マンションでもスッキリしまえる! 雛人形の収納ポイント

ひな祭りが近づき、雛人形の飾りつけを始める時期です。1年のうちでほとんどしまわれている雛人形は、収納の中でも場所を取りますよね。戸建てよりも収納スペースが限られがちなマンションでは、しまい方に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。マンションでも雛人形をスッキリ収納できる方法をご紹介します。

雛人形は毎年飾る? 気になるみんなのホンネ

ひな祭りについての調査(※)によれば、「雛人形を持っているか」の問いに対して、54.5%が「雛人形がある」と回答。娘さんがいる家庭では85%を超えるファミリーで「持っている」と答えています。

雛人形を持っているファミリーへの「毎年雛人形を飾るか」という問いに対しては「毎年飾る」が52.8%、「最近飾っていない」が47.2%を占めています。雛人形を持っていても、半数近くはしまい込んだまま。理由を見てみると「面倒くさい」「時間がかかる」など、雛人形の出し入れを手間と感じている方が多いようです。

(※)アサヒグループホールディングス 毎週アンケート第621回 ひな祭りをしていますか?

出し入れが簡単になるように収納すれば、毎年飾ることができそうですよね。早速雛人形を収納するポイントを見ていきましょう。

マンションで雛人形をスッキリ収納するには

クローゼットに物を詰め込まない

雛人形に限らず整理収納の基本は「与えられたスペースの中で、出し入れに時間と労力がかからない収納をする」こと。

収納スペースの限られるマンションでは、クローゼットに収納する人が多いでしょう。雛人形の箱をクローゼットの奥にしまいこんでいると、使うときにまず前にあるものをいったん出さなくてはなりません。これが面倒に感じる原因。クローゼットはスペースいっぱいにモノを入れたくなりますが、詰め込めば詰め込むほど取り出しにくくなります。「すぐ使える、すぐ戻せる」を意識して、雛人形が入った箱の上や前には物を置かないようにしましょう。収納ボックスの周りに空気が通るようにすると、湿気予防にもなります。

クローゼットやクローク内は余裕を持たせて収納することで使い勝手が上がる(パークホームズ吉祥寺北グランヴィラ 物件HPより)

購入時の段ボールは捨てて、小分けにして収納

雛人形を買ったときについてきた段ボールを、そのまま使っている方も多いのではないでしょうか。人形や道具などがぴたりと収まって便利ですが、箱が大きすぎてクローゼットの大部分を占拠してしまうなんてことも。思い切ってダンボールを捨てて小分けできる収納ボックスを使う事でコンパクトに収納でき、出し入れも簡単になります。収納ボックスの素材は、通気性が良く防虫効果も期待できる桐の箱が良いでしょう。

着物の収納にも使われる桐の箱

風通しが良く、湿気の少ない場所で

湿気はカビや結露を発生させるので、雛人形には禁物。置く場所の壁が結露していないか事前にチェックしてみてください。またひび割れを起こすので、乾燥しすぎている環境もいけません。クローゼットの天袋や押し入れの上段は、湿気が少ないものの乾燥しすぎていないので、保管に良いと言われています。

クローゼットの天袋は湿気が少なく乾燥しすぎていないため湿度に敏感な物を収納するのに向いている(パークホームズ落合南長崎 物件HPより)

そのため、雛人形が入った収納ボックスはできるだけ高い位置に収納し、飾り棚などかさばるものや重いものは、下に置いて取り出しやすくするといいでしょう。

良い状態を保つため、温度差と直射日光に気を付けて

寒暖差が大きい場所に保管すると、素材によってはゆがんだり、塗装が剥がれたりすることがあります。収納場所が複数あるのなら、外壁に面した納戸や窓の近くなど寒暖差が大きい場所は避けるようにしましょう。

雛人形の髪や衣装などに使われている絹は、直射日光に当たると劣化する可能性も。日当たりのいいリビング、ベランダの近くのクローゼットも保管するには不向きです。これは飾るときも同じで、日の当たる場所に出しっぱなしにしないよう気を付けましょう。

マンションによっては、トランクルームや納戸のある物件もあります。保管に適した場所がない、ほかの荷物が多くてクローゼットに入らない場合には、積極的に利用したいですね。特にトランクルームは、1年中空調が効いているので、自宅で保管するよりも環境が良いかもしれません。

雛人形をしまうときのポイントは?

収納場所が決まったら、しまうときのポイントを押さえて、できるだけ良い状態で保管できるようにしましょう。雛人形は、石こうの頭、絹でできた髪と衣装、ガラスの目、金具など様々な素材が組み合わさってできているため、下の3つに注意することが大切です。

①顔や体にひび割れや剥がれが起きさないよう乾燥させすぎない
②カビや結露が発生しない場所に保管する
③ダニなどの虫害を防ぐ

これらを意識しながら、雛人形をしまいましょう。実際にどのようにしまえば良いのかをご紹介していきます。

カビを防ぐには、天気の良い乾燥した日に片付ける

雨の日は湿気が多いため箱の中に湿気を取り込んでしまい、カビの原因となることがあります。雛人形は、カラっと晴れた乾燥した日を選んでしまうようにしましょう。

手の脂がつかないよう、布の手袋を着用する

手や指には脂分があるので、雛人形に直接手で触らないようにしましょう。汚れ、黄ばみやカビなどの原因となることがあります。購入したときに綿の手袋がついていると思いますので、出し入れするときは忘れずに着用しましょう。

毛ばたきや綿棒でホコリを落とし、柔らかい布で軽く拭く

部屋に飾っている間にホコリがついていることがあります。片付けるときには、毛ばたきで優しくホコリを払っておきましょう。顔の細かい部分は、綿棒で軽くなでるようにします。お道具などは柔らかい布で軽く拭いてきれいにします。

人形の顔は、ふんわり包んで保護する

雛人形の顔にホコリや傷がつくのを防ぐため、綿などの柔らかい布かティッシュペーパーなどで優しく包みます。顔を包むときは、髪の毛が崩れないように気を付けましょう。胴体も同じように、着物がシワにならないように包んでおきます。強く包むと型崩れの原因になるので、優しく扱ってください。

収納ボックスには人形専用防虫剤を

人形を収納ボックスに入れたら、間に詰め紙を入れて和紙などの柔らかい紙で全体を覆い、紙の上に防虫剤を置きましょう。衣類用の防虫剤は、衣装に使われている金銀糸と化学反応を起こすものもあるので、「人形専用の防虫剤」を選んでください。防虫剤を入れるときは人形に直接触れないようご注意を。

定期的な換気に加えて秋のリフレッシュも

クローゼット内の空気がよどむと、カビや虫が発生することがあります。たまには扉を開けて、半日程度換気をしましょう。一年中保管したままにするのではなく、天気が良い10月頃に点検して、半日程度陰干しするのが理想的です。

収納するときのポイントを押さえれば、限られたスペースでも十分に雛人形を保管できます。片付けるときの注意や定期的なチェックで、雛人形を良い状態に保ちましょう。親から子、孫へと受け継がれることも少なくない雛人形。片付けるときには今回の記事を参考にして、末長く、大切に使い続けられるように心掛けてみてはいかがでしょうか。

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