
―ご夫婦の馴れ初めを教えてください。
悦子さん
私が働いていた職場の向かいに彼の姉の旦那が働いていて、弟だって言って紹介してもらったの。
元昭さん
ちょうどその頃彼女がいなくてね……。
悦子さん
一回だけ会うつもりで行ったんだけど、そしたら待ち合わせ場所に全然来なくて(笑)。
元昭さん
集合場所間違えちゃってね。結局兄のおかげで会えたんだけど、第一印象は細くてかわいいなって思ったね。
悦子さん
それからは何回か会ううちに結婚する雰囲気になったね。
元昭さん
僕も両親とお店のことで意見が合わなくて、味方になってくれる人が欲しくてね。いいタイミングだったと思うよ。
―お店を始めたきっかけはなんですか?
元昭さん
祖父の代からここでお店をやっていてね。最初は和菓子の製造業だったんだけど、父の代でこれからはパンが来るって思ったらしくて、メーカーのパンの販売を始めたんです。自分たちで作らなきゃあんまり利益はでないから、僕の代からパンをお店で作り始めたんです。
悦子さん
主人はやると言ったら意見を曲げないからね……。結婚するときにパン屋をやる覚悟はあったわ。でも最初はパンを作るのも一緒に覚えなきゃだし、「いらっしゃいませ」って言うのも抵抗あってね。慣れるまで大変でした。
元昭さん
最初は発酵させなくていいクレープとか簡単な商品から作り初めて。だんだん技術を自分たちでつけていって今の形になったんだ。

―相手の頼りになるところは?
元昭さん
役割分担を決めたんじゃなくて自然に、妻がレジで私がパンを作るって今の形になったからね。お客さんへの対応も上手いし、僕に協力してくれる味方だからね。妻がいると安心できるんだ。
悦子さん
私に決定権はないからね(笑)。私が言うと必ず反対されるの。
元昭さん
新商品の案を出しても、必ず反対するんですよ。最近引き下がらなくなってね。でも、言い合いになっても付き合いが長いから尾を引かないね。
悦子さん
私は怒ると返事しなくなるからでしょ? でも、重いシャッターを主人が開けてくれたりするんです。結局は主人を信頼している部分はありますよ。


―一日の業務の流れを教えてください。
元昭さん
体調を崩してからはあんまり無理をせず、朝7時くらいに起きて仕込みをしています。発酵の時間があるから、寝たりしながら休み休みやっているよ。
悦子さん
私もお父さんに合わせて8時くらいにお店を開けてケースを出したりしながらお店の準備をしますね。
元昭さん
パンを焼きながら営業して、19時~20時くらいにお店を閉めています。
悦子さん
昔は起きてからシャッターを開けて、寝るまで開けていたけどね。今はコンビニもあるしそんなに長くやっていないんです。
元昭さん
今はのんびりやっているよ。
悦子さん
歳も歳だしね(笑)。

―お店のおすすめのメニューはなんですか?
元昭さん
売れ筋の商品は戸越銀座のカレーパン。菓子パンの生地を使用して少し甘みを出すんだ。あとは、生パン粉とサラダ油で揚げて食感をサクッとさせているんだよね。
悦子さん
ほかにも大辛口カレーパンやピロシキなど種類も豊富。あとは、戸越銀座のくるみマフィンや甘食、ガーリックトーストもおすすめ。
元昭さん
くるみは身体にいいからね。なるべく、くるみを多く入れてより身体にいいパンにしているよ。
悦子さん
あとガーリックトーストはお客さんに人気。戸越銀座のお祭りで御神輿の休憩所がこの近くにあるから、毎年差し入れで出したりしているわ。
戸越銀座ブランド くるみマフィン プレーン227円(税込)、スモールサイズ147円(税込)
大辛口カレーパン200円(税込)、とごしぎんざのカレーパン230円(税込)