多世代交流を促進! 西船橋エリアの「注目の施設」とは
高齢化社会といわれる今、高齢者と子どもが一つ屋根の下で介護と保育を受ける「介保連携施設」が注目を集めています。多世代交流が行われ、将来の需要に応じて施設を転用できる可能性があるなど、期待が集まっているのだとか。今回は千葉県でも、こうした取り組みに積極的な西船橋にある「介保連携施設」の取り組みをご紹介します。
いま、大注目の「介保連携施設」ってなに?
同じ建物で保育と介護を受けられる「介保連携施設」。「宅幼老所」、「共生型福祉施設」とも呼ばれ、双方の利用者や地域の人が交流できる場として需要が高まっています。少子化が進み高齢者の数が増え続ける現代の日本では、利用者を限定するのではなく子育てと介護両方の福祉サービスを受けられる施設を作ることによって、より幅広い世代の利用と地域活性化を見込んでいます。
さらに双方が交流することによって、子どもはお年寄りを労わる気持ちが生まれ、お年寄りは社会的な役割を持つことで生きがいを持てるなど、お互いに有益に働くことが期待されています。
介保連携施設のココファン・ナーサリー西船橋の様子
「地域共生社会」が現代のトレンド
厚生労働省が発表した新しい福祉サービスの方針が「地域共生社会」。これは、制度ごとの枠を超えて暮らしやすい社会を作っていこうというものです。かつては、家族や地域住民と支え合って生活してきました。しかし、人口が減り核家族化が進むにつれて、人や地域とのつながりが弱まり家庭を取り巻く状況も変わりました。少子高齢化と待機児童問題を解消するため、介護と保育の枠を越えて、相互に助け合える連携施設に注目が集まっているのですね。
子育て支援も手厚い船橋市にある「介保連携施設」
船橋市は、子育て支援サイト「ふなっこナビ」にて情報発信をしたり、妊娠から子育てまでサポートしてくれる「妊娠・出産支援プラン」を導入したりと、子育て世代の支援に力を入れています。同市によると、西船橋駅は6路線利用可能で都心へのアクセスも良好なので、共働きで子育てをしている若いファミリー層にも暮らしやすい街だといいます。公園や保育施設も多く、自然豊かな環境が子どもたちにとって素晴らしいロケーション。そんな西船橋には「地域共生社会」を目指す介保連携施設が複数あります。
行田公園(パークホームズ西船橋ザ レジデンス 物件HPより)
JR東日本千葉エリアで初めて! 「コトニア西船橋」
まずご紹介するのは、子育て支援施設「グローバルキッズ コトニア西船橋園」と高齢者福祉施設「リスポジム」の複合施設「コトニア西船橋」。JR東日本グループの千葉支社管内「初」の複合施設です。普通の保育施設と違う点は、高齢者福祉施設との複合ならではの交流です。「コトニア(COTONIOR)」とは、「子ども(codomo)」と(to)「シニア(senior)」からなる造語で、双方の融合という意味合いがあります。
「グローバルキッズ コトニア西船橋園」では子どもと高齢者の日常的な挨拶はもちろん、シニア施設の方を招いて、園庭で盆踊り大会などを行い交流も盛んです。孫と遊ぶかのように、折り紙をして子どもと遊び、子どもも「また遊ぼうね」と言って和やかな雰囲気で過ごしています。2つの施設はドア一枚で行き来ができる作りのため、ガラス越しに手を振り合ったり、子どもが泣いているとあやしてくれたりと交流も多いそうです。
コトニア西船橋
さらに、地域との交流も積極的に行なっており、こちらの保育施設に通っていないパパ・ママ向けにベビーマッサージなどのイベントも開催。住まいの近くでこのようなイベントがあれば、初めて子育てをするパパ・ママも自然に知り合いが増えそうです。今後も地域の福祉拠点として期待が高まります。
介護と保育それぞれの視点から。「ココファン・ナーサリー西船橋」
西船橋には、同じ建物内に高齢者住宅と介護施設、そして保育施設を構える「ココファン西船橋」もあります。この建物にある小規模認可保育園の「ココファン・ナーサリー西船橋」を運営するのは、株式会社学研ココファン・ナーサリー。同社は、15年程前から高齢者福祉と子育て支援事業を行い、両者の触れ合いを通して暮らしの質の向上に取り組んできた企業です。
運動会や納涼会、クリスマス会といった様々なイベントを毎月1回開催。コミュニケーションを大切にするために、一過性のイベントではなく、定期的な交流を行なっています。例えば、お互いを名前で呼び合ったり、ゲームで使う道具や賞品はお年寄りや子ども自ら作るなど、参加者全員が楽しめるようなプログラムや運営方法にも工夫がなされているそうです。
左:イベントの様子 / 右:豆まきイベントの様子
保護者からは、「車いすの方がいると、少し下がるなど自ら配慮をするようになった」、「自分の祖母が遠方にいるため会う機会が少ないが、ココファンのお年寄りと関わって、嬉しかったことを自宅で話してくれる。環境に恵まれている」といった感想が寄せられています。子ども達の心に、周りの方への思いやりが根付いていることが分かりますね。2018年7月には、地域の方とも連携して防災訓練を行うなど、今後も地域と関わるイベントが計画されているそうです。
保育園と高齢者住宅共用の中庭では日常的に子どもと高齢者が触れ合う
これからの社会。人、地域がつながるコミュニティ
1つの建物でお年寄りと子どもが一緒に過ごしているところは、施設というよりもっと温かい“家庭”を感じます。少し前の日本の家庭で、当たり前のように祖父母と孫が一緒に暮らしていた姿です。お年寄りも子どももそれぞれ役割を持ちながら支え合い、生きがいと豊かな人格を育てるコミュニティ。「地域共生社会」づくりへ、西船橋は動き始めています。子育て支援も手厚い船橋市で、子育てを検討してみるのはいかがでしょうか。
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