梅雨が来る前に知っておきたい! マンションでの傘やレインコートの干し方とお手入れ方法

まもなくやってくる梅雨の季節。傘やレインコートなどの雨具が大活躍する時期ですね。しかし濡れた雨具は部屋の中に持ち込みたくないもの。だからといって外に干せば、風が吹いて飛んでいってしまった……なんてこともあるかもしれませんね。では、マンションなどの集合住宅ではどこに干すのがいいのでしょうか。今回は家事のプロに、濡れた雨具を干すのに最適な場所と正しい干し方について教えてもらいました。

お話を伺った人 上田伸美さん

一般社団法人ライフクリエイティブ協会代表理事
家事アドバイザー
“家事を楽しくラクに自分らしく”をモットーに、大手ハウスメーカーでの「住まいのお手入れセミナー」をはじめ、「PTA家庭教育セミナー」や男女共同参画「男の家事塾」の講師を担当。豊富な経験と実績を活かした講義は、多くの人から高い支持を得ている。



マンション廊下は「共用部」! 事前に規約をチェックしよう

(画像はイメージです)

マンションの廊下に濡れた傘を干している光景を見たことがあるという人もいるのでは。しかしマンションの廊下や階段は『共用部分』と呼ばれ、所有者全員で共有しているものなのです。

「マンションによっては規約によって廊下に傘を干すことを禁止しているところもあります。知らずに干してしまい、トラブルになってしまった……なんてことがないように、事前にチェックしておくことが大切です」と上田さん。

参考までに、共用部分のルールについて三井不動産レジデンシャルサービスが設けている一般的なマンション規約を一部ご紹介します。今回は、傘を干す場所として多くの方が利用していると考えられる「共用廊下」「バルコニー」にフォーカスを当てたルールのポイントです。

  • 火災等の緊急事態が発生した際に、他の居住者・来訪者等の避難通路となるため、避難の妨げとならないようにすること。
  • 火災等の際に消防隊の進入経路となるため、消火・救助活動等の妨げとならないようにすること。
  • バルコニーは、防火区画外であるため、延焼の危険性が生じないようにすること。
  • 強風・突風の影響を受けるため、バルコニー等に物品を設置する場合には、落下・飛散などの事故が発生しないようにすること。
  • 共用部分であるため、本マンションの美観や形状を乱さないようにすること。

ご紹介したものは主な参考例ですが、マンションには管理組合ごとにルールが決まっています。詳しくは居住しているマンションの管理規約等を確認しましょう。

濡れた傘やレインコートを干すのに最適な場所とは?

では、お部屋の中で傘やレインコートを干すのに最適な場所はどこなのでしょうか。上田さんに干し方のポイントとともに伺いました。

バスルーム

「もともと濡れても問題のないバスルームは、傘やレインコートを干すのに最適な場所といえるでしょう。水滴が落ちて水浸しになってしまうかもなんて気兼ねすることなく干すことができますよ」(同)

幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス(106Pt TYPE)

また室内のため、強風にあおられて傘やレインコートがどこかに飛んでいってしまうという心配もなく、安心です。しかし、大きな傘を開いて干すのはかなりの場所をとってしまうため、家族全員分の傘を干す場所が無い、という人もいるのではないでしょうか。

「開いて干せればより良いですが、ある程度水を拭きとってから干すのであれば、たたんだままでも充分乾きます。仕上げの乾燥という感覚でバスルームにかけておきましょう」(同)

さらに浴室乾燥機がついている物件なら、より早く乾燥させることができます。浴室乾燥機がついていないという人も、サーキュレーターなどを置いて風を当てることで、乾燥する時間を短縮することができますよ。

直射日光の当たらない、風通しの良い場所

部屋に干す場合は新聞紙を敷けば、水滴で床が劣化するのを防ぐことができる(パークホームズ田無 ザ ガーデン Hタイプ)

「よく傘を干す時に日光に当てる人がいますが、実は素材の劣化や日焼け、変色の原因になる恐れがあるため、陰干しが基本です。しかし、部屋の中に使用した傘やレインコートを干すとなると、水滴が床に落ちるのが気になりますよね。そこで活躍するのが新聞紙。水分を吸ってくれるので、床が水浸しになる心配も少なくなりますよ」(同)

さらに窓を開けたり、エアコンの近くに干すことで風通しがよくなり、乾燥時間の短縮にもつながります。

傘やレインコートの正しい手入れ方法を覚えよう

次に上田さんに伺ったのは、濡れた傘やレインコートの正しいお手入れの仕方。ちょっとしたひと手間で、お気に入りの雨具をよりキレイに長持ちさせることができるのだそう。

「まず傘をたたむ際は、軽く開閉する動作を繰り返します。傘を左右に動かして水を飛ばしたり、柄の部分でトントンと床を突いて水を落としたりするのはNG。傘の柄が傷む、骨が外れるなど、壊れる原因になってしまいます」(同)

ある程度水が切れたら、次はタオルで残った水滴をやさしく拭き取ります。

「この時のポイントは、傘の外側だけでなく内側も濡れている可能性があるため、しっかりと内外の濡れている部分をチェックすること。特に内側は傘の柄や骨があるため、濡れたままにしておくと柄や骨が錆びてしまう可能性も。傘を使用する日は、前もって玄関にタオルや雑巾を用意しておくと便利ですよ」(同)

玄関横に収納があるお部屋なら、雨具の管理も便利(幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス 106Pt TYPE)

傘を濡れたまま放置しておくと、バクテリアなどの雑菌が繁殖してしまい、不快なにおいが発生してしまうこともあるのだとか。面倒に思う人もいるかもしれませんが、しっかりと水分を拭き取り乾燥させることが長持ちの秘訣。玄関のすぐ近くに収納があるお部屋なら、タオルを入れておいたり、レインコートを収納するのにも便利ですね。

乾燥後のもうひと手間でより長持ち! 家計の節約にも。

「最近の傘やレインコートには撥水加工が施されていることが多いですが、何度も使っているうちにその効果が薄れてきてしまいます。そのため、使用後にしっかりと乾燥させたら、防水スプレーを一拭きしてコーティングしておきましょう。次回使用する際のお手入れがぐっと楽になりますよ」(同)

防水スプレーには撥水効果が高いシリコンタイプと汚れも弾いてくれるフッ素タイプの2種類があり、どちらも雨具の販売店などで購入することができます。どちらがいいか迷った時はお店の人に相談してみるとよいでしょう。

「防水スプレーは、傘やレインコート以外にレインシューズにも使うことができます。ちょっとしたひと手間で、お気に入りの雨具を長持ちさせることができるだけでなく、何度も買い替えることがなくなるため家計の節約にもつながりますよ」(同)

正しい干し方とお手入れで、梅雨を楽しい気分で過ごそう!

雨の日でもおしゃれを楽しみたい人にとって、傘やレインコートは服を濡らさないためのものだけでなく、コーディネートをする上で大切なアイテムのひとつ。お気に入りの雨具をしっかりお手入れして、憂鬱な気持ちになりがちな梅雨を楽しく過ごしてみませんか?

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