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【鷺ノ宮】歴史ある神社と地元で愛される老舗が残る「のどかな都心」

私は以前、西武新宿線沿いのとある駅の近くに住んでいたのですが、すごく大好きな街でした。

中央線の北側を並行して走る西武新宿線。沿線上にある街は、中央線の駅にも自転車で出られてとても便利なのに、都会の喧騒とは無縁なのどかなムードが漂っています。あの西武新宿線のほっこりとした黄色い車体も、街の景色と合うんですよね。

今回訪れたのは、そんな西武新宿線の鷺ノ宮駅。
地元の人いわく、急行が停まる駅の中で「一番のどかな街」なんだそう。どんな街なのか、歩いてみることにしました。

【鷺宮の基本情報】

駅名:西武新宿線「鷺ノ宮」
ランドマーク:鷺宮八幡神社

■西武新宿駅まで2駅11分。バスを使えば複数路線が利用できる便利な立地

中野区鷺宮。駅名は西武新宿線「鷺ノ宮」と「ノ」の字が入ります。
鷺ノ宮は西武新宿線急行が停車する駅。
2駅隣の西武新宿駅までは急行で11分、隣駅の高田馬場までなら7分で行くことができます。高田馬場駅ではJR山手線、東京メトロ東西線への乗り継ぎができるため、通勤の際も便利です。

また、バスの交通が充実しているのも鷺宮の魅力。
鷺宮を縦断している「中杉通り」は杉並区から中野区を通り、練馬区まで伸びる通り。
北に行けば西武池袋線の中村橋駅、南に行けばJR中央線の阿佐ケ谷駅、荻窪駅に出られます。
そのほか、東京メトロ丸ノ内線の南阿佐ケ谷駅、西武有楽町線や都営大江戸線が利用できる練馬駅にも1本で出ることが可能です。

急行が停まる駅にもかかわらず、駅前はのどかな雰囲気。高い建物や大きな商業施設はひとつもありません。駅を出るとお惣菜屋さんが並んでいました。

駅北口を出てすぐのところにあるのが「ウエルシア中野さぎの宮店」。日用品を買って帰るのに便利です。

また日々の食料品の買い出しに重宝するのがこちら。
生鮮食品や日用品が安く買える業務スーパー「オーケー」が、駅の北側に「中杉店」、南側に「鷺宮店」と2店舗もあるんです。
地元の方に伺ったところ、「鷺宮は中野区のわりに物価が安いと思う」とのこと。

駅から少し歩くと緑豊かな団地が多く並んでいました。タワーマンションなどはなく、低層の建物が多いようです。

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■駅北側の中杉通り沿いには通いたくなる老舗が集結

鷺宮商明会」は、駅北口側の中杉通り沿いを中心に広がる商店街。
定食屋やラーメン屋などの飲食店のほか、花屋・文房具店・八百屋・豆腐屋・米屋などの老舗個人商店が数多く営まれています。

スーパーですべての買い物を済ませるのもいいですが、八百屋さんで野菜を、豆腐屋さんで豆腐を買う……といった地域に根付いた買い物ができる街も、今では貴重だと思います。
「今日は何がオススメですか?」などお店の方と自然と会話が生まれるのも個人商店の魅力です。

商店街を歩いていたらお腹が空いてきたので、駅から徒歩2分の「とんかつ みやこや」でランチをすることにしました。

こちらはドラマ「孤独のグルメ」で紹介されたこともある、創業38年の人気店です。店内は7、8人が座れるカウンターと奥に4人用の座敷がひとつ。

注文したのは「おろしとんかつ定食」(1,300円)。
「ご飯は半分で」とお願いしたら「うちのご飯は山形のつや姫っていうおいしいお米。ペロリと食べれちゃうよ」とお父さん。
とんかつは衣がサクサク、そして中の豚肉がジューシーで柔らかい!そして、半分にしてもらったご飯はやっぱり普通に盛ってもらえばよかった……と後悔するほどふっくらとおいしい。
とんかつ屋さんではありますが、最近はドラマで取り上げられた影響もあって、「ロースにんにく焼き定食」(1,000円)が人気だそう。

お父さんは北海道出身。西武新宿線の急行停車駅ということで「これから発展するにちがいない」と見込んで鷺宮に店を出したんだとか。
とはいえ、ずーっとのどかな街だよねぇ。もっと多くの人が来てくれてもいいんだけどな」。
そう笑うお父さんが揚げるとんかつは、今や鷺宮に人を呼ぶ名物でもあるのです。

■駅周辺に学校が勢ぞろい。安心して子育てができる落ち着いた街並み

繁華街のない鷺宮は、安心して子育てができる街でもあります。
駅から徒歩10分圏内に保育園、幼稚園、小学校、中学校が集まっており、さらに、駅から自転車で通える範囲に「東京都立武蔵丘高等学校」と「東京都立鷺宮高等学校」もあります。
通学も近所で済むので安心して子どもを送り出せそうです。

大規模な公園はないですが、小さな子どもが遊べる遊具が設置された公園が駅近くに点在しています。こちらは駅南口から徒歩4分のところにある「若宮オリーブ公園」。
お母さんがよちよち歩きの子どもを連れて遊びに来ていました。駅から少し離れると歩道も広く緑も多いので子連れでものびのびお散歩できます。

駅南口を出て妙正寺川沿いにあるのが「中野区 鷺宮スポーツ・コミュニティプラザ」。

こちらでは、体育館や温水プールが一般開放され、子ども向けの体操教室やプール教室、大人向けにもエアロビクスやヨガなどさまざまなプログラムが用意されています。
施設は充実しているのにプール利用は会員であれば、1時間以内70円(中学生以下。高校生以上は1時間以内150円~)からと破格。子どもの習い事として利用できるほか、健康維持にも役立ちそう。

そして鷺宮のシンボル「鷺宮八幡神社」。
1064年に建てられた由緒ある神社で、源頼義が八幡神を祀った社殿を作ったのが始まりといわれています。
夏祭りや初詣などで賑わいを見せるほか、七五三や節句などの折に訪れる人も多い神社です。

合格祈願や安産祈願。地元の人たちのたくさんの願いが込められた絵馬が掛けられていました。

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■「都心に近いのに、どこか下町のような雰囲気で居心地がいいんです」

この日最後に訪れたのは、中杉通りから1本路地を入ってすぐのところにある、創業45年の古民家喫茶&甘味処「珈琲亭 郷(こーひーてい・ごう)」。オーナーの日吉恵子(ひよし けいこ)さんに鷺宮の昔と今について尋ねてみました。

(以下インタビュー。「 」内は日吉さんのコメントです)

――鷺宮の魅力は何ですか?
新宿まで10分ちょっとで出られる交通の便の良さが魅力です。自転車で少し行けば中村橋や阿佐ケ谷といった近隣の駅にアクセスできるので、複数の路線が利用できます。私は練馬方面に住んでいますが、このお店まで自転車で5分。バスでも行けるんですが、待ち時間などもあるし、中杉通りは道幅もそこまで広くないので自転車で移動するのが一番いいと思いますよ」

▲テーブルや家具は岐阜県白川郷の家具職人に依頼したもの。45年ほぼ変わらないインテリア

――便利な立地なのに、老舗が多くてのどかな街ですよね。
「そうですね。都心近くにあるのに下町のような雰囲気がありますよね。この商店街も昔はもっと賑やかだったんですよ。みんな段々年をとってきたかな(笑)。そのぶん、最近は若い家族の方が越してきていますね。この店の向かいにも、新しい保育園ができるようですね。団地も多いし、緑も多い街なので子育てにはいい環境だと思います

――お店のお客さんはどういった方が多いですか?
「雑誌などで取り上げていただくこともあるので外から来るお客さんもいますが、年配の常連さんが多いですね。この店は夜になるとお酒も出すバーになるんです。ただ甘味もコーヒーも夜までオーダーできるので仕事帰りにちょっと本を読みに立ち寄るサラリーマンの方などもいらっしゃいます」

▲クリームあんみつ(お茶付き780円)。自家製のあんこは粒が立っていて甘さも丁度よく本当においしい!

――鷺宮で好きなスポットはありますか?
「やっぱり鷺宮八幡神社ですね。初詣は外からもたくさん人が来る由緒正しい神社です。阿佐ケ谷のほうにある『阿佐ケ谷神明宮』という神社も、大きくて美しいですよ。こういった歴史を感じられる場所が近くにあるというのも街の魅力かもしれませんね

■のどかな都心。人との触れ合いが残るあたたかい街

老舗の商店が数多く残る鷺宮は「人との会話が生まれる」街でした。
お店でお話を伺っていると「その話ならあそこの角のお花屋さんが詳しいよ」などと親切に教えてくださる方がとても多かったです。

交通の便利さと、下町らしさを兼ね備える鷺宮。
保育園や学校も駅に近い範囲に集まっていて、子どもの成長も地域で見守ってもらえそうな安心感がありました。親しみを感じながら長く暮らせる、そんな街だと思います。

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