前のこと。このエリアを選んだ理由を、奥様はこう振り返ります。
「独身時代は同じ千葉県でも都心に近い所からJRで会社に通っていたのですが、朝晩の通勤ラッシュが凄くて、ストレスを感じていました。それなら多少距離が離れても、比較的余裕のあるつくばエクスプレスで通った方が快適かな、と思い、柏の葉キャンパス駅近くのマンションを選んだのです。実際の通勤時間は1時間未満で、十分に許容範囲内。私の実家がある茨城県から近かったこと、そして子育てに適した環境だったこともポイントです」
将来的に家族が増えることを見越しながら、より閑静な環境とゆったりした住まいでお子様を育てたい、という判断でした。
柏の葉は、近年になって開発されてきたエリア。2008年に千葉県柏市・東京大学・千葉大学による「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が発表され、次世代のモデル都市として脚光を浴びました。現在は健康、環境、新産業に新たな視点からアプローチする「柏の葉スマートシティ」としても注目されています。そうした地域を通してさまざまな学びに触れられる環境だったことも、奥様がこの場所に住みたい、と感じた理由の一つです。
前居のマンションは3LDKの間取り。端から見ると、お子様がいても十分な広さに思えます。それでも一戸建てへの住み替えを決意された理由は……
「前居には8年暮らして、3人の子どもに恵まれました。小さいうちは全く問題なかったのですが、彼らが成長するに連れて、すぐに手狭になってくるだろうな、と感じていたのです。そんなタイミングで三井ホームのモデルハウスにふらっと見学に行ったところ、妻がとても気に入り、ちょうど良い場所にある土地も紹介してもらえました。この地域自体には前居でとても魅力を感じていたので、近くの一戸建てに暮らせるなら理想的だな、と思ったのです。妻の友人で同じように三井のマンションから一戸建てへと引っ越した方がいて、魅力を聞いていたことも決心する後押しになりました」とご主人。
土地の候補は他にもありましたが、お子様達が通う学校への経路を実際に歩いてみたりしながら総合的に検討。最終的に現在の場所がベストだったとのこと。新居の住まいづくりは三井ホームで、仲介は三井のリハウスで、とマンションの売却から転居までをグループ企業内で連携し、担当者間で情報共有が密に行われていたため、私たちを通さずともスムーズに移行できたことは大変ありがたかった、と言います。
冒頭の言葉どおり、住まいづくりにおいてご主人が唯一、要望されたのが2階にリモートワークできる書斎を設えることでした。ドアのないコンパクトな部屋ですが、落ち着いた色調の壁紙と窓から柔らかく入る光、取り囲まれた空間が、いかにも仕事しやすそうな環境です。
「建築当初は正直、ここまで自宅で仕事をするとは想定していませんでした。これまで仕事する場所はほぼ会社中心で、たまにここで作業できたらいいな、という感覚だったので、実際には最近まで活用できていなかったのです。それが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で『新しい生活様式』が厚生労働省から提唱され、環境が逆転。現在はほぼ全ての業務を自宅にあるこのスペースでこなしています。状況が収まれば再び会社に行くこともあると思いますが、コロナ前と比べて頻度はかなり減ると思います。会社も私も働き方の考えが変わったように思います」
ご主人が勤めている会社でも以前から働き方を変える方向性を打ち出していたものの、なかなか切り替えが上手くいかず、従来と同じように働いていたそう。そうした状況がある意味、強制的に改善されたことで、自分自身の踏ん切りが付いた、と語ります。
現在はモニターなどの機器もそろえて効率的にリモートワークできる環境が整い、業務に全く支障はないとのこと。自宅周辺は静かな環境で仕事に集中しやすいため、無理に会社に出勤したり、シェアオフィスを利用したりする必要性も感じていないそうです。
それだけでなく約2時間分の往復通勤時間をまるまる節約できるため、家事育児に携わる時間やおうち時間が増え、食生活も改善、心身は圧倒的に健康になりました! と語るご主人。奥様も大きく頷いています。
「職場の同僚は都心のマンションに暮らしている人が多く、今までは『どうしてそんな遠くに住んでいるの?』と聞かれることが多かったんです。多忙な仕事なので、職場から近いところに住まいを持ちたい、と思うのは当然ですよね。ところが今になってみると、敢えて郊外に家をもったことは正しい判断でした。もし都心にマンションを購入していたとしたら、予算的に自宅で仕事できるスペースを確保することは難しく、現在とは全く異なる生活スタイルになっていたことでしょう。今では私の判断を仲間たちも賞賛しています」
ご主人がこだわった書斎スペース以外の部屋はすべて、奥様がこれまで住まいづくりについて思い募ってきたアイデアを形にしたもの。それはもう存分に要望が取り入れられています。1階は大きく重厚なダイニングテーブルを主役に据えた空間。新型コロナウイルスの影響でまだ実現していませんが、いつか家族や親類、お友達を招いて、賑やかに食事するのが楽しみ、と言います。
カウンターキッチンの向かい側には小さなデスクが備え付けられ、料理する人とお子様が向かい合ってすごせる場所になっています。キッチン周りをぐるっと一周できる作りになっているのがユニークなところ。また2階の廊下は通常の建売住宅の倍の広さで設計されており、壁は作り付けの本棚に、床に座ってのんびり本を読んだり、遊んだりすることもできる場所になっています。
「子ども達が家を楽しい場所と感じてくれるように、遊べる仕掛けを住まいの色々な場所に盛り込みました。くるくる歩き回れる場所、ちょっと隠れられる場所……。そんな空間があるだけで、子ども達は遊び場にできてしまうんですよね」
お風呂や洗濯、物干し、クローゼットなどはすべて2階に集約。そうすることで家族がゆったりくつろぐ場所と役割を明確に分けることができ、家事が効率的になるだけでなく、物が散らかりにくくなるのだとか。リビングなどにたくさん設けられた作り付けの棚も、そうした工夫の一つです。
「マンションで暮らしていたときは、来客がある前に洗濯物や小物などを慌てて隠さなければなりませんでした。新居は注文住宅だけに、そうした悩みを解決できるつくりにしたつもりです」と奥様。
住まいの中全体をくまなく快適にすごせる場所にできた背景には、実は全館空調の存在が効いています。室内に洗濯物を干しても乾きやすいと感じる点も、奥様が全館空調を気に入っている点の一つ。リビング階段としているのも、空気の循環を考えてのことです。奥様の綿密なプランニングが住まいの至る所に垣間見えました。
奥様は現在、半分が出勤、半分が在宅という勤務状況。自宅で仕事するときには、長女の部屋を活用しています。寝るときは2階にある広大な部屋に、家族5人が仲良く並んで。この部屋には可動式クローゼットがあり、お子様が成長したら空間を区切り、それぞれの子供部屋にすることも考えているそうです。こうした自由な空間設計を実現できるのも、注文住宅のメリットでしょう。
「私が育児休暇を終えて復職するタイミングで、主人が家にいてくれたことは本当に助かりました」と語る奥様。思いのままに設計できた住まいの中で、ご夫婦の仕事と家事、育児をバランスさせた生活を送られています。「子どもたちが遊び盛りなので、それはもう忙しい毎日です」と語る奥様の表情も、なんだか幸せそうでした。