三井でみつけて

オーナーの地元愛と三井の連携で生まれた、地域のブランドアップにつながるレジデンス

伝統と洗練が融和した新たな街をつくるプロジェクト

そこには博多区千代というエリアがもつ魅力を改めて解釈した、美しい街並みがありました。千代町小路レジデンス、2021年10月に完成した三井ホームの戸建賃貸住宅です。約800坪の敷地に5棟の建物が建つ壮大なプロジェクトを三井ホームと二人三脚で進められたオーナーのWさんにお話を聞きました。

利便性の良さを活用した賃貸住宅に

レジデンスとなる以前は長い間、月極駐車場として管理されてきた、この土地。Wさんが賃貸住宅へと活用変更したいと考え始めたのは、着工の2年ほど前でした。千代というエリアは九州最大の繁華街である天神まで地下鉄で約4分、博多駅へも約9分で行けるアクセスの良い場所です。賃貸需要のある土地のポテンシャルをより積極的に活用しようと考え、駐車場を担当していた三井不動産リアルティ九州 リパーク営業部に相談しました。今回のプロジェクト以前にも、他社から商業施設や介護施設を建てないか、といった提案はいくつかあったそう。しかし、今後の住宅需要増が見込める地域だけに、賃貸住宅を建てるのがベストと判断したのです。

周囲に圧迫感を与えず、かつプライベート感の高いレジデンスとするため企画構想に十分な歳月がかけられた

Wさんから相談を受けたリパーク営業部は、すぐさま同じ三井不動産グループの三井ホームに連携。約800坪の土地をどのように活かすか、企画段階から携わりました。綿密な打ち合わせを重ね、辿り着いた答えが「敷地内に5つの棟をゆったりと配置し、芝生広場や遊歩道、路地を設けて、ひとつの街のような空間にする」というもの。1LDKが2棟10戸、3LDKが2棟6戸、加えてテナントが1棟の贅沢なレイアウトです。かつて製品開発などの経験をもつWさんは「敷地内にできるだけ多くの戸数を配置した方が、収益は多くなるかもしれません。しかし、そうした物件は競合が多く、価格競争になるのは必至。すると最終的には製品やサービスの質を落とさざるを得なくなる。より高い付加価値があり、入居者もそれに納得してくれるようなレジデンスが必要でした」と語ります。

レジデンスだけでなくテナントを入れることで、ひとつの街として機能する

地域の魅力を知ることがスタート地点

Wさんには「千代のブランドイメージを高め、これからの千代を象徴するような場所にしたい」という強い思いがありました。地域活性化にもつながる事業としたかったのです。それには洗練されたイメージを持たせつつも、地域から隔絶された場所しないためのアイデアが必要でした。要望を受け、営業担当の吉田氏はまず、千代という地域を改めて知ることから始めます。千代はユネスコ無形文化遺産である博多祇園山笠の千代流でも知られる、長い歴史をもつ街。周辺を隈なく探訪することで地域の魅力に触れ、それをエリア開発の構想に落とし込むことが目的でした。そこから「照明計画も演出に利用する」という発想が生まれメーカーのコンペにより「窓から漏れる明かりと月明かりの照明を計画地の路地にとけ込ませる」という千代らしい斬新なアイデアが生まれます。

周囲とレジデンスの敷地を高い壁で隔てるのではなく、建物自体の表情と、照明の灯りによって緩やかに区切っているのです。各戸備え付けの照明は、どこかノスタルジックな雰囲気を感じる温かな色味。敷地内の回遊式遊歩道も千代の路地にヒントを得たもので、居住者に「ここで暮らし、敷地内を散策するだけで楽しそう」と感じてもらうための演出でもありました。

照明色を全戸共通とすることで、エリア全体に温かさと統一感を演出

豊かさを実感できる空間設計

各戸の間取りについても、多くの工夫が盛り込まれています。たとえば一般的な賃貸住宅において1階は2階よりも低い家賃設定となるのが通例ですが、この物件では逆。より付加価値を高めるため、1階全戸にタイルテラス付き専用庭を設け、その分、家賃が高く設定されています。またLDKの一角に“DEN”と名付けられた、書斎、趣味、仕事のためにこもれる空間が用意されているのも特徴のひとつ。部屋数を増やすのではなく、頑丈な書棚で空間を仕切ることでフレキシブルに使えるスペースとしました。

書棚を仕切りとして活用し、デスクワークなどを行うための空間とした“DEN”(左奥)
1階ならではのメリットを活かし、タイルテラス付き専用庭が設置

全戸に1台の平面駐車場が確保されているのもアピールポイントです。
「この地域は車移動が一般的で、駐車場つきでなければ入居しない、という人もいます。幸いなことに当該エリアは駅だけでなく高速道路の出入り口も近く、車移動の利便性も良好でした」とWさん。このような居住者に特別感、満足感を感じさせるための仕掛け、工夫を挙げると枚挙に暇がありません。製品開発にあたっては、具体的な設計よりもむしろ、マーケティングやリサーチ、企画にこそ時間をかけるべき、という考え方は、オーナー自身の豊富なビジネス経験によって得られた知見でもあります。

SUVやミニバンなども置ける平面駐車場を、全戸×一台分用意

入居者だけでなく地域の人にも愛される場所に

賃貸でありながら一般住宅に負けない高いクオリティ、他の競合物件にない魅力を持つことは居住者にメリットがあるだけでなく、収益性向上にもつながります。長く暮らしてもらえる住まいにするには、どのような戸数や間取り、家賃設定が最適なのか? 企画、設計だけでなく、経営計画についても入念にシミュレーションを重ねて検討されました。

構想開始から約3年を経て、ついに千代町小路レジデンスが完成。内覧会を開くと多数の応募があり、次々と入居が決定しました。中には建設中から興味を持ち、どんな建物ができるのか問合せしてきた人もいたそうです。ここまで綿密なプランを立てていれば、当然の結果と言えるかもしれません。入居者からは、のびのびとした敷地、間取り、趣きのある空間演出を高く評価いただきました。また、コロナ禍でテレワーク需要が急速に高まったことにより、“DEN”も当初想定した以上の評判の設備となっています。

静音性に優れ、4面採光(一部3面)の明るい室内はゆったりと寛げる快適な空間

入居希望者だけでなく地域の人たち向けの内覧会も開催し、「駐車場だった頃に比べて地域全体の雰囲気が良くなった」といった声を聞くことができました。デベロッパーとオーナーが二人三脚で「地域に融和する理想的なレジデンスの形」を考え抜いた結果に違いありません。内覧には可能な限りオーナー自身が立ち会うようにしている、という姿勢からも真摯な人柄が窺えます。

入居者は地元で働く人が中心ですが、将来的には千代で暮らすために引っ越してくる、そうした新たなニーズの中心地にしていきたい……オーナーにはそうした展望も。無事にプロジェクトを完遂した今、「三井ホームにはコンセプトづくりから一緒に携わってもらい、熱心にたくさんのアイデアを出してもらいました。オーナーの役割は、大まかな道筋をつけることと認識しています。短期的な収益性でなく、新たなニーズの喚起、地域への貢献といった長期的な視点を理解してもらうことができ、三井を選んで本当に良かったな、と感じています。3Dパースなどを使ってイメージを掴みやすくする工夫も助かりました」と感想を語ってくれました。

吉田一人/竹森秀一郎/山崎 亨

三井ホーム株式会社 九州コンサルティング営業部
チーフコンサルタント
吉田 一人(写真左)
入社以来九州で営業をして参りました。
賃貸、医院、店舗など地域の特性を活かした不動産提案のお手伝いをしております。

三井不動産リアルティ九州株式会社 リパーク営業部
竹森 秀一郎(写真中央)
営業グループ1 グループ長 南九州事務所所属(取材当時)担当エリア:熊本県、鹿児島県、宮崎県

山崎 亨(写真右)
営業グループ2 グループ長 福岡本社所属(取材当時)担当エリア:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県 ※一部山口県
主に、各市街地で、更地、月極の未契約スペースなどの遊休地から施設併設駐車場の不正駐車対策など、お客様のお悩みに合わせて、解決に向けて寄り添いお手伝いいたします。

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