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中野はアートやカルチャーの街
中野

【中野の住みやすさ】大規模再開発でサブカル+洗練された街へ進化中

ホテルやコンサート会場の「中野サンプラザ」やサブカルチャーの聖地といわれる「中野ブロードウェイ」などがあり、アートやカルチャーの街として知られる中野。
元々人気の街でしたが、100年に1度といわれる大規模な街づくりの計画があり、2028年の完成を目指して中野駅周辺の11ヵ所もの場所で再開発が進められています。大学が多く、若者の街としてディープなカルチャーが根付いていますが、高層マンションやオフィスビルの建設で新しい文化が流入し、融合しようとしている街です。

今回は、サブカルのイメージと再開発で注目を集める街、中野をご紹介します。

【1】新宿までなんと5分という好アクセス!バスの路線も豊富

中野駅

中野駅は、JR中央線快速、JR中央線総武線各駅停車、東京メトロ東西線が利用できます。通勤時間となる朝8時台に電車に乗った場合、JR中央線快速で新宿駅まで約5分、東京駅までは約19分。都内の主要な駅にはだいたい30分以内で行けます。東京メトロ東西線は中野駅が始発となるので、座って通勤できるのも利点です。また、路線バスも数多く運行し、練馬、池袋、新宿、渋谷などのエリアに直通で行くことができます。
2022年現在、中野駅では工事が行われており、南北通路、橋上駅舎、駅ビルを整備。現在の北口、南口に加えて、2026年には新しく西口が誕生する予定です。

中野の歴史

中野の歴史

江戸時代、現在の中野駅周辺は、徳川将軍家の直轄支配地で鷹狩りの場でした。五代将軍・綱吉の時代になると「生類憐みの令」により、犬を保護する「犬小屋」が約30万坪もの大規模な土地に設けられました。明治中期以降になると、甲武鉄道(現在のJR中央線)が開通し中野駅が誕生。広大な土地を利用した多くの国の施設もあったことから、人の往来が多く、駅周辺は繁華街として発展しました。戦後、駅前の商店街にアーケードが掛けられ、その突き当りに複合施設「中野ブロードウェイ」が開業。1990年代以降、サブカルの聖地として、中野の象徴になっています。

中野が生まれ変わる。100年に1度の大規模開発進行中!

再開発工事中の中野駅周辺

中野駅周辺のまちづくり事業
※中野区「中野駅周辺まちづくり事業一覧」より

中野が今、大きく生まれ変わろうとしています。
「中野区役所」は2024年に現在の位置より北側の「中野四季の森公園」の隣に移転。ホテルやコンサートホール、イベント会場などがある「中野サンプラザ」は老朽化のため2023年に閉館し、2028年度には「NAKANO サンプラザシティ」としてリニューアルオープンする予定です。約250mの巨大タワーで、最大7,000人収容のホールも併設される予定です。このほか、中野駅南口には37階建てのタワーマンションが建設予定など、中野駅周辺は再開発で今とはまったく違った雰囲気になっていきます。

【2】「中野サンモール商店街」を中心とした中央線沿線屈指の繁華街

中野駅のすぐ近くに「ライフ 中野駅前店」、「西友中野店」、「ヨークフーズ 中野店」、「ピーコックストア 中野マルイ店」などがあり、スーパーはかなり充実しています。北口には「ドン・キホーテ 中野駅前店」があり、これ以上の利便性はないと言っても過言ではない環境となっています。

中野サンモール商店街

また、中野駅の北口には「中野サンモール商店街」があり、飲食店や衣類、雑貨などさまざまな商店が並んでいます。その距離、なんと224m。いつも買い物や外食をする人々で活気にあふれています。

さまざまなジャンルの飲食店がひしめき合う中野駅北口の歓楽街

中野駅北口の歓楽街

中野サンモール商店街から一歩横道にそれれば、居酒屋、ラーメン屋、カレー屋など、さまざまな業態の飲食店がところ狭しと軒を連ねる飲食店街に。昭和レトロな雰囲気の居酒屋も多く、夜ははしご酒をする人などでも賑わいます。

中華そば 青葉 中野本店
※提供:中華そば 青葉 中野本店

ラーメン店が多いことでも知られる中野で外せないのは、「中華そば 青葉 中野本店」。中野に25年以上店を構える名店です。東京ラーメンの香り高い和風だしと九州ラーメンの濃厚なコクを併せ持った「中華そば」は必食の一品。関東エリアに複数の店舗がありますが、本店の味は格別とのことで多くの人が訪れています。

サブカルだけじゃない!高級時計店が集まる中野ブロードウェイ

中野ブロードウェイ

中野サンモール商店街を抜けた場所にあるのが、商業住宅複合ビルの「中野ブロードウェイ」。「まんだらけ」をはじめとした漫画やアニメグッズ、コレクターグッズなどを扱うユニークなお店が多いことで有名ですが、実は“時計の聖地”とも呼ばれ、高級時計店が多いことでも知られています。

中野のジャックロード(JACKROAD)
※提供:ジャックロード

中でも1987年に創業した「ジャックロード(JACKROAD)」は、ロレックスなどの高級ブランドやスポーツモデル、ヴィンテージウォッチなど、国内外の腕時計を常時6,000本以上取り揃えています。入手困難なモデルも扱うことから、世界のコレクターからも注目を集めているそうです。

中野駅南口にはおしゃれな雰囲気のお店が集まるレンガ坂商店街も

中野レンガ坂商店会

中野駅南口は、ファッションビルとして有名な「マルイ」の1号店「中野マルイ」があり、北口よりも少し落ち着いた雰囲気です。南口すぐの「中野レンガ坂商店会」は、ヨーロッパ風のゲートをくぐるとレンガが敷き詰められた坂道の両側に、隠れ家のようなお店が並びます。都会の喧騒から離れ、ゆっくりと落ち着いた雰囲気の中でショッピングや食事が楽しめます。

【3】生涯学習施設や劇場、病院など、生活利便施設が充実!

中野は、文化的な複合施設や公園、病院などの生活利便施設が充実しています。
中野駅北口すぐには「中野区役所」があり、公園も多く、そして「サンプラザホール」をはじめとする劇場も数多く集まっています。

なかのZERO
※提供:なかのZERO

例えば、中野駅の南側にある「なかのZERO」は、生涯学習の複合施設です。コンサートや講演会が開かれる大ホールのほか、小ホールや視聴覚ホール、バンド練習ができる音楽練習室、またプラネタリウムもあり、多彩な機能を備えています。

なかの芸能小劇場
※提供:なかの芸能小劇場

このほか、中野駅北口の中野通り沿いにある「中野区社会福祉会館(スマイルなかの)」の2階には、芸能の振興のためにつくられた「なかの芸能小劇場」があり、落語やお笑いライブなどが行われています。
また、住むときに気になる病院ですが、2022年で設立90年となる「新渡戸記念中野総合病院」や「東京警察病院」などの総合病院をはじめ、クリニックも数多くあるので、いざというときの心配もありません。

【4】公園が多く、都会なのに緑に囲まれて落ち着いた雰囲気

中野は都会なのに緑に囲まれて落ち着いた雰囲気

中野の公園

中野駅のすぐそばは再開発のため高層マンションの建設が進められていますが、駅から少し離れると落ち着いた雰囲気の住宅街が広がります。公園も多く、緑が多い住環境です。

中野は緑が多い住環境

中野サンプラザの西側にある「中野四季の森公園」は、約2万平方メートルの広大な敷地を有する防災公園です。ピクニックをしてのんびり過ごす人、ベンチで読書をする人、犬の散歩をする人などが集い、穏やかな雰囲気に包まれています。公園のそばにはテイクアウト可能な飲食店やキッチンカーが出店し、訪れる人々の楽しみのひとつになっているようです。

中野四季の森公園

中野四季の森公園のすぐそばには明治大学や帝京平成大学の中野キャンパス、早稲田大学の中野国際コミュニティプラザがあるため、以前から若者が多い印象がありますが、近年はオフィスビルも建設され、ビジネスマンも急増中。中野駅周辺の再開発で、若い世代が住みやすいまちづくりが行われているのです。

【5】中野インタビュー:日本酒の新しい魅力を広める、大人の空間が中野にはある

日本酒バル 中野青二才
※提供:日本酒バル 中野青二才

中野駅の南口にある「中野レンガ坂商店会」。ヨーロッパの街角を思わせるレンガの坂道、その一角にたたずむ「日本酒バル 中野青二才」は、日本酒をワイングラスで提供し、日本酒の新しい飲み方を提案してくれます。取締役の神谷栄伸さんと、店長の井上夕輔さんに、お店のことや中野の魅力についてお話を伺いました。

――中野にお店を出したきっかけを教えてください。

神谷さん(以下、敬称略):
元々阿佐ヶ谷にお店があって、2店舗目をつくろうと思ったときに、阿佐ヶ谷と比べて、商業地もある中野を選びました。阿佐ヶ谷のお店は住宅地にあるので、お客様がいらっしゃる時間帯が遅めなんです。一方で中野は仕事をしている方、住んでいる方、遊びに来られた方など、さまざまなタイプのお客様が来てくださると思って出店しました。

――ユニークな店名の由来はなんでしょうか?

神谷:
高校の同級生だった現社長と2人でお店を始めたんですけど、2人ともプロでもなんでもなかったので、青二才という名前にしました。会社が大きくなっても初心を忘れないようにしながら、一人前になれるように常にがんばっていこうという想いを込めています。

日本酒バル 中野青二才の店内

――お店の場所にレンガ坂を選んだ理由はありますか?

神谷:
僕らが始めた9年前は、この通りはお弁当屋さんと餃子屋さんがあるぐらいでほとんど何もなかったんです。その頃は店名のとおり青二才だったので、できるだけ競合がいなくて、でも駅に近い場所ということで、ここに決めました。

――お店のコンセプトを教えてください。

神谷:
元々日本酒が得意ではあったので、もう少し深堀りして、日本酒専門店を作ろうということになりました。日本酒の昔ながらのとっくりにおちょこのスタイルではなく、グラスで少量を飲めて、たくさんの日本酒を試してもらえるようにしたんです。
ちょうどオープンする頃は、蔵元さんの代替わりが激しいときだったんです。若い人にどんどん世代交代していくときで、辛口だけがいいっていう時代から、日本酒の味の種類が広がってきていた頃だったんですよね。そんな新しい日本酒の価値観を楽しんでもらおうってことで、ワイングラスで出し始めました。

日本酒バル 中野青二才の日本酒
※提供:日本酒バル 中野青二才

――「日本酒バル 中野青二才」のほかにも、中野にお店がありますよね?

神谷:
ここを含めて、中野に4店舗あります。日本酒を軸に、店の裏にある「青二才はなれ」は日本酒とタパスを味わうイタリアン、北口の「角打ち割烹 三才」は割烹を取り入れています。また焼きそばとオリジナル商品を扱う「ヤキソバ&グロッサリー(YAKISOBA & GROCERIES)一服」も展開し、中野にいらっしゃる方のさまざまなニーズに応えるお店を目指しています。

井上さん(以下、敬称略):
この「日本酒バル 中野青二才」は、常時40種類の日本酒をそろえていて、銘柄は毎日変わります。日本酒のイメージを変えるような、飲みやすい日本酒も扱っていますので、日本酒が苦手な人にこそ来ていただきたいです。

日本酒バル 中野青二才の料理
※提供:日本酒バル 中野青二才

――中野はどのような街ですか?

井上:
中野は高円寺や阿佐ヶ谷と似ていて、はしご酒をする人が多いですね。1店舗だけで帰るお客さんは少ない印象です。ベッドタウンだけど企業もあるので、早い時間は仕事帰りの方、遅い時間の方は中野に住まれている方と、時間帯で客層がスイッチしていくような感じですね。

神谷:
大学もあるので若い人たちも多いんですけど、大人がいい飲み方を見せているのが、中野のいいところなのかなって思っています。ほかの学生が多い街と比べても、たちの悪い飲み方をする人があんまりいない印象ですね。

井上:
僕もお酒を飲むのが好きなので、中野に住み始めてからは、楽しすぎて中野から出られなくなっちゃいましたね。お客さん同士でつながりができて、この店に行けば誰かがいるって感じでコミュニティができる。年齢や性別関係なく飲み友だちができるのが中野のいいところだと感じています。

神谷:
お店が多くて、まんべんなく着るものでも食事でも何でも揃うんですが、よりディープなものもかなり揃えられるのが中野の魅力です。最近では、おしゃれなお店も増えてきて、大衆的なものよりも、生活の豊かさを求めている人が中野に入ってきているように感じています。

日本酒バル 中野青二才のおすすめ料理
※提供:日本酒バル 中野青二才

<取材協力>
日本酒バル 中野青二才
東京都中野区中野3-35-7 松井ビル1F

【6】なんでもそろって、独自のカルチャーも楽しめる、だから中野に住みたい

新宿へわずか5分というアクセスの良さはもちろん、商店や飲食店が豊富でなんでもそろう便利な街。若い世代が多く活気にあふれ、ディープなカルチャーも楽しめる魅力いっぱいの中野。再開発によって、これから街の姿がどのように変わっていくのかが楽しみです。

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<取材・執筆>

石井佐代子

茨城県水戸市生まれ。住んだことがある街は、西巣鴨、三軒茶屋。フリーライターとしてファッション誌や美容誌を中心に活動。知らない土地を訪れるのが好きで、趣味は海外旅行。

※2022年10月に取材しました。

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