三井でみつけて

人生をより豊かにしてくれる、2つめの住まい

母の一言から始まった、通年住める快適な家づくり

東京から中央自動車道を使って約180km。諏訪南インターチェンジで降りて八ヶ岳連峰を右に見ながら少し北上すると、長野県の観光地としても有名な蓼科高原が現れます。森や湖沼のある自然豊かなこの土地は、登山やキャンプといったアウトドア好きからも人気のエリア。もちろん避暑目的など別荘ニーズも高い土地です。

その蓼科高原に、東京ドームの約11.5倍の面積をもつ「三井の森」があります。ここに建つ別荘を、最近リフォームされたIさん。この別荘は、もともと約15年前にご両親が中古で購入されたものです。普段は、Iさんの経営する会社がある東京の都心でマンション暮らし。ご両親も同じマンションの別の部屋に住み、つい最近までは主に両親が“夏の避暑”のために蓼科を利用していたといいます。

1年ほど前にお父さまが他界。するとお母さまから、これからは夫婦の思い出が詰まった蓼科でずっと暮らしたいと言われました。そうはいっても母親一人きりで住まわせるのは心配なので、私たち夫婦もなるべく通うことにしたのです、とIさん。それが今年の春頃のことでした。

約15年前にご両親が建物と土地を購入。自然の景観にマッチする落ち着いた佇まい

「ここは標高が約1,100mあるため、夏は冷房がいらないほど涼しいんです。実際この別荘にはエアコンがありません。ですが、夏の避暑ではなく、一年中暮らすとなれば何はともあれ、越冬のために暖房設備が必要なので、両親が購入する前からあった古い薪ストーブから、輻射熱を使った高い暖房効果のある最新の北欧製に交換しました」

建物自体の断熱リフォームは、寒がりだったというお父さまが以前済ませていたそうなので、まずはこれで様子を見るそうです。もし更なるリフォームが必要となれば、断熱から間取り変更、リモートワーク環境の整備まで相談に乗ってくれるサービスを活用することもできます。

暖房機能を高めたこともあり、かつてお父さまが部屋が暖まりやすいようにと天井を閉じてしまっていたリビングの吹き抜けを復活。あわせて大谷石を壁に貼り、床も温もりが心地よい無垢材に張り替えて……と、少しずつ夏の別荘から通年住める家へとリフォームしました。

淡いグリーンと柔らかい風合いが美しい大谷石がリビングの壁を彩る

こうしたやりとりを大工さんたちと現場で交わすため、Iさんは度々蓼科へ足を運びました。そうした中でどうせコロナ禍でリモートワークしているのだから、ここで仕事をするのも悪くないな、と考えるようになったといいます。

Iさんの経営する東京の会社は、もともとリモートワークに完全対応できる通信環境が整っていました。実は東日本大震災の折に、帰宅困難者の行列をテレビで見たIさんが社員が会社に通わなくてもいいようにできないかと知人のIT企業の経営者に相談し、すぐにセキュリティ対策の万全なネットワーク環境を構築してもらったそう。コロナ禍以前から、いつでも誰でもリモートワークができるようにしていたことは、現在の状況下ですべての社員にとても重宝されているそうです。

蓼科の別荘にも専用回線を引けば本格的な拠点として使えます。ただし、まだテレワークを始めたばかりということもあり、現時点では携帯電話のテザリング機能でも対応できるため、専用回線を引くのは、今後の状況を見て判断することにしました。

人と出会って生まれる“面白いこと”を求めて

東京生まれ・東京育ちのIさん。飲みに行く友達もたくさん東京にいます。そのため都心部での暮らしはとても快適ですが、やはり目に見える景色が東京と蓼科とではまるで違うとのこと。最寄りのインターチェンジから別荘まで車を走らせると、車窓に広がるのは、なだらかな丘陵を使った高原野菜の畑。遠くにそびえる八ヶ岳や中央アルプスといった山々の間に、視界を遮るものはほとんどなく、空が広く大きく感じられます。別荘のウッドデッキにハンモックを吊し、パソコンを開いて仕事をしても聞こえてくるのは枝葉が揺れる音か、時折さえずる鳥の歌声くらい。

「この近くに縄文人の遺跡があるんです。それだけ遠い昔から人間が暮らしている地だということは、きっとそれだけ魅力のある土地なんですよ。それに、ここでの生活は、本当の田舎暮らしとは違います。車で15分も走れば茅野市の中心街なので買い物に困ることはありません。むしろスーパーやホームセンター、量販店は東京の家と比べてかなり近くにあるから、東京より便利かもしれませんね」

晴れた日にはウッドデッキでハンモックに揺られながら仕事することも

そんな蓼科の自然に魅了されて二拠点生活を選んだのかと思ったら、もともと僕は、仕事の気晴らしで自然を楽しむ、というタイプではないんです、とIさん。蓼科の自然も確かに魅力的なのですが、それ以上にIさんが惹きつけられたのは、地元の人たちとの交流でした。リフォームのことで大工さんや薪ストーブの販売スタッフをはじめ、バーベキューパーティーなどで地元の人々と言葉を交わすうちにこっちでも面白いことができるんじゃないかと思うようになったことが、二拠点生活を始めるきっかけでした。

薪ストーブと南側からの暖かい日差しで、部屋では薄着でも快適

“こっちでも面白いこと”とは、人々との交流を通して新しいことを始めること。 「そもそも、仕事ってそうじゃないですか。会社という枠組みを通じて、社員や取引先の人々が同じ目標に向かい、やりとりをすることで、新しい仕事、面白いことが生まれる。つまり人と出会えば出会うほど、面白いことが生まれるんです。だから人生の豊かさのバロメーターって、僕はどれだけの人と出会えるか、だと思っています」

人と出会い、交流を通じて面白いことを生む。それを東京だけでなく、蓼科でもできそうだ。そう感じたからこそ、Iさんは二拠点生活を選んだのです。

「僕の場合は母の定住をきっかけに蓼科でやることにしましたけれど、人それぞれ、いろんな場所でできるんじゃないでしょうか」

かつての“別荘族”といえば、夏や冬に時折訪れて自分たちだけで楽しく過ごす、というスタイルでした。しかしIさんは違います。地元の人々との交流も積極的に楽しむライフスタイルです。

「それをやりたいかどうかは、人それぞれでしょう。僕の場合は、そういうネットワークを一から作ることに楽しさを感じるというだけです」

二拠点生活ならではのメリットを活かす暮らし方

東京ではほとんどやらなかったDIYにも、蓼科では挑戦しています。

「都心だとホームセンターを探すのも一苦労ですが、ここなら車を走らせればすぐにありますからね。レンガをたくさん購入して初めて作ったのは、ロケットストーブです。煙突部分の真下で薪などを燃やすと、煙突部分を炎が勢いよく登っていきます。そうすると強い上昇気流が生まれて、高温燃焼が可能になるんです。最初はロケットストーブなんて知りませんでした。ただ、知らないことを調べるのって、結構好きなんですよ」

最近では、このロケットストーブのてっぺんに置く専用オーブンも購入。高温燃焼を利用して肉や野菜を美味しく調理できるのだとか。

Iさんが手作りしたロケットストーブ。専用オーブンも設置されている

別荘内に目を向けると、届いたばかりというダイニングテーブルが。トチノキの一枚板を天板に使用したもので、はるばる広島まで買い付けに行きました。ちなみに大トチノキのテーブルも、誰かに勧められて採り入れたのではなく、ロケットストーブ同様に何がいいだろうかと一から調べてから決めたのだそう。

脚が邪魔にならない構造がお気に入りのダイニングテーブル

蓼科に通い、わずか半年あまりで薪ストーブの担当者やリフォームを請け負った人々、不動産関係者などさまざまな人脈ができつつあります。彼らと話をするうちに、地元の状況もいろいろわかってきました。今は、飲食店を作れたら面白いなと考えています、とIさん。

“別荘族”だけでなく、地元の人々相手だけでもない双方が気兼ねなく足を運べるような飲食店。いかにも、人との交流を大事にするIさんらしいアイデアです。具体的にどこに土地があるのか、そこはどんな場所か、といった話も、すでに親しくなった地元の人々と話しているのだそう。

新しい環境に身を置くことは、新しい人脈を作れるチャンスだと、積極的に活動しています。コロナ禍で人と出会うことが難しくなって、一般的なコロナ禍でリモートワークせざるを得ない二拠点生活ではなく、人との出会いを求めてこの生活を始めたIさん。豊かな自然環境以外にも、二拠点で暮らすということはさまざまなメリットがあるようです。

新しい環境に身を置くことは、新しい人脈を作れるチャンスだと語るIさん

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