2018年は飛散量2倍!? 花粉を効果的に取り除く掃除術とは

気温が上がり春の訪れを感じる季節。この時季になると花粉に悩むという人も多いのでは? 日本気象協会によると、2018年の花粉飛散量は例年と比べて2倍にもなると予想されているのです(関東甲信地方で前シーズン比150%、東北地方では210%)。
気をつけていても家に侵入してきてしまうのが、花粉の厄介なところ。そんな厄介な花粉はどうやって退治すればいいのでしょうか。花粉症の方におすすめの掃除方法を、住まいのお掃除に詳しいライター・藤原千秋さんに伺いました。

お話を伺った人 藤原 千秋さん

主に住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年のキャリアを持つ。大手住宅メーカーの営業職出身という経歴や、三児の母という視点を活かしながら、生活に根ざしたリアルなお掃除方法を紹介。著書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』など。「マツコの知らない世界」TBS系など、マスコミ出演も多数。



花粉退治の大原則は「入れない」「舞い上がらせない」「静電気対策を徹底する」

花粉対策の大原則は、「入れない」「舞い上がらせない」「静電気対策を徹底する」という3つ。そもそも花粉を家の中に「入れない」ことが大事です。もし、入ってきてしまった花粉があるなら、それを「舞い上がらせない」ように掃除をしましょう。また、花粉はホコリと同様、静電気に吸い寄せられるので「静電気対策を徹底する」ことも有効です。

これらの原則に基づいて、効果的な方法を見ていきましょう。

①入れない ● 帰宅時に上着・帽子・コート・スカートやズボンの裾などについた花粉を落とす
● 洗濯物・布団の屋外干しを一切行わない
● 部屋の吸気口に後付けでフィルターを設置する
②舞い上がらせない ● キャスター式の掃除機をなるべく使わない
● 拭き掃除をメインに早朝や帰宅直後に行う
● 棚の上や家電の上のホコリもはたかずに拭き取る
③静電気対策を徹底する ● 家電の裏やコード類は重点的に行う
● 少量のリンスか柔軟剤を溶かした水でぞうきんを濡らす
● 静電気を抑制するために適宜加湿する(目安50%)

①花粉を入れない

花粉は必ず外からやってきます。まずは花粉を家に入れないことが大事。外出から帰ってくると、上着やコート、スカートやズボンの裾などに花粉が付着しています。そのため、玄関先で必ず払い落としてから家にあがるようにしましょう。玄関先に洋服ブラシを用意しておくと良いですよ。最近の住まいでは玄関に衣類を収納できるスペースがある物件も。外出から帰った際、玄関先でコートを脱ぎ収納することで部屋へ持ち込む花粉の量を減らせます。

玄関脇にクロークがあれば部屋まで花粉を持ち込まずに済む(幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス 106Pt TYPE)

また、意図しない花粉の侵入経路を断つことも効果的です。換気のために備えられている部屋の吸気口には、後付けのフィルターを設置することも可能。フィルター自体が静電気を帯びることで花粉などを吸着してくれる機能的なものも用意されています。

三井不動産レジデンシャルの物件には「スマートウェルネス」住宅が用意されています。換気システムに微小粒子用フィルターを使用して花粉の侵入を阻止したり、天井埋込型空気清浄機によって花粉を捕集し清浄な空気を保ってくれたりします。天井埋込型の空気清浄機なら、お掃除の邪魔にもなりませんし、床に置く必要がないためお部屋を広く使う事ができますね。

三井不動産レジデンシャルの「スマートウェルネス」住宅は空気を清浄に保つ設備も(ファインコート中目黒 物件HPより)

ところで、洗濯物は天日で乾かしたいところですが、外干しでは花粉が含まれた風に長時間洗濯物がさらされてしまいます。「みんなの住まい」では以前、「花粉は換気時に侵入してくるように思われがちだが、洗濯物や帰宅時に衣類に付着して入ってくる割合が全体の40%を占めている」という事実をお伝えしました。浴室乾燥機のある住まいなら花粉の時期に外へ干さなくてすみますし、お部屋に洗濯物を干している状態から解放されるだけでなく、洗濯物が素早く乾き気持ちよく過ごすことができます。

浴室乾燥機を備えた物件なら外干しせずにすむので花粉の心配も無用(ファインコート石神井公園ザ・プレミア)

②落ちている花粉を舞い上がらせない

家に入ってきてしまった花粉は空気中を漂い、やがて落下して床に散乱します。そのため、掃除の基本はそれらを再び舞い上がらせない、というのがポイント。
掃除の強い味方といえば掃除機ですが、排気口が床の近くにある「キャスター式」は、自身の排気で花粉を舞い上がらせてしまうので使うのを控えましょう。また、コードをさばく際に起きる風でも花粉を舞い上がらせてしまいます。

そこでおすすめなのが、排気が上方にある「スティック式」の掃除機。これなら排気で花粉を舞い上がらせることなく掃除ができます。コードレスだとさらにいいですね。

スティック式の掃除機は排気が上にあるので床の花粉を舞い上がらせない

フローリングの床の場合は、拭き掃除をメインにするのがおすすめ。花粉を舞い上がらせることなく拭き取ってしまいましょう。棚の上や家電の上にも花粉が溜まっていることがあるため、ハタキではたくのは避けて拭き取るようにしてくださいね。

フローリング床では拭き掃除をメインに(パークホームズ田無ザ ガーデン Hタイプ モデルルームプラン)

掃除をするタイミングにも工夫が必要です。床などに落ちている花粉は、人が歩く際に起きる風で舞い上がってしまうため、掃除は誰も歩き回っていない早朝あるいは帰宅直後に行うと効率よくできるでしょう。

③静電気対策を徹底する

ホコリが溜まりやすい家電製品の裏やコード類。花粉も同様に溜まりやすい場所であるため、重点的に掃除しましょう。

ホコリや花粉を呼び寄せる静電気を発生させにくくするのも効果的。そのためには「化学ぞうきん」で拭き取るのが良いでしょう。市販の物もありますが、実は柔軟剤やリンスを使って自家製化学ぞうきんを作ることもできます。約3リットルの水に4~5滴ほどの柔軟剤やリンスを混ぜたものにぞうきんを3分間浸した後、固く絞ったら完成。このぞうきんで拭き掃除をすることで、静電気が発生しにくい状態になります。

また、乾燥している環境だと静電気も起こりやすくなってしまいます。適宜加湿することで静電気予防になりますので、湿度を50%程度に保つと良いでしょう。

いかがでしたか? 普段のお掃除に少しの工夫を加えることで、花粉を効果的に退治できます。お掃除を効果的に行って、花粉が多い2018年も気持ちよく快適な生活を送りましょう。

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