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日暮里は知る人ぞ知るカルチャーの発信地。
江戸時代には庶民の行楽地として愛され、明治から平成まで、さまざまな文化を生み出してきました。
そんなこの街は、約10年前に行われた再開発により「暮らす街」としても注目を集めています。
駅東側にそびえる近代的なビルと西側に残る情緒あふれる面影のコントラストは、新旧が降り混ざるこの街の「今」を象徴しているかのよう。
カルチャーの発信地として有名な「日暮里」の暮らしとはどのようなものなのか。
街を散策しながら、その魅力を確かめてきました。
駅名:JR山手線・JR京浜東北線・JR常磐線・都営日暮里・舎人ライナー「日暮里」・京成電鉄本線「京成日暮里」
ランドマーク:日暮里繊維街・谷中銀座商店街
山手線や京浜東北線など、全5路線が交わる日暮里駅は、都心のあらゆる拠点へダイレクトにアクセスができる至便な地。常磐線を使えば千葉や茨城にも1本で足を伸ばせます。
2008年に開業した都営日暮里・舎人ライナーは、これまで移動が困難だった足立区の舎人周辺と都心を繋ぎ、重宝されています。さらに駅前にはバスターミナルがあり、浅草や錦糸町への移動も便利です。
また、京成日暮里駅から成田空港第二ビルまでの移動時間は最短で36分。空港へのアクセスも抜群で、出張の多い方の拠点としても便利な街です。
再開発で生まれ変わった駅東側。駅前の3棟のビルが建つ場所は、昔、長屋や駄菓子問屋があった跡地です。
日暮里は、大正初期から駄菓子問屋と布の街として発展してきた街。
その象徴は、日暮里中央通りに約1キロ続く「日暮里繊維街」。この通り沿いには多くの繊維店や服屋さんが軒を連ね、今でもこの街に住む方々に親しまれています。
さっそく歴史ある繊維街方面へと歩いてみましょう。
繊維街の少し手前にある「ファッションハウスヘイワ堂」は、地元の人々が通う有名店。女性から男性向けの衣類が幅広く揃い、そのどれもが破格の値段です。
日暮里繊維街の案内板を発見。地図を見ると繊維街の通りの長さが改めてよく分かります。
80軒以上もの布地織物屋が軒を連ねる繊維街は、日暮里住民に親しまれているのはもちろんハンドメイド作家やコスプレイヤーにも人気。
さまざまな生地類やボタンが安く手に入るため、裁縫がお好きな人にとっても魅力的なのではないでしょうか。
繊維街周辺の東日暮里は、多くの高層マンションが建築され、子育て世代から人気上昇中の住宅街。
最近では、地方から上京した人たちや「ディンクス」と呼ばれる共働きで意識的に子どもを作らない夫婦が選ぶ街として人気になりつつあります。
駅から徒歩約10分の東日暮里6丁目。住宅街を歩いていると比較的新しい建物を多く見かけます。
住宅街の周辺には、アスレチックやブランコなどの遊具がある公園が。ここは、駅から徒歩9分程の「日暮里南公園」。
園内を見渡すと、遊具で無邪気に遊ぶ子どもたちとそれを見守るママさんたちの姿。この街の「暮らしやすさ」を象徴するかのような、和やかな空気が流れています。
日暮里南公園の最大の特徴はその広さ。
6,230平方メートルという広々とした敷地を誇り、遊具の他広場も多数。広場では、何組かの家族が心地よさそうにピクニックを楽しんでいました。
出入口はバリアフリーに対応しており、車椅子でも利用可能なトイレには、おむつ交換台やベビーキープも設置されています。細かな配慮が行き届いており、あらゆる方々が安心して楽しめるのが魅力的。
日暮里南公園は、住民たちの憩いの場です。
繊維街や公園以外にも、日暮里にはさまざまな魅力があります。
例えば、駅前の広場で第3土曜・日曜に開催される「にっぽりマルシェ」。全国各地のグルメや特産品を楽しめるこのイベントは、地域の人が心待ちにする月に一度のお楽しみ。
お昼がてら立ち寄ってみることに。
さまざまなご当地グルメのお店が並ぶ中、私が選んだのは宮城県産のハーブフランク&カップいちご。お隣のお店で生ビールも購入しました。青空の下で飲むビールは最高。
駅前広場では、「にっぽりマルシェ」のほか、ブラスバンドの演奏が楽しめる音楽祭など、各種イベントが月に数回開催されています。休日のおでかけ先に困ったとき、フラッと駅前にでかければ、手軽に娯楽を楽しむことができるでしょう。
また、駅周辺には子どもたちが大好きな「電車」を楽しめるスポットもあります。
それが、北口前の下御隠殿橋。
14もの路線が並行する日暮里には、1日約2500本、20種類以上もの列車が行き交います。
多種多様な電車を眺められるこの橋は、都内はもちろん全国的にも有名なスポット。
橋の中ほどには「トレインミュージアム」というバルコニーが設置されており、心置きなく電車鑑賞が楽しめます。
電車好きのお子さんがいるファミリーにとって、毎週のように通う「思い出の地」となるかもしれません。
日暮里のスポットとして忘れてはならないのが「谷中地区」。
駅の西口方面に広がるこの地区は、下町情緒あふれる雰囲気が魅力で、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも選出されています。そんな、谷中をふらりと散策してみることに。
こちらは谷中地区の道端で出会ったユニークなお店。ペット用の着物が販売されていました。
お隣のお店では何やら人だかりが。
覗いてみると、地元の有志の方々がボランティアでベーゴマの指導をしていました。子どもに混じって、お父さんやお母さんも一緒にベーゴマを楽しんでいる姿が印象的。昔ながらの遊びを家族で手軽に楽しむことができます。
せっかくなので私も遊び方を教えてもらうことに。なかなかコマを回すことができなかったのですが、できるようになるまで根気よく教えてくれました。
ベーゴマで遊んだ後、街の奥に進んでいくとこの地区の中心「谷中銀座」が見えてきます。
谷中銀座へと降りるこの階段は「夕焼けだんだん」と呼ばれており、夕景が美しいスポットとして有名です。
「夕焼けだんだん」を降りて谷中銀座に入っていくと、中には多くの飲食店が軒を連ねます。
谷中銀座といえば都内屈指の食べ歩きスポット。
こちらは、テレビ番組にも頻繁に取り上げられている「肉のサトー」の「谷中メンチカツ」。サクサクジューシーで、肉汁が口いっぱいに広がります。
「肉のサトー」には、グルメを求める観光客だけでなく住民の方々も多く訪れているよう。「揚げ物を買っていくのは観光客が多いけど、お肉は地元の人が買っていってくれるよ」と大将。
こちらの「アトリエ ド フロレンティーナ」は和の風情を感じさせるフロランタン専門店。
スイーツショップが充実する日暮里でも特に人気のお店です。
また、食以外にも谷中銀座にはさまざまなお店が。
エキゾチックな雰囲気が漂う「ZAKUROらんぷ家」は、トルコモザイクランプの専門店。
他の地域にはないめずらしい買い物ができるのも谷中銀座の魅力のひとつです。
昔ながらの遊び――
人とのふれあい――
多彩な食材やモノとの出会い――
谷中地区では、暮らしを豊かにするさまざまなモノやコトに出会うことができます。
駅前ビル「ステーションガーデンタワー」3Fに位置する「プロモボックス!」は、エンタメやサブカルを愛する人に広く知られている施設。
オーナーの慶野貴洋さんは生まれも育ちも日暮里で、聞けばこの地から一度も離れたことがないのだそう。
この街で暮らしこの街で働く慶野さんに、日暮里の暮らしや魅力についてお聞きしました。
(※以下、「」内は慶野さんのセリフです)
――最初にプロモボックスについて教えてください。
「秋葉原にはライブハウスやメイドカフェ、撮影スタジオがありますよね。ここは、それらをひとつにした場所です。ライブもできるしYouTubeの配信もできます。お料理イベントなんかも開催しています」
――秋葉原ではなく、日暮里にこういった店を構えたのはやはり地元だから?
「それもありますが、ほかではできないイベントができる場所を日暮里に作りたかったんです。日暮里は、年代に問わず趣味を楽しみながら暮らしたい人が集まる街です。ご年配の方も凄くエネルギッシュ。谷中のあたりは、上野の博物館や美術館まで歩いて30分くらいなので、定年を迎えた人たちには恰好の遊び場です。繊維街にはものづくりをする人たちが集まります。そんな文化を楽しむ人が多く住むこの街で、ここにしかないものを作りたかった」
――暮らしているからこそ分かる街の変化や魅力を教えてください
「見た目の変化はありませんね。強いて言うなら再開発でビルや住宅が増えたことくらい。谷中なんて本当に昔から変わりません。江戸時代からの面影がいくつも残っていますから。ですが、文化は時代の移り変わりと共に新陳代謝を遂げています。時代ごとに文化を生み出して伝えていく。消えてしまった文化もありますが、そうしたらまたひとつ生み出す。そういう新しい文化が次々に生まれるエネルギッシュな部分が、この街の魅力かもしれません」
昭和レトロの趣がある谷中銀座や江戸情緒を残す谷中霊園、そして平成に誕生したトレインミュージアム。
日暮里は、新しい文化を作り変えながら発展してきました。その中で、文化的な魅力だけでなく「公園」「住宅街」などの暮らしの機能も進化させ、今では文化的な側面と暮らしの側面がきれいに融合しています。
豊かな文化に包まれながら便利に暮らす。
日暮里は、そんな贅沢な暮らしが実現できる街です。