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近所つきあいは最初が肝心、忘れちゃいけない「挨拶」と「手土産」

新築一軒家のマイホームを購入することは、多くの人にとって、人生のひとつの夢を実現させることともいわれてきました。それは「一国一城の主」になることでもあります。その喜びを、真新しい我が家を眺めるたびに噛みしられることでしょう。

そんな「お城」であるご自宅の周囲を見渡してみてください。お隣さんやお向いさんの家々が並んでいるのではないかと思います。そうしたご近所さんとのつきあいをスマートにこなすことも、「城主」としての大切な務めのひとつです。

まずは引っ越しの挨拶が大切です。いまさらいうまでもありませんが、一家全体の引っ越しは大仕事です。

入居当日はバタバタしているうえ、疲れ切っているでしょうから、「挨拶はしばらくして落ち着いてからでいいだろう」と考えがちになります。しかし、そこでのわずかな怠慢が、のちのち取り返しのつかない大きな誤解を生む恐れもあるのです。

「引っ越して1週間ほど経ってから挨拶回りをしたら、『ご挨拶はけっこうです。お帰りください』と、あるご近所さんに怒られてしまいました。どうも、すぐに挨拶しなかったことで、何かやましいことがあって夜逃げしてきた一家ではないかとの噂が広まっていたようです。それから、適当に近場から挨拶回りを始めたことでも機嫌を損ねた人が多かったとあとで知りました。ここに来て3年ほど過ぎましたが、いまもご近所さんとはしっくりできていない気がします」(関東近郊に暮らすAさん)

挨拶は引っ越し当日にタイミングを見計らってするのがベストです。実は挨拶のタイミングのほか、順番を重要視するケースも多く、真っ先に町内の名士や自治会長さんから回らないといけないエリアがあるそうです。

そうした地域特有の習慣や礼儀などは、ネットで検索してもヒットしないこともあるので、事前に地元の不動産業者や仲介業者にチェックしておくとトラブルを回避できそうです。

新築一軒家を購入…近所つきあいで失敗しないために

それから、挨拶の際に大事なのが「手土産」です。ただ、その手土産には“程度”が大切です。あまり高価な品物だと、相手側に「お返しが必要では」と不要な気遣いをさせる可能性もありますし、数が多くなれば出費もかさんでしまいます。目安としては、ご近所さんには1000円程度、大家さんや自治会長さんなどには2000円程度といわれています。

また、手土産の内容ですが、かつては「ソバ」に越してきた縁を細く長く続けるとの意味合いから「蕎麦」の一択でした。しかし、蕎麦はアレルギーの問題もあるので、メジャーな手土産ではなくなり、最近では無難に、タオルや洗剤が好まれているようです。食品の場合でも、調味料など賞味期限の長めな物が選ばれる傾向にあります。

さらに、挨拶の際は、できるだけ家族を連れてうかがうのが好ましいとされています。家族構成を見せれば、これからご近所づきあいをするお相手の家族を安心させることができます。

「小学生の息子を連れて引っ越しの挨拶に行ったら、向こうにも同じ年の男の子がいて、それが縁で息子は同じサッカークラブに所属することになりました。いまでは、家族ぐるみで試合の応援に出かけています」(関西地方に暮らすB氏)

家族構成をきっかけに思いがけなく話が弾むことも少なくないようです。また、幼児がいれば「お騒がせしないように気をつけます」と先に知らせておけば、遊び声がうるさいといった騒音トラブルも大事には発展しないと思われます。

ペットを飼っているのなら、連れていくか、写真を見せて説明すれば、こちらも鳴き声などの騒音トラブルは起きにくくなるうえ、ましてや相手もペットを飼っていれば、一気に親密度は増すでしょう。

ご近所さんは、ただ家が近いだけという間柄ではなく、大地震や大津波などの災害が発生した際には、互いに助け合う大切なパートナーであるとの考え方も広まりつつあります。

新築一軒家を構えたと同時に、ご近所さんとの「和」を結ぶことは、家族の安泰や命を守ることにもつながるかもしれません。

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