三井でみつけて
リフォームが済んだお風呂場のイメージです。

お風呂・浴室のリフォーム費用や工事の流れを専門家に聞いてみた!

毎日使っているお風呂だからこそ、汚れやちょっとした不具合、使いづらいところがあると気になってしまうものです。15年以上使い続けていて、そうした点が目立つようなら、そろそろリフォームを考える時期が近づいています。今、お風呂をリフォームするとしたら、どんなことを意識しておくべきなのでしょうか。
そこで、リフォームのプロである三井のリフォームのKさんが、お風呂をリフォームするメリットや注意点について解説します。

三井のリフォームK

三井のリフォームで営業と工事担当を合わせて14年、戸建てやマンションなど、数多くのリフォームに携わってきたリフォームの経験者。

お風呂のリフォームは15年前後が目安といわれる理由は?

お風呂の寿命は20年くらいと考えるのが一般的です。ただ、使い方にもよりますが、水栓や換気扇の調子が悪くなったり、浴室のコーキング(防水処理)が劣化したりといった不具合は、10年を過ぎる頃から見られるようになります。15年前後でのリフォームが目安といわれるのはそのためです。
では、具体的に起きる問題を挙げてみましょう。

リフォーム前の(やや古い)お風呂場のイメージです。

ヒビ割れやはがれで機能低下

使い始めて10年を過ぎる頃から、お風呂のあちこちには少しずつ不具合が起きてきます。具体的には、床や壁、コーキング材にヒビ割れが生じる、蛇口から水が漏れる、ドアがしっかり閉まらない、換気扇がうまく動かない、排水がしっかり流れずに嫌なニオイが上がってくるといったことが挙げられます。

床や壁のタイルのヒビ割れやめくれは、寿命が近いサインです。タイルではなく化粧パネルを採用している場合も、経年劣化が進むと化粧パネルの接ぎてのコーキング材にひび割れやめくれが生じてきます。床・壁の継ぎ目などのコーキングは、ヒビやはがれが出ていると防水機能が働かなくなります。

また、給排水管にも寿命があり、現在広く使われているポリエチレン管、以前よく利用されていた銅管、1970年代後半まで使われていた鉛管のいずれも、配管に劣化が起きると漏水の危険性が高まります。

汚れやカビが取れない

浴室内に取れない汚れ、カビが増えてくるのも寿命が近いサインです。カビ取り剤などを用いても取りきれないような黒カビは、内部まで浸透していて、そこからさらに広がっていく可能性があります。

また、ヘアピンやカミソリの刃など錆びる物を置きっぱなしにすると、赤茶色に汚れるもらいサビも発生しがちです。こうした汚れが目立つようなら、リフォームすべき日が近いといえるでしょう。

ライフスタイルの変化

住む人の年齢上昇、子供世代の別居や二世帯住宅化といったライフスタイルの変化も、お風呂リフォームのきっかけとなります。

利用者が高齢になるほど、ヒートショック対策やバリアフリー化への需要が高まります。浴室暖房機の導入、手すりや支えの設置、滑りづらい床への変更、引き戸への変更などが必要になり、リフォームするというパターンも少なくありません。

お風呂をリフォームするメリットは?

お風呂のリフォームは、もう一度新築のようにお風呂がきれいになるというだけではありません。断熱性を高められたり、汚れにくくお手入れがしやすくなったりと、快適性や機能面も向上させられます。

断熱性能の向上

お風呂をリフォームするメリットとして、断熱性能を向上させられることが挙げられます。冬場に発生しやすいヒートショック対策にもなるでしょう。断熱性能の向上には、在来工法で作られたお風呂をユニットバスにする、古いユニットバスから最新のユニットバスに変えるだけでなく、断熱材の付加や窓の断熱性能を強化する方法も効果的です。

汚れにくく掃除しやすくなる

お風呂はどうしても汚れるものですし、使用後の掃除も欠かせません。しかし、リフォームによって最新の設備に入れ替えることで、汚れにくく掃除しやすくなるのがメリットです。最近のユニットバスは通常の汚れやカビ、水垢などで汚れにくく、掃除が簡単になるよう工夫された物が増えています。ユニットバスは汚れやカビに強い素材で作られているため、お手入れも楽になるでしょう。
排水口も掃除しやすくなっており、浴槽や床の自動洗浄機能も人気です。

こだわりのポイントを叶えられる

バスタイムをより快適にする浴室暖房機や浴室乾燥機など、こだわり機能の導入を考えているなら、リフォームのタイミングに合わせて追加するのがベターです。

浴室換気乾燥暖房機は浴室を適切な温度に温めることで冬場のヒートショック対策に役立つほか、入浴時の快適度も増します。同時に床暖房も導入すれば、さらにお風呂場を温かくできます。また、浴室換気乾燥暖房機は浴室の換気、乾燥、涼風といった機能を持ち、ただお風呂場を乾燥させるだけでなく、洗濯物の乾燥なども可能です。さらに、カビの発生を抑えるといったメリットもあります。

さらに、ジェットバスや多機能シャワー、節水シャワー、断熱材を用いた断熱浴槽なども人気があります。お風呂でもっとくつろぎたいという人には、浴室テレビやバスオーディオ(浴室用スピーカー)、リラックス照明なども魅力的でしょう。

また、掃除がしやすく見栄えも良い人工大理石浴槽にしたい、あるいは檜風呂にしたいといった要望も多くあります。こうしたこだわりポイントも、リフォームをする際に叶えることができます。

お風呂と洗面室をいっしょにリフォームできる

お風呂と洗面室はどちらも水回りということもあり、ほぼ同じ時期に寿命がやってくるものです。そこで両者をいっしょにリフォームすれば、隣り合った場所のリフォームを一気に済ませるだけでなく、別々にリフォームするよりも費用を安く抑えられます。
新しい浴槽を入れるときは、洗面室(脱衣所)とお風呂場のあいだの壁を壊すケースが多くなりますが、壊した壁には当然新しいクロスを張る必要があります。その際、お風呂と洗面所の給排水給湯管も、広い範囲で点検と交換ができるので安心です。

お風呂をリフォームするタイミングに合わせて、洗面室全体の内装も考えるのは良い選択といえるでしょう。

お風呂のリフォームにはどれくらい費用がかかる?

お風呂のリフォームの中で多いのは、在来工法からユニットバスへのリフォーム、もしくはユニットバスからユニットバスへのリフォームです。どちらの工事になるかによって費用はかなり変わりますし、使用するユニットバスの種類や工事内容も大きく影響します。

目安としては、在来工法からユニットバスへのリフォームでは、60万円程の平均的な価格のユニットバスを選んだ場合で160万~210万円、ユニットバスからユニットバスへのリフォームでは130万~180万円程になることが多いでしょう。
戸建てで在来工法からユニットバスへと変更する浴室全体のリフォームをする費用の内訳は、次のようなものになります。

<在来工法からユニットバスにリフォームする際に発生する費用項目>

・仮設解体
・コンクリート打設(必要時)
・木工造作
・内装
・電気配線
・給排水給湯
・ユニットバス+施工費
・産業廃棄物処理
・設計料
・諸経費

お風呂リフォーム工事の進め方は?

お風呂のリフォームの工期は、ユニットバスからユニットバスへの工事であれば5日程度、在来工法からユニットバスへの工事だと10日程度です。実際の工事は以下の流れで進みます。

1 大まかなリフォーム内容を決め、設置するユニットバスの目処をつける

設置するユニットバスについては、メーカーのWebサイトやカタログ、ショールームなどを見て、希望するものの目処をつけておきます。メーカーごとに特徴が異なるので、その点もチェックしておきましょう。

2 見積依頼

リフォーム内容を決めたら、それをもとにリフォーム会社に相談して見積もりを依頼してください。その上で担当者と話し合って、現地調査の日程を決めます。

3 現地調査、リフォーム会社が見積提出

リフォーム会社が自宅を訪れて現地調査をします。現地調査では希望どおりの商品設置の可否、設計・施工の可否、追加工事の発生の有無などの確認と、詳細な採寸が行われます。

ユニットバスのリフォームの場合は、浴室のサイズや窓やドアの位置、大きさに問題にないかなどのチェック項目が増えます。ほかにも給排水管の状態や給湯器の機能、搬入経路なども確認します。

その上で現地調査の結果を共有、正確な見積もりが出されます。

4 検討

見積もりを受け取ったら内容を確認します。工事内容などの内訳が記載されているか、金額は妥当かなどをチェックしましょう。少しでも不明点があれば担当者に尋ね、要望どおりの工事内容になっていることを確認してください。

5 契約

見積もりの内容やリフォーム会社の対応に問題がなければ契約を結びます。後でトラブルにならないよう契約書をしっかりと読み、保管しておくことも大切です。

6 設計

契約後、ショールームで実際の商品を体感し、配色や機能の確認を行います。設計は実際のリフォームの完成具合に直結するので、納得できるまで担当者としっかりと話し合って内容を詰めてください。

7 工事前準備

工事当日までに、浴室内に置いていた物をすべて片づけておきます。資材搬入のため、洗面室の棚や洗濯機などを移動しなくてはならない場合もあるので、事前に担当者に確認しておきましょう。

8 工事

工事中はお風呂だけでなく洗面室も使えないことがほとんどです。作業員がいないあいだは入れますが、工事期間中は衛生的とはいえないので、洗顔や歯磨きはキッチンなどでできるようにしておきましょう。

9 引き渡し

工事が終了すると、発注者立ち会いのもと、新しくなったお風呂を確認します。すべて問題なければリフォーム完了です。

お風呂のリフォームで注意すべき点や押さえておきたいポイントは?

まず注意したいのは、リフォーム工事中にはお風呂に入れない期間が生じることです。また、実際にリフォームしてみてから初めて気づくようなトラブルが起きるケースも考えられます。「リフォーム後のお風呂を使ってみたら、最初のイメージと違った」といったことにならないよう、メーカーのショールームで実物を確かめるなど、慎重に進めるようにしてください。

お風呂に入れない期間を確認する

ユニットバスからユニットバスへのリフォームの場合は、目安として5日間程度お風呂に入れない期間が生じます。例えば月曜日に工事が始まると、新しいお風呂に入れるのは土曜日か日曜日というイメージです。

在来工法からユニットバスへのリフォームは、少し工事期間が長くなります。目安として、10日間程お風呂に入れない期間が生じ、月曜日に工事が始まったとすると、新しいお風呂には翌週の木曜日か金曜日くらいから入れます。これはコンクリート打設とその養生期間が必要になるからです。

お風呂に入れない期間は銭湯やホテル、入浴施設など外部のお風呂を利用するなどの方法を考えておいてください。

見えるところだけではなく、給排水管や給湯器も刷新する

浴槽や内装などがきれいになっても、目に見えない部分を古いまま残しておいたのでは、やがて不具合が出てきます。

そこで、お風呂のリフォームの際には、給排水管もぜひいっしょに取り替えたいところです。銅管や鉛管が使われているなら、新しくポリエチレン管にするのがおすすめです。そうすれば今後も長く給水管を使い続けることができます。

給湯器の交換時期も10年前後が目安です。お風呂をリフォームするまでの間、給湯器を交換していないようなら、一緒に交換することをおすすめします。

大きな窓はプライバシーや防犯の観点に注意する

お風呂に窓をつけると、換気がしやすい、閉塞感が軽減されるなどのメリットが得られますが、デメリットもあります。例えば、プライバシーや防犯上の問題が挙げられます。ちりやほこりが入ってきやすいのも問題です。虫の侵入や窓ガラスが割れる可能性も考えられるため、特に大きな窓をつけるときは、これらを考慮して設置することが大切です。

躯体の傷みで追加工事が発生するケースもある

お風呂のリフォームのために解体工事をしたときに、床下の木材の腐食やシロアリの被害に気づくことがあります。特に戸建てでの在来工法のタイル風呂のリフォームで起きやすく、その場合は腐食部分の修繕・補強の追加工事が必要です。

なお、事前に詳しく調べれば、タイルの割れや亀裂、コーキングの劣化具合などから、床下の様子が推測できる場合もあります。現地調査のときに詳しくチェックしてもらうと良いでしょう。

お風呂のリフォームで利用できる補助金や税制優遇制度はありますか?

介護保険や地方自治体の補助金が利用できる可能性があります。ご自宅のリフォーム工事が要件を満たしているかどうかは、お住まいの自治体に確認してください。

介護保険

介護保険は、要支援・要介護認定されている人を対象とした国の制度です。介護のための住宅リフォームを行う場合に、介護保険により住宅改修費の9割相当が支給されます。最大支給額は20万円で、受取額は介護保険制度の自己負担割合1~3割を除いた14万~18万円です。

例えば、手すりの取りつけ、段差の解消、床材の張替え、引き戸への変更などの際に、介護保険が適用される可能性があります。

自治体の補助金・助成金制度

自治体独自の補助金や助成金制度を、お風呂のリフォームに利用できる場合があります。例えば、東京都目黒区の場合、トイレや洗面室、キッチンなどと共にお風呂のリフォームも「住宅リフォーム資金助成」の対象となっています。この制度を利用すると、工事費用の10%(上限10万円)が助成されます。対象となる工事や金額は自治体によって異なるため、居住する自治体の制度を確認してください。

こどもみらい住宅支援事業

こどもみらい住宅支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯が高い省エネ性能を持つ住宅を新築した場合や、世帯を問わず省エネリフォームを行った場合に、一定の条件を満たすと補助金が受給できる制度です。申請者は建築業者や宅建業者で、一般消費者はこれらの事業者から補助金の還元を受けられます。

お風呂のリフォームでは、エコ住宅設備、バリアフリー改修、開口部の断熱改修、家事負担軽減設備に該当した場合、補助金申請の対象になります。

リフォームに関する補助金や減税制度について詳しくは、こちらをご参照ください。
知らないと損?リフォームするなら補助金や減税制度をチェック!

お風呂のリフォームはほかの水回りといっしょに行うのがおすすめ

檜風呂のイメージ

15~20年が経過したお風呂は、たとえ見た目はきれいに見えても、さまざまな不具合を抱えている可能性があります。ご自宅のお風呂の使用期間が該当する場合、新しいユニットバスへの交換、ヒートショック対策やバリアフリー化など、今後の生活に合ったリフォームを考える時期といえるでしょう。

このとき、浴室と隣り合う洗面室もセットでリフォームすれば、費用や工期を抑えつつ、一気にお風呂回りをリニューアルできます。さらに、キッチンやトイレなどほかの水回り設備のリフォームも視野に入れても良いでしょう。

お風呂のリフォームは、自宅の水回り全体を見直す良い機会でもあります。これからも長く快適で安全な暮らしを続けていくために必要なこととして、お風呂のリフォームを捉えることが大切です。

三井のリフォームではお風呂の改修をはじめ、さまざまなリフォームのご相談に応じております。ぜひ、三井のリフォームへご相談ください。

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