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キッチンのリフォームで注意したい点は?専門家が徹底解説!

キッチンをリフォームするとき、新しいキッチンに交換するのではなく、間取りから変更してこれまでとまったく違うキッチンを作る方法もあります。もし現状のキッチンに不満を感じる部分があって、理想のキッチンのイメージがあるのなら、思いきって大胆なリフォームをするのも良いのではないでしょうか。

そこで、リフォームのプロである三井のリフォームのKさんが、キッチンをリフォームするメリットやタイミング、費用や工事の流れから、リフォーム時に気をつけたい家事動線や家電のことなど押さえておきたいポイントを解説します。

三井のリフォームK

三井のリフォームで営業と工事担当を合わせて14年、戸建てやマンションなど、数多くのリフォームに携わってきたリフォームの経験者。

キッチンをリフォームするタイミングは?

キッチンのリフォームは築15年を過ぎた頃から考えるというケースが多いでしょう。そのタイミングで行わなかったとしても、20年くらい経つと汚れや不具合が気になってくるものです。それでも使い続けた場合、どのような問題が発生するのかチェックしつつ、リフォームを考えたいタイミングを紹介します。

さまざまな汚れの蓄積が目立ってきたとき

キッチンをリフォームするタイミングとして、汚れの蓄積が目立ったときが考えられます。キッチンを15~20年使い続けていると、頑固な油汚れやカビによって、シンクやコンロの汚れが落ちにくくなったり、周囲の壁や床、天井にも汚れが目立つようになったりします。

また、排水口のぬめりが取れない、詰まりやすい、ニオイが上がってくるといった問題が起きることもあります。

シンクの汚れやシミ、黒ずみ、ニオイなどがなかなか落ちない場合は、衛生面を考えてキッチン自体を新調したほうが良いかもしれません。

キッチンの設備に古さを感じたとき

キッチンの設備に古さを感じたときも、キッチンをリフォームするタイミングです。キッチン用水栓は、設置して10年が過ぎる頃からレバーハンドルが固くなる、吐水口や根元から水が漏れるなどの症状が見られるようになります。ガスコンロや食洗機、換気扇なども10年を過ぎる頃が耐久年数の目安です。

また、ガス給湯器は10年程、電気温水器は15年程が平均寿命といわれています。設備が古くなれば不具合や故障が生じる頻度も高くなるので、15年以上経っているようなら全部まとめて取り替えることを考えても良いでしょう。

使い勝手が悪いと思ったとき

キッチンの使い勝手が悪いと感じたら、リフォームを検討してみましょう。家族が増えるなどして、キッチンの作業スペースやシンクが物足りなくなるケースもあります。また、壁付け型のキッチンを対面式にして、家族とのコミュニケーションができるようにしたいという要望も少なくありません。キッチンの使い勝手や利便性を今より良くしたいと考えるなら、リフォームの検討をおすすめします。

キッチンリフォームのメリットは?

キッチンが新しくきれいになるのはもちろんですが、住まいに合ったデザイン、間取り変更を含むレイアウトの刷新、使い勝手や機能性の向上などを実現できます。キッチンの使い方や設備面を見直し、より良い生活が送れるようになることこそ、リフォームの最も大きなメリットといえるでしょう。

最適なタイプのキッチンへ変更できる

代表的なキッチンは、壁付け型キッチン、アイランドキッチン、ペニンシュラキッチンの3つです。このうち好きなタイプを選んで、自分好みのキッチンにできることがリフォームの最大のメリットでしょう。もともとの間取りやライフスタイルに合うタイプはどれなのか、どうすれば理想のキッチンにできるのかをとことん追求してください。もちろん、キッチン単体で考えるのではなく、リビングやダイニングとの位置関係や家事動線をトータルで考えることも大切です。3タイプの違いをまとめた表をもとに、ご自宅に合うキッチンを考えてみましょう。

■タイプ別キッチン比較表

壁付け型 ペニンシュラキッチン アイランドキッチン
空間演出 部屋として独立しているため、演出性は欠ける 片側に偏った印象を受ける キッチンがセンターにあり、キレイで豊かな印象を受ける
使い勝手 見栄えにとらわれず使い勝手の良さを優先できる 壁側に物を逃がせる。死角ができる 死角がなく常に見られる。物を置くと雑多な印象。家事動線は良く掃除もしやすい
収納量 部屋の中を収納として最大限利用できる 見せる収納と隠す収納のメリハリをつけられる 動線が増える分、収納は減る
費用 比較的安価 壁面と収納の造作に費用がかかる キッチン単体はやや高価。大掛かりな間取り変更が必要なことが多く、工事費が上がる

デザインやインテリア性をアップさせられる

キッチンをおしゃれで居心地良い空間にできることも、キッチンをリフォームするメリットです。カフェ風、北欧風、モダンというように、好みに合ったテイストのデザインを選ぶことで、雰囲気を一変できることも見逃せないポイントといえます。

最新設備などで機能性も向上

リフォームによって新しい材料や設備を導入できることも見逃せないメリットです。汚れに強く美しい人工大理石のシンク、調理のしやすさを追求したデザイン、清掃性や安全性に優れたコンロ、フィルターを自動清掃してくれるレンジフードなど、最新のキッチンにはさまざまな機能が備わっています。こうした設備を導入すれば、キッチンの機能は大幅に向上し、料理をもっと楽しめるようになるでしょう。

こだわりポイントを実現できる

キッチンカウンターやビルトインオーブンなど、キッチンを作り直すならぜひ叶えたいという夢を実現できることもリフォームをする大きなメリットのひとつです。こだわりを実現できれば、より充実した料理の時間を過ごすことができるでしょう。

キッチンのリフォームにはどのくらいの費用がかかる?

キッチンのみを交換するか、内装を含むのか、間取りの変更も行うのかといった条件によって費用は大きく変わります。

工事中のイメージです。

例えば、もともと壁付け型だったキッチンを同じ壁付け型の新しいキッチンに変えるには、キッチン本体の費用が90万円程の場合で200万~250万円程かかります。壁付け型からペニンシュラキッチンへの変更は250万~300万円、同じくアイランドキッチンへの変更は300万~400万円程かかると考えてください。
ほかにどのような費用があるのかを紹介しましょう。

<壁付け型からペニンシュラキッチンに変更した場合のキッチンリフォーム費用項目>

・仮設解体
・木工造作
・内装
・電気配線
・給排水給湯
・キッチン+施工費
・産業廃棄物処理
・諸経費
・設計料

キッチンリフォームにはどれくらい期間がかかる?

工期は必要な工事の内容によって変わります。それぞれの工程での大まかな目安となる期間について解説します。

キッチン入れ替えと内装変更

キッチンを入れ替えるだけでなく、周囲の壁紙と床材も変えるケースもあります。このときは内装工事が入るため1週間程度が目安です。

レイアウト変更

壁付け型からペニンシュラキッチンやアイランドキッチンに変えるなどして、キッチンの場所を変更すると、給排水設備やガス管の移動、電気配線、木工造作などを伴う工事が必要です。間取りの変更具合によって工期も大きく変わりますが、おおむね2週間~1ヵ月かかります。

キッチンリフォーム工事の進め方は?

キッチンのリフォームを会社に依頼するところから、工事を経て引き渡しを受けるまでの流れは次のとおりです。それぞれの段階で注意すべき点とともにご確認ください。

1 大まかなリフォーム内容を決め、設置するキッチンの目処をつける

最初にリフォームの規模と内容を決めます。キッチンの入れ替えのみ、周辺の内装も含む、レイアウト変更ありのパターンがあります。さらにキッチンのタイプについても、壁付け型、ペニンシュラキッチン、アイランドキッチンといった希望を決めておきましょう。

設置するキッチンについては、メーカーのWebサイトやカタログ、ショールームなどを見て、ある程度の目星をつけておいてください。

2 見積依頼

リフォーム内容が決まったら、リフォーム会社に内容を伝えて見積依頼をします。担当者のヒアリングを受け、説明を聞いた上で、現地調査の日程を決めます。

3 現地調査、リフォーム会社が見積提出

担当者や工事スタッフが自宅を訪れて現地調査を実施します。現地調査では、希望どおりのレイアウト変更やキッチンが設置できるかといった確認と各所の採寸が行われ、正式な見積もりが出されます。

4 検討

見積もりを受け取ったら内容を検討します。工事内容の内訳と金額をチェックしましょう。要望どおりの工事内容になっているかどうかの確認もしっかりと行ってください。このとき、少しでも疑問点や不明点があれば担当者に尋ねましょう。

5 契約

見積もりの内容に問題がなく、担当者の対応にも納得できるようなら契約します。後でトラブルにならないよう契約書の内容をしっかりと確認し、書類は保管しておきましょう。

6 設計

契約後、ショールームで実際の商品を体感し、配色や機能の確認を行います。設計は実際のリフォームの完成具合に直結するので、納得できるまで担当者としっかりと話し合って内容を詰めてください。

7 工事前準備

工事当日までに、キッチンに置いていた物や家電製品などをすべて片づけておきます。資材搬入のためにダイニングやリビングの家具も移動する必要がある場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

8 工事

工事中はキッチンが使用できません。そのため食事は基本的に外食や買ってきた物で済ませることになります。また、解体作業中などはほこりやニオイが発生するので、キッチンから離れた場所で食事をするのが無難です。

キッチンだけでなくダイニングやリビングにも工事が及ぶ大規模工事の場合は、住みながらのリフォームが難しい場合もあります。

9 引き渡し

工事が終了すると、担当者立ち会いのもと、新しいキッチンを確認します。すべて問題ないことをチェックできたらリフォームは完了です。

キッチンリフォームの注意点や押さえておくべきポイントは?

ポイントとしては、家事動線の確保、収納の確保、冷蔵庫やゴミ保管スペースの置き場所などが挙げられます。特に大切なのは、どのようにキッチンを使いたいのか、何をキッチンに置くのかといったことを具体的かつ詳細に担当者に伝えることです。

完成したキッチンです。

家事動線を考える

キッチンリフォームの設計を検討するときは、キッチンで調理をしてダイニングに料理を運ぶ、もしくは昼食の準備をしながら洗濯機を回すなど、家事をスムーズに行うための動線が確保できているかのチェックが必要です。キッチンを2人で使うことが多いなら、その分のスペースがあるか、使いづらくないかも確認しましょう。

設計図や間取りを見ながら、普段の生活の中でどのように行動するのかを想像して考えてみることが大事です。

冷蔵庫やその他の家電製品などの置き場所を確認する

冷蔵庫はキッチンの入口近くに設置すれば、調理中でもほかの家族が冷蔵庫を開けやすくなるので便利です。キッチンの奥に置きたいという場合は、ドアの開閉の向きなどが適切か、使いづらくないかをよくシミュレーションしておきましょう。

さらに、炊飯器や食洗機、電子レンジ、オーブントースター、フードプロセッサー、コーヒーメーカーなど、日常的に使いたい家電製品をリストアップします。最近はキッチンでスマートフォンやタブレットを使うことも増えていますが、これらを設置する場所や使いたい場所を決めてスペースを確保してください。

コンセントを適切な箇所に設置する

コンセントも余裕のある数を適切な箇所に設置しましょう。キッチンで延長コードやたこ足配線をするのは見栄えが悪く、安全性の見地からもおすすめできません。

ゴミの保管スペースを確保する

ゴミ箱をどこに置くのかも意外に大事なポイントです。使いやすい場所でありつつ、ダイニングやリビングから見えないところにゴミを保管できれば理想的です。ゴミ箱をビルトインできると、使い勝手が良いだけでなく、見た目もスッキリします。

収納について考える

独立型の壁付キッチンは壁に吊り戸棚を設けられますし、壁際には調味料や食器洗い用の洗剤・スポンジも置いておけます。ダイニングやリビングに開放されているわけではないので、ある程度物を並べておいてもそれほど目立ちません。

一方、対面式のアイランドキッチンやペニンシュラキッチンでは、収納はキッチン下と背面の壁(バックボード)が中心になります。調味料や調理器具などをたくさん並べると見栄えが悪いので、使わないときは隠すような工夫が必要です。

収納スペースが不足しそうな場合は、食料品やあまり使わない調理器具、掃除用具などを保管しておけるパントリーを別に設けるなどの工夫が必要になるでしょう。

キッチンの高さを身長に合わせる

キッチンカウンターの高さは、メインで調理する人の身長に合わせて決めます。床からキッチンの作業台(ワークトップ)までの標準的な高さは85cmですが、システムキッチンは80cmや95cmというように選べるので、自分に合った高さを選びましょう。

こだわりポイントをどのように実現させるかを検討する

「これだけは実現したい」というようなこだわりポイントがある場合は、まず担当者にそのことをしっかりと伝える必要があります。参考になる写真なども用意して、何をどのように叶えたいのかを伝えましょう。

見積もりを依頼する段階で要望を伝えてみて、親身に相談に乗ってくれるようなリフォーム会社を選ぶことも大事です。

実際にどのようなキッチンリフォームのプランニング例があるのでしょう?

ここでは3つの代表的なパターンによるプランニング例を紹介します。ご希望のリフォームプランに近いものを参考にしてみてください。

壁付け型から壁付け型へのリフォーム

現状の間取りのまま、キッチンをそっくり交換するリフォームです。基本的にキッチンの交換と壁・床などの内装を変更する程度で済むため、一番安価にリフォームをすることができます。

独立型のキッチンは部屋として独立しているため、ダイニングやリビングからの見え方などは気にする必要がなく、調味料などを使いやすい場所に置いておいてもそれほど気になりません。その分、乱雑になりやすい点には要注意です。なお、壁付け型は調理中に家族とコミュニケーションが取りづらくなりますが、省スペースに収められるので、間取りに余裕がなくても設置できるメリットがあります。

壁付け型からペニンシュラキッチンへリフォーム

<リフォーム前:壁付け型>

<リフォーム後:ペニンシュラキッチン>

壁付け型からペニンシュラキッチンへリフォームする場合、間取り変更が伴うため、壁面の撤去や配管の移設が必要です。また、キッチン本体の入れ替えとは別に造作工事や配管工事が発生し、さらに壁面の撤去に伴うダイニング側の内装工事も行うことになります。

ペニンシュラキッチンは対面式でありながら片側の端が壁と接する形になるので、ある程度ダイニングやリビングから見たときに死角ができ、物を置いておくことが可能です。キッチンを設置するためのスペースの広さもそれほど求められません。そのため最も人気のあるタイプのキッチンとなっています。

壁付け型からアイランドキッチンへリフォーム

<リフォーム前:壁付け型>

<リフォーム後:アイランドキッチン>

壁付け型からアイランドキッチンへのリフォームも、間取り変更が伴います。壁面の撤去、配管の移設、ダイニング側の内装などが必要なのはペニンシュラキッチンの場合と同じです。

さらに、キッチンが壁面に接していない分、給排水給湯配管の経路や、電気配線の経路をしっかりと検討しなければなりません。またキッチン本体の価格も、ペニンシュラキッチンよりも高くなる傾向があります。

アイランドキッチンはキッチンが島のように独立しているので、空間演出においては最も優れていて、美しくおしゃれなキッチンが作れます。ただし、設置するにはある程度広いスペースが必要です。また常にダイニングやリビングから見える状態になるので、片づけ、掃除、お手入れが欠かせません。ただ、手元だけでも隠したいなら、調理作業中の様子を見えなくするための腰壁を設ける方法もあります。

キッチンリフォームはダイニングやほかの水回りといっしょに行う選択肢も

キッチンリフォームでは、デザインや使い勝手、機能を持つキッチンにしたいのか、どんな家電製品や調理器具を置きたいのかをよく考え、要望をリストアップしておくことが大事です。その上で、壁付け型、ペニンシュラキッチン、アイランドキッチンのどれを選ぶのかを決めましょう。

間取りの変更を伴う場合は、キッチンと合わせてダイニングやリビングの内装も新しくすれば、統一したデザインの快適な居住空間を作り出すことができます。

あるいは、同じ水回りであるトイレやお風呂のリフォームも交換の時期がきていると思われますので、一緒に行ってしまうという方法もあります。トイレやお風呂も設置してから15~20年が経過しているのなら、この機会に家全体の水回りを見直すリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

三井のリフォームではキッチンの改修をはじめ、さまざまなリフォームのご相談に応じております。ぜひ、三井のリフォームへご相談ください。

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