三井でみつけて
荻窪は東京近郊の高級別荘地として人気を博し、今も隆盛を誇る街
荻窪

【荻窪の住みやすさ】個性的な店や文化人の息吹が宿る趣の街の魅力

荻窪は、明治から大正にかけて「西の鎌倉、東の荻窪」といわれ、東京近郊の高級別荘地として人気を博し、今も隆盛を誇る街です。また、太宰治や与謝野晶子、棟方志功といった文豪や文化人たちが暮らし、彼らが晩年を過ごした家などの史跡も数多く残っています。

今回は、文化人たちが暮らした静かな街並みと、庶民的で親しみやすい個人商店などが充実している街、荻窪をご紹介します。

【1】新宿まで乗換なしで約14分。駅の北口、南口から出ているバス路線も豊富

荻窪駅は、JR中央・総武線各駅停車、中央線快速、東京メトロ丸ノ内線が利用できます

荻窪駅は、JR中央・総武線各駅停車、中央線快速、東京メトロ丸ノ内線が利用できます。丸ノ内線は始発駅なので、朝のラッシュ時でも座って通勤できるのがうれしいポイント。通勤時間帯となる朝8時に電車に乗った場合、東京駅までJR中央線快速で約29分、丸ノ内線でも約35分。新宿駅まではたった4駅、約14分で到着します。
また、北口と南口、それぞれから出ているバス路線も豊富。北口からは石神井、大泉、西荻窪方面、南口からは高井戸や善福寺公園方面に出られるため、駅から離れた戸建てでも不便に感じることはなさそうです。

荻窪の歴史

真言宗豊山派に属する寺院「慈雲山荻寺光明院」にまつわるエピソードが、荻窪の地名発祥とされています。
本尊の千手観音は、仏教僧・行基菩薩による真作です。708年、千手観音像を背負った行者がこの地を通りかかったとき、背負っていた像が不思議と重くなり、歩くこともできないほどに。千手観音像はこの地に縁があるのだろうと、行者が付近に生えていた荻を刈り取り、草堂(草ぶきの庵)を造って像を安置しました。その草堂を「荻寺」と名付けたことから、のちに一帯を荻窪と称するようになったといわれています。現在も、荻窪駅を含むJR中央線沿線は、寺社が比較的多く点在しており、落ち着きのある閑静な住宅街となっています。

【2】駅前の充実した複合施設+個性的な個人店で、便利で楽しい荻窪ライフを

荻窪駅前は、駅直結のショッピングモール「ルミネ荻窪」と、戦後から続く商店街を再開発したショッピングセンター「タウンセブン」、そして大型店舗「西友荻窪店」がそれぞれ連絡通路でつながっており、行き来も楽々。この施設の強力トリオで、生活必需品はほぼそろう充実ぶりです。

荻窪駅前の風景

スーパーはほかにも、激安スーパー「オーケー 荻窪店」、新鮮な青果や魚、肉が安く買える「生鮮市場アキダイ 荻窪店」などがあり、ファミリー層の心強い味方です。
また、荻窪駅周辺には商店街も多く、「荻窪南口仲通り商店街」や「荻窪銀座商店街」「荻窪北口駅前通商店街」など、複合施設に負けず劣らずの賑わいを見せています。

おいしいだけではない、見た目も楽しませてくれるグルメがあちこちに

「荻窪南口仲通り商店街」にある「パンとcafé えだおね」
※提供:パンとcafé えだおね
「パンとcafé えだおね」の開放的なテラス席
※提供:パンとcafé えだおね

荻窪には、おいしいのはもちろん、目にも楽しい素敵なお店が点在し、興味を惹かれます。
例えば、「荻窪南口仲通り商店街」にある「パンとcafé えだおね」は広々としており、ベビーカーでの入店もOK!開放的なテラス席は、愛犬といっしょに利用できます。テラスでイートイン、オリジナルのサンドイッチを頬張る休日を過ごしてみてはいかがでしょうか?

コチト(cotito)ハナトオカシトのエディブルフラワー(食べられるお花)を使った焼き菓子

同じく、イートインスペースがある「コチト(cotito)ハナトオカシト」は、店名のとおり、花屋と焼き菓子のお店です。見た目に美しく味も抜群な、エディブルフラワー(食べられるお花)を使った焼き菓子が人気で、一番はホワイトチョコ。お花もハイセンスなセレクトで、焼き菓子とセットで贈り物にすれば、喜ばれること間違いありません。

コチト(cotito)ハナトオカシトの店内風景

元祖・ラーメン激戦区!「東京荻窪ラーメン」というインスタント食品が作られるほど

荻窪グルメといえば、やはりラーメン。かつては強豪店が競い合っていましたが、今は味の良い名店がしっかり根付いています。つまり、どの店に入ってもハズレなし!老舗の「荻窪中華そば春木屋 荻窪本店」をはじめ、荻窪ラーメンの代表格「二葉 上荻店」といった人気店、有名店がたくさんあります。

行列必至の「味噌っ子 ふっく」

行列必至の「味噌っ子 ふっく」は、チャーシューは厚くてジューシー。とろみがある濃厚な味噌スープに、中太麺がよくなじんでスルスル食べられます。ご自由にどうぞと、ヘアゴムと紙エプロンのサービスがあるのもうれしいポイントです。

スポーツ三昧の健康的な休日はいかが?かいた汗は天然温泉でスッキリ流す!

ボルダリングに挑戦できる「B-PUMP荻窪店」

荻窪駅西口の「荻窪白山通り商店会」、通称・白山通りには、さまざまなスポーツ施設があります。
アミューズメント施設「荻窪東亜会館」には「荻窪オスローバッティングセンター」や「ダンロップインドアテニススクール荻窪」のほか、ボルダリングに挑戦できる「B-PUMP荻窪店」があります。体験クライミングではインストラクターが丁寧に指導。シューズやチョークバックなどを無料で借りられるので気軽にチャレンジしてみましょう。

荻窪駅西口にある「なごみの湯」
※提供:なごみの湯

汗をかいたら、荻窪東亜会館のお隣「なごみの湯」へ。西多摩郡、日の出町の天然温泉「つるつる温泉」の湯を堪能できます。荻窪の駅チカで露天風呂を味わえるなんて、最高の贅沢ですね。ほかにも、岩盤浴、サウナ、レストラン、エステサロンなどを有した、充実のスパ施設です。仕事帰りに寄ることもできますし、週末は家族で遠出しなくても温泉で疲れを癒せます。

【3】紅葉のライトアップが見事な公園。一般が利用できるお茶室もあり

回遊式日本庭園「大田黒公園」
※提供:杉並区立大田黒公園

荻窪は、公園や区の施設に素敵な所が多いのも特徴です。中でも回遊式日本庭園「大田黒公園」は見事な紅葉が有名で、紅葉シーズンにはライトアップされ、区内外から多くの人が訪れる名所です。
また、「中央図書館」の周辺は、ウッドデッキにベンチが置かれ、隣接する「読書の森公園」も、図書館で借りた本を東屋や小川のほとり、公園のシンボル・ケヤキの木陰などで楽しむために作られました。

石井桃子記念 かつら文庫
※提供:石井桃子記念 かつら文庫(東京子ども図書館)

子供が楽しめる施設をお探しなら「石井桃子記念 かつら文庫」へ。地域の子供たちが、くつろいで自由に本が読めるようにと、作家・翻訳家として活躍した故・石井桃子さんによって、1958年に開設された私設図書館です。現在は開館日が不定期。訪れる際はウェブサイトで確認してみてください。

ほかにも、「杉並区立与謝野公園」は、明治の歌人、与謝野寛・晶子夫妻が晩年を過ごした家の跡地に造られた公園です。こうした施設が多いのは、いにしえの文豪や文化人たちが愛した荻窪という街ならではかもしれません。

【4】環状八号線から数歩踏み込むだけで、小鳥のさえずりと緑の香りのみの静寂な環境

荻窪駅から少し離れると、閑静な住宅街が広がっています

荻窪駅から少し離れると、閑静な住宅街が広がっています。
青梅街道と環状八号線が交差する四面道付近も、交通量はあるものの、道幅が広いおかげか、思いのほか静かです。大通りを数歩入れば、静寂の中に、小鳥のさえずりが聞こえてきます。戸建てはどこも、お庭や花壇を丁寧に手入れされていて、爽やかな風と共に緑の瑞々しい香りが運ばれてきました。
杉並区の「安全パトロール隊ニュース」によると、ひと月の犯罪発生数は0〜数件とかなり少なく、治安もすこぶるいいようです。

荻窪の閑静な住宅街

【5】荻窪インタビュー:もっとおいしくて、健康に良い物を。絶品カレーと荻窪愛

欧風カレー&シチュー専門店 トマト

国民食として、老若男女にこよなく愛されるカレー。そのカレーを最高においしい健康食として提供し続け40年、今なお人気が衰えず、昼も夜も行列ができるほどのお店が、荻窪にあります。
「欧風カレー&シチュー専門店 トマト」の料理は、厳選した36種類のスパイスと香味野菜を約140時間じっくり煮込むカレーや、煮込んでは濾してを繰り返すシチューなど、惜しみなく手間と愛情をかけて作られます。

長らくこの地で腕を振るい、荻窪愛にもあふれるオーナーシェフの小美濃清さんに、荻窪のすばらしさを教えていただきました。

――荻窪の良さはどんなところでしょうか?

小美濃さん(以下、敬称略):
交通の便が良く、丸ノ内線の始発駅だから、通勤にもすごくいいんですよ。それもあってか、都心の企業の社宅が多く、皆さんよく食べに来てくれました。
彼らは、転勤があるんですよね。それで転勤して、10年ぐらい経ってから、荻窪が懐かしくて帰って来る。そしてまた、うちに食べに来てくれる。そういうのがいいですね。本当にありがたいです。

――荻窪は住み心地が良さそうですものね。

小美濃:
ええ、環八(環状八号線)があるんですけど、意外に静か。お子様を育てるにはいい環境ですね。
とにかく緑も多い。昔よりは少なくなりましたが、それでも東京では多いほうだと思います。10年くらい前までは、カブトムシが飛んできたこともありましたよ。
ほかにも、親子3代にわたって来てくださるご家族がたくさんいます。荻窪に愛着があって、代々ここに住んでいる方も多いですからね。転勤された方が「また荻窪に住みたい」って、戻られることも珍しくありません。

欧風カレー&シチュー専門店 トマトの漢方やスパイス

――この荻窪でお店を開業されてから何年ですか?

小美濃:
41年目に入っています。私の出身は近くの善福寺周辺ですが、出店するときは特にこだわらず、東京のかなり隅々まで探したんですが、なかなかご縁がなくて。それで、この店の場所は紹介だったんです。お会いした大家さんに「ぜひここで成功して、東京の中心に出ていきなさい」って言われましたが、荻窪がすごくいい所なので、ここでずっと店を続けています。

欧風カレー&シチュー専門店 トマトのカレー

――このカレーを作ろうと思われたきっかけはなんでしょうか。

小美濃:
長く店を続けるには、個性がないと…と考えて。インドカレーのスパイスをいろいろ調べて、近くの図書館でも本をたくさん借りて勉強しました。
加えて、自分が健康でなければと、漢方薬に行き着いたんです。漢方薬は、胃や腸に効くもの、滋養強壮といった、いろいろな効果がありますよね。その効果効能から選んでいったら、たまたまカレーのスパイスといっしょだった。このカレーなら自分も健康でいられる。お客さんにもいいんじゃないかと思いまして。

――漢方薬を使うというと、薬膳カレーともいえそうですね。

小美濃:
そう、薬膳カレーといわれたこともあります。ターメリックとか硬い物は粉にしますけど、それ以外はホールスパイス(パウダーにしない原形のもの)で、カレーにそのまま入ってるでしょ。皆さんがスパイスになじみがない頃は、「ゴミが入ってる」なんて言われたこともあります(笑)。
インドカレーやスープカレー、スパイスカレーなんて、時代によっていろいろな流行がありますね。そうしてスパイスの認知度が高まるのは、ありがたいことです。
材料もこだわっていますよ。国産に限っていて、例えばお米も、新米が出たら産地を変え、うちのカレーやシチューに合う、その時期最高の物をなじみの業者さんに仕入れてもらっています。

――実際に今、健康ですか?

小美濃:
そうですね!職業病である、腰以外はね(笑)。毎年、血液検査の結果は、真ん中。プラスもマイナスもありません。もうすぐ74歳になりますが、でもまだまだ。80代で、現役で活躍されている大先輩方もいらっしゃるので、お手本にして、がんばらなくちゃいけないなって思っています。

欧風カレー&シチュー専門店 トマトのオーナーシェフ

――カレーの種類はいろいろありますが、一番人気はどれでしょうか?

小美濃:
和牛ビーフジャワカレーが一番ですが、最近はビーフタンカレーの人気がすごい。開店当初からあったメニューですが、タン料理がブームだからかもしれませんね。ただ、味の変化はつけています。久しぶりに来たお客さんに、「昔と変わらない、おいしいね」って言ってもらうには、変えないとだめなんです。うちに来ないあいだに、ほかでおいしい物をたくさん食べて、舌が肥えているじゃないですか。だから努力し続けないとね。

――カレーは9種類、シチュー4種類と、40年変わらずこのメニューですか?

小美濃:
はい、全部そうです。むしろ先のことを考えて減らしてきました。もっと絞りたいんですけど、それぞれにね、お客さんの顔が浮かぶんですよ。シチューも、「もうこのシチューしか食べない!」ってお客さんとかね。
だから、なかなか絞れないし、やめられないですね。

<取材協力>
欧風カレー&シチュー専門店 トマト
東京都杉並区荻窪5-20-7

【6】「また住みたい」と思えるほど、充実した毎日が送れる街。だから荻窪に住みたい

中央線沿線は商店街が賑わい、個性的な個人商店が多く、びっくり箱のような活気あふれるエリアが多い印象ですが、ひときわ落ち着いた雰囲気を持つのが荻窪です。かつて高級別荘地だった名残でしょうか、住む人も温厚な方が多く、どのお店でも温かなおもてなしを受けました。

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<取材・執筆>

松浦智子

東京生まれ。住んだことのある街は本郷、三軒茶屋、町田、板橋。愛猫にべたべたに甘い編集ライター。もちろん、よその猫様も大好き。素敵と思ったお店&場所を、どんどこご紹介していきます。

※2022年6月に取材しました。

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