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いまや新しい住宅には必ず設置されている「24時間換気システム」。2003年の改正建築基準法により、すべての建築物に設置が義務付けられている機械式の換気システムです。24時間ずっと稼動し続ける設備なので、「外気が入ってきて暑い/寒い」「音がうるさい」「電気代がもったいない」などの理由から、あまり使っていないご家庭もあるかもしれません。でも、法律で義務化された背景には換気が必要なワケがあるのです。
TOP画像/パークホームズ浅草寿 B1type
現在のマンションは「高気密」が主流
今も各地で建設されているマンションですが、その多くが気密性の高い構造となっています。気密性が高い=空気の出入りが少ない、ということで室内の温度を一定に保ちやすく冷暖房の省エネにつながることや、外部からの花粉や塵埃の侵入を防ぐことができるなどのメリットがあります。
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一方で、室内の空気が外に流出せずに滞留するため、壁材や建材などから発生する化学物質、ハウスダストやカビ・ダニなども溜まりやすくなります。これらが原因で、「シックハウス症候群」を発症する可能性も。
そのため、室内の空気環境を良好に維持する換気システムはとても重要で、法律により設置が義務化されたのです。
24時間換気システムにまつわる素朴な疑問
2009年に日本建築学会が行なった設備機器の使用実態に関するアンケート調査によると、「世帯人数が増えるほど常時換気している」という傾向が見られるそう。単身世帯よりもファミリー世帯のほうが家族の健康面への意識が高く、利用率も高くなることがうかがえます。
しかし重要性はわかりつつも、換気システムを常時使用するとなると電気代やメンテナンス費など、家計への影響が気になるところですよね。
稼動する換気扇のワット数から算出した電気代は、毎月数十~数百円程度といわれていて、健康面への影響を考えれば動かしておいて損はないでしょう。日中は留守にすることが多いから止めている、という方もいるかもしれませんが、留守にしがちだからこそ、ハウスダストやカビなども溜まりやすくなります。やはり常時稼動させておくほうが安心だといえますね。
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換気扇の寿命は24時間稼働させた場合、およそ10年といわれていて、故障した際の交換費用は2~5万円程度が相場です。この換気扇の寿命を伸ばすためのメンテナンスとして、月に一度程度はフィルターを掃除しておくとよいでしょう。
3種類ある換気方式。特徴を把握して住まい選びに生かそう
ひとくちに「換気システム」といっても、換気方式によって3つの種類に分けられます。
最も多く住宅に使われる「第3種換気方式」
換気方式は、第1種換気方式・第2種換気方式・第3種換気方式があり、一般的な住宅に多く用いられるのは「第3種換気方式」です。排気のみを強制的に行ない、給気は給気口から自然と空気を吸い込むようにする方式です。
各換気方式の概略図
この方式では内部の湿気を強制的に排出することから結露の発生を抑えられたり、構造がシンプルなため設置・修理・交換が比較的容易でコストを抑えられたりといったメリットがあります。
ただし、給気口から自然と空気を吸い込むために外気の流入をコントロールしづらく、冷暖房費が高くなってしまう可能性があります。
換気のデメリットを補うアイテム
このように、換気によって室内で冷暖房した空気が排出され、効率の低下を招くことも。
しかし、「熱交換形換気扇」では、排気する空気の熱を給気する空気に移し替えることで冷暖房の効果を高めることができます。
また、外気からの花粉やPM2.5などの侵入を防ぐための「除塵フィルター」も、換気システムの内部に備えているものや後から吸気口に貼り付けられるタイプもあります。
これらはあくまで一部ですが、住環境を良くする優れた機能性アイテムです。
健康的な生活を送るための住まいを考えよう
2009年には国土交通省が生活者の健康を考えて、最新の科学技術や科学的根拠に基づく持続可能な新しい都市モデルを目指すという「Smart Wellness City」構想を発表しました。少子高齢化が進むなかで「健“幸”社会」を実現するとしています。
「ウェルネス(健康)」に関心が高まっているなか、三井不動産レジデンシャルでは2015年から、首都圏の建売分譲住宅で初となる「スマートウェルネス住宅」を建設。これは過去に掲載した記事でもご紹介したように、最新の設備だけでなく、設計に「健康(ウェルネス)」「省エネ(スマート)」「安心・安全」の3要素を取り入れ、間取りや内装、外構などに生かすものです。
スマートウェルネス住宅のイメージ(ファインコート世田谷砧) B1type
これからは住まい選びの基準の一つに、健康面への配慮という観点を持つことも必要かもしれませんね。
住まいに関する素朴な疑問について、少し調べてみると住まい選びや暮らし方のヒントが増えることがあります。今回の知識も参考にして、後悔のない、賢い住まい選びを実現してください。