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アロマのはじめの一歩

〜「がんばらない」と「ステキでいたい」を両立できるエアリーな暮らしのコツ〜

最近は、「アロマ」という言葉も一般的になり、アロマショップのみならず、以前にも増してインテリア雑貨店、スーパーなどでも精油(一般的なアロマオイルとは区別される100%天然のオイル)が並ぶようになりました。アロマや香りも重要なおもてなしの要素、「本物のアロマ」の知識を身につけ、もっと活用することで、毎日のくらしに彩りを与える事ができます。

「がんばらない」と「ステキでいたい」を両立させる「THE AIRY LIFE」。今回は、おもてなしの達人、アロマ調香デザイナーの斎藤智子さんに、初心者でも簡単にセンス良く取り入れられるアロマライフのヒントを教えていただきます。

アロマセラピーとは?

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アロマセラピー(アロマテラピー)とは、香りの療法という造語。この地球で共に生きる植物の持っている芳香成分を使って、私たちの自然治癒力を引き出して心身の健康などに役立てる自然療法のひとつです。その歴史は古く、古代エジプトでは薫香と呼ばれ、神とつながる神聖な儀式として使われていました。それが様々な国、文化を経て、現代の日本に伝わってきたのは1990年代。日本ではお香の文化がありましたが、またそれとは違った癒しのイメージでアロマは少しずつ定着してきました。

「最近では、精油が持つ薬理成分に注目が集まり、認知ケア、心のケアにも利用されることが増えています。インフルエンザが流行る時期にはティートリーの抗菌作用や抗ウイルス作用を活用したり、花粉症の時にはユーカリを使ったスプレーで鼻がスッキリしたり、私自身、毎日の生活に取り入れてから、このアロマの力を実感している一人なんです。決して劇的な変化をもたらすものではないけれど、小さな力で私たちの生活に快適さを与え、優しくサポートしてくれる。それがアロマの良さなのです」

嗅覚と脳の関係。

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ひとつの種類の精油は数百もの芳香成分が複雑に絡み合って出来ています。この成分が、鎮静作用、血流アップ、ホルモンバランスを取って、様々な力を発揮してくれるのです。

この芳香成分の伝わり方が次の嗅覚と脳の関係につながります。

「香りと記憶は繋がっていると実感される方が多いように、実際、香りを嗅ぐと、鼻の奥の嗅上皮というから、脳の大脳辺縁系という器官に電気信号が送られます。その速さは約0.2秒。このため人は匂いの好き嫌いを一瞬で判断するというわけなのです。また、この大脳辺縁系というところは、自律神経や本能と深く関わっている場所です。自分でコントロールできないところへ働きかけることができるのです。ここが合成香料とは異なる大きな点だと言えます。この植物から抽出した本物の精油、本物のアロマセラピーだからこその薬理作用を上手に活用したいですね」

素材と品質にこだわる。

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合成香料を否定するわけではなく、あくまでもアロマを使いこなすには、品質にもこだわることが大切だと斎藤さんは力説します。

「私は、オーガニックや野生種の植物にこだわっているメーカーのものを常に使います。

やはり農作物であるため、場所や気候によって同じ植物でも香りがグンと違ってくるのも面白いです。手をかけられた植物から採れる精油は、やはり素晴らしい香りです。そして、香りを混ぜる、ブレンドすることでさらにその幅も広がります。お料理と同じで、いい素材を使って、丁寧に作ることが大切ですね」

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「THE AIRY LIFE」の達人
齋藤智子 TOMOKO SAITO

一般社団法人プラスアロマ協会代表理事、アロマ調香デザイナー atelier S.代表、コラムニスト。「本物の薫りだけが人の心を動かす」をテーマに天然精油で調香を行い、創作した薫りは5000種以上。調香のプロを育成する傍ら、国内外でアロマ空間プロデュースやオリジナルの薫りづくりを手掛ける。2017年のミラノサローネでは、Milano Design Award 受賞展示の調香を担当し好評を博した。

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