三井でみつけて

生きる力を育てる自然の中で家族それぞれに広がる未来

直感で決断。求めていた自然の中での生活

自然豊かな大阪府の高槻で育ち、上京した後はフリーランスのフォトグラファーとして活躍していた平本さん。映像演出家のご主人も同じく自然が好きで、「将来は田舎暮らしがしたいね」と考えていたそうです。

「東京では府中に住んでいました。当時の環境にも満足していましたが、もっと自然豊かな場所に住みたいねと、移住先を探していました。そんな矢先、八ヶ岳を旅行で訪れた際に素敵な物件に出会ってしまったんです。もう一目惚れで。期待と不安が入り混じる中、勢い余って旅行の最終日に契約を結んでしまいました(笑)」

慣れない土地に対する不安を抱えながら、平本さんは2014年に山梨県へ移住してきました。契約をしたのは富士山や、南アルプス連峰、八ヶ岳をのぞむ一軒家で、周りには田畑や葡萄畑も点在しているところでした。

フォトグラファーの平本さん(一番右)とご家族

自然、街、文化、人、絶妙なバランスが心地良い

「実際に山梨に越してみると、生活インフラには困らないし、人付き合いに不満もなく、抱えていた不安はどこかに消えてしまいました。移住当初は3人家族でしたが、今、下の子が増えて4人家族です。このあたりは子供との散歩でもすぐに森へ行けるので、楽しいし、気持ちいいし。移住後はストレスも減ったんですよ。この前、(医学的な)ストレスチェックをしてみたんです。そうしたらすごくいい結果がでて、体も全く負荷を感じていないんだなって」

豊かな自然に囲まれて新生活を始めた平本さん。都会とは異なる自然のあり方に驚いたようです。

「こっちの公園はすごくワイルド。都会の公園って、都市のなかに自然を作るじゃないですか。でもこっちの公園は、もともと存在している自然を活かし、親しみやすく整えている。移住直後はその違いが面白かったですね」

もともとの自然を生かした憩いの空間

自然だけでなく、現地のコミュニティにも満足している平本さん。

「東京と地方ではご近所付き合いも違うんだろうと思っていて、移住当初はうまくやっていけるか心配でした。でも、住んでみたらとても多様なコミュニティが存在していて、色んな価値観の人が自分らしく自然体で暮らしているので、私たちもすんなりと馴染むことができました」

郊外の暮らしというと、閉鎖的なコミュニティかもしれないという先入観があるかもしれません。しかし、最近様々な考え方の人が、それぞれを尊重して生活している雰囲気が、平本さんにとっても過ごしやすいといいます。

また、自然と街のバランスも住みやすさの一つだとか。

「仕事や育児のことを考えると、単に自然が豊かなだけでは暮らしづらくなってしまう。自然と街と文化と人、そのバランスが丁度いいと自分で感じたのが甲府でした」

平本さんの自宅は中古住宅で、庭付きで広さは105坪、甲府の街を見下ろす山の手に建っていて、富士山も眺められます。広さに対して、都心と比べてとてもリーズナブルだったそう。今ではお子さんも大きくなり、数年後には小学校に入学するそうです。そのため、通学に便利な隣町へ新しい家を建てることも検討中だとか。

甲府の街の奥に富士山をのぞむ自宅からの眺望

自然の中で伸ばす非認知能力

2人目のお子さんも生まれた平本さんは子育てにも自然環境を積極的に活かしています。

「子育ての方針は、子供の好奇心や生きる力を育てること。親が『やりなさい』と指示するのでなく、子供が『やりたい』と言える素質を育てることが大切だと思っています。『非認知能力』って言葉があるみたいで。これはIQでは測れない『コミュニケーション能力』や『感情をコントロールする力』などを指す言葉なんですけど、そういった力を育んであげたい」

平本さんは「自然との触れ合いは非認知能力を伸ばしてくれる」と話します。お子さん達が通う幼稚園も自然保育を行なっているそう。毎月1回自然の中への遠足があり、田んぼで稲を育てたり、自分たちで料理して食べる体験などをしているといいます。

「そのほかにも幼稚園では年に1回、シャケを使った食育が行われます。東北から送られてくるシャケを子供にスケッチしてもらい、解体するシーンを見せ、食べてから骨を土に埋め、お葬式をする。そのように自然と触れ合うことは日常的に心の土台を育むのにすごく大切なことです。私も小さい頃は父に魚釣りに連れて行ってもらっていました。子供が毎日どろんこになって、土の手触りを感じたり、木々や虫と親しんだり。そうした日常が子供の原体験になったら嬉しいですね」

そのような考えからか、庭には小さな砂場が設けられていました。伸びのびと砂遊びを楽しむお子さんを見ていると、思わず和んでしまいます。

自然の中で泥んこになりながら遊ぶ子供達

家族の未来を育む生活

「甲府に移住してほんとに良かったと思っています。こっちは仕事も生活も、誰に何を提供するのか、何を選ぶのかを自分で考えることができるんです。子育ても落ち着いてきたので、今後はフォトグラファーとして、豊かな自然を活かしたフォトセッションやワークショップも行なっていきたいですね」

インタビュー中、終始穏やかな笑顔を見せていた平本さん。自然の中でストレスの無い生活を送りながら、子供達の将来だけでなく、ご自身の未来もまた育んでいました。

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