ウイルス、肌荒れ、火災リスクの「乾燥問題」部屋でどう防ぐか?

秋が深まり寒さを感じるころになると、エアコンで暖房をつけるようになります。一般的には気温が20度を切る頃が暖房をつける目安になります。部屋全体の温度を上げられるエアコンですが、エアコンの暖房では、空気中の水分は増えないまま温度だけあがっていくため、相対的に湿度が下がってしまうというデメリットがあります。その結果、エアコンでの暖房を使い続けると、室内もカラカラな状態になってしまいがちです。エアコンを使用する際に、重要になってくる乾燥対策。その乾燥対策について考えていきましょう。

部屋の乾燥が引き起こす、さまざまなリスクとは

そもそも乾燥はどういった影響をもたらすのでしょうか? 身体への影響と自宅での影響についてそれぞれリスクがあります。

風邪をひきやすくなる
ウイルスは乾燥した空気のほうが活発になり、湿度が低い室内では、ウイルスの拡散量が多くなります。冬に風邪やインフルエンザが流行するのもこの低温・低湿度が影響しています。また、乾燥すると喉や気管も乾燥の影響でウイルスや菌の侵入を防ぐ機能が弱くなってしまい、風邪をひきやすくなります。

肌荒れがおきやすい
空気が乾燥していると水分が乾いた空気中に奪われてしまい、皮膚の潤いがなくなっていきます。そもそも肌は、皮膚の外側にある皮脂と角質によって水分量を保っています。ところが乾燥するとこのバランスが崩れてしまい、肌のバリア機能の低下を引き起こしてしまいます。これによってひび割れやあかぎれ、しもやけなどが起きてしまいます。

火災に注意
冬場に注意したいのがやはり火災です。室内が乾燥すると、壁や床材なども乾燥し燃えやすい状態になり、湿度が40%を下回ると火災が発生しやすくなると言われています。冬に乾燥注意報が出るのもそのためです。特に冬は暖房器具による加熱で火がついてしまい、乾燥によって火のまわりが早くなってしまうというケースも。火の回りが早いと消火にも時間がかかるので、冬場の乾燥対策がいかに大切かわかりますね。

身体にも環境にもリスクがある冬場の乾燥。どのように対策すればいいのでしょうか?

部屋の湿度を上げるさまざまな方法で、自分に合った乾燥対策を

簡単に室内の湿度を上げ、乾燥を防止できる方法をみていきましょう。湿度をあげると、エアコンの設定温度が低くても寒さを感じにくく、省エネにもつながります。

一番簡単な方法は濡れたタオルをハンガーで吊るす、水を入れたコップをテーブルの上に置く、定期的に霧吹きで水を撒く、といった方法です。手軽にできるだけでなく、効果も高い有効的な方法です。タオルを吊るす際は人の近くに設置するのもポイントです。特に就寝時は、枕の近くに吊るし顔周りの空気を加湿するようにしましょう。

また、観葉植物を置くと、植物の持つ蒸散作用によって湿度を高められます。観葉植物には定期的な水やりも必要になり、これも室内の乾燥対策に有効です。

エアコン以外の暖房器具として、広く使われている石油ストーブやファンヒーターも乾燥対策になります。実は石油は燃えると水分を生成するので、室内を乾燥させずに温められます。暖房器具としてエアコンを使用する場合に、よく組み合わせて使用されるのが加湿器です。エアコンで下がってしまう湿度を、加湿器でフォローするというわけですね。

正しい加湿器の使い方で、快適安全に暮らす

気軽に使える加湿器ですが、使用時に、気をつけておくべき点がいくつかあります。

置き場所は部屋の中心がベスト
室内には加湿器を設置しない方が良い場所もあります。結露して傷めてしまわないように、家具の近くには置かないようにしましょう。また、窓の近くも避けましょう。外気に晒されている窓の近くは温度が低く、結露しやすい状態になっています。また、加湿した空気がそのまま室外へ流れ出てしまわないように、換気扇から離した位置に設置するのもポイント。加湿器を設置する場所は、部屋の中心を意識しましょう。

眠るときは加湿器を止める
寝ている時にも乾燥対策をしたい、と加湿器を付けたくなってしまいますが、眠っている時は止める方がいいでしょう。就寝中は暖房を止める人が多いと思いますが、そうすると室温が徐々に下がり、空気中の水分の保有量が減ってしまいます。加湿した方がいいと思い、加湿器を使い続けると、出続ける水蒸気の影響で湿度が飽和して結露が発生してしまいます。

加湿器の水は毎日交換する
そして加湿器を使う際のもう一つのポイントが水の交換です。加湿器のタンクが大きいからと言って、何日も交換せず使っていませんか? 水を入れっぱなしにしているとタンク内にカビが発生したり、細菌が増殖し、そのまま加湿器を動かしたりすると、室内に細菌をばら撒いてしまいます。そこで、水は入れっぱなしにせず、毎日塩素が含まれている水道水に交換し、衛生的に使うのがいいでしょう。

気をつけたい結露とは
そもそも結露とはなぜ発生するのでしょうか? 室内外の温度差によって室内の水蒸気が水滴になってしまうのが結露です。結露はカビの発生原因で、カビはアレルギー症状を引き起こす要因となってしまうため、結露対策も大切。結露が発生しやすい窓は、ペアガラス(二重窓)にするなどのリフォームでの対策も可能です。

加湿の方式によるメリット、デメリットも理解する

加湿器の加湿方法にはいくつかの種類があります。それぞれにメリット、デメリットがありますので、住まいに適した加湿器を選んで、快適な空間をつくってください。

主な方式は以下の通りです。

スチーム蒸気式
ヒーターを使った加熱し水を水蒸気に変えて発散させるという仕組みです。加熱により常に殺菌ができますが、加熱し続けるために電気代がかかります。加湿器の水蒸気の送風口はかなりの温度になりますので特に小さなお子様がいる家庭では、火傷には注意が必要です。

気化式
フィルターに通した水にファンの風をあてて気化させる仕組みです。電気代は安くすみます。加熱処理がないため、お手入れを怠るとフィルターにカビが発生するなどの衛生面の問題が発生してしまいます。

超音波式
超音波を使って水を細かな粒子にすることで、そのまま水を発散させる仕組みです。安価な加湿器に多く採用されている方式です。水をそのまま発散させるため、タンクの手入れが重要です。毎日水を交換するなどで、衛生面に気をつける必要があります。

快適な空気をキープできる住まい探し

乾燥のリスクや対策の重要性がわかったところで、これから新しく住宅を探す場合は、あらかじめ快適さを追求されたすまいを選ぶのもいいでしょう。三井ホームでは、戸建て住宅において、全館空調で、毎日澄みきった空気を生み出し、優れた断熱性能で、快適な空気をキープする仕組みを提供しています。

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