【鶴見】横浜と川崎に挟まれた「穴場」。歴史深いランドマークが育む居心地の良い暮らし
「あれ、なんだか生活しやすそう」
それが、駅の改札を抜けて最初に思ったこと。
ここは神奈川県横浜市に位置する「鶴見」。駅前には商業施設が集い、多くの人でにぎわいを見せる街です。しかし横浜と川崎の間に位置している駅でありながら、案外「どんな街かよく知らない」という人も多いのではないでしょうか?
実は私もそんな一人。
仕事で横浜方面に来ることはあっても、これまでこの駅に降りたことはありませんでした。
街に訪れたときに最初に感じた「生活しやすい」という印象。
その真意を探るために、「鶴見」の街を散策してみました。
【鶴見の基本情報】
駅名:JR京浜東北線・鶴見線「鶴見」、京浜急行電鉄本線「京急鶴見」
ランドマーク:總持寺(そうじじ)
■横浜駅までは10分で到着。2駅利用可能で利便性も抜群
JR京浜東北線と鶴見線が走る鶴見駅。隣駅の川崎には4分、神奈川のターミナル駅でもある横浜駅へは10分で行くことができます。
さらに、快速が止まる鶴見駅は都内へのアクセスも良く、品川へは18分、東京は28分、秋葉原は33分と乗り換えなしで到着。
また、JR鶴見駅から徒歩5分ほどのところには京浜急行電鉄本線が通る京急鶴見駅があり、泉岳寺・品川~三崎口間の移動に利用できます。行き先に合わせて2駅使い分けできるのが嬉しいですね。
駅の東口と西口にそれぞれバスターミナルがあり、市バスと臨港バスが発着。近隣へのちょっとしたお出かけはもちろん、新横浜や菊名、綱島への移動にも活用できそう。
■駅周辺に商業施設が密集、暮らしやすさを肌で感じる駅前
駅前には商業施設が充実し、あたり一帯に活気が溢れているのも鶴見の魅力。東口駅直通の「CIAL(シァル)鶴見」には、スーパーの「成城石井」や生鮮食料品売り場・ファッション雑貨店・書店などのテナントが入ります。また、西口を出てすぐのところには「西友鶴見店」が入る「Fuga(フーガ)」も。
さらに、京急鶴見駅にはスーパーの「京急ストア」も営業しています。JR、京浜急行電鉄本線、共にスーパーが駅近くにあるので、仕事や学校帰りの買い物には困らなさそう。
■商店街は普段使いしたくなる名店だらけ
鶴見には2つの商店街があり、この街に賑わいを与えています。東口から旧東海道沿いに続くのは、ベルロードと描かれたアーチが目印の「鶴見銀座商店街」。古くから続く個人経営の飲食店やクリニックなどが多く並びます。
駅から商店街を歩くとすぐに出会えるのは、200種類以上の本格的な中華料理が味わえる中国小皿料理「美食苑」。特に人気なのはリーズナブルでボリューム満点のランチメニュー。地元民の胃袋をしっかり満たしてくれています。
商店街の中には歴史を感じる人気店もあります。「ESPLAN(エスプラン)」は1679年創業の「覇王樹(さぼてん)茶屋」というお茶屋さんを前身にもつ老舗のベーカリー。
店内には、小麦粉や卵など素材にこだわり丁寧に作られた約90種類のパンが並んでいます。
中でも地元の常連さんたちに大人気なのが「珈琲あんぱん」(203円)。コーヒー入りの特製のあんと生クリームが相性抜群で、カフェラテを彷彿とさせる味わいです。
パンの種類が豊富なので、朝食用に食パン、おやつに菓子パンをと、デイリーに通えそう。
駅の西口には “TOYOOKA”のアーチが目を引く「豊岡商店街」が。こちらの商店街には、スーパーの「まいばすけっと」、チェーンの飲食店や薬局、銀行など生活に密着したお店が軒を連ねています。
商店街の一角に店を構えるのが「トミヤライス」。産地にこだわった一等米を販売するお米の専門店です。自宅までお米を配達してもらうことも可能だそう。
住人の生活を支える「鶴見銀座商店街」「豊岡商店街」は、さまざまな暮らしのシチュエーションで活用できるお店がたくさん。「ランチを食べた後は、朝ごはん用のパンと、お弁当に使う玄米を買って帰ろう」なんて想像するのも楽しそうです。
■街の人々を見守る、歴史深いランドマークスポット
駅から徒歩5分ほどのところにある曹洞宗の大本山「總持寺(そうじじ)」は、この街のランドマーク的な存在。広大で緑豊かな敷地を持つこのお寺は、古くから地元の人々に親しまれています。
敷地内には鶴見大学や付属校のキャンパスもあり、境内を歩いていると学校帰りの学生さんの姿を多く見かけます。
毎年7月には納涼盆踊りや花火大会が楽しめる「み霊祭り」が開催され、地元や遠方からたくさんの人々が訪れます。
また、駅から3分ほど歩いたところには横浜最古の神社と言われる「鶴見神社」も。こちらの神社では7月に「天王祭」を開催。祭の開催期間は、神社の大神輿の渡御が行われたり周辺町会に屋台が出たり、街中がお祭りモードに。
總持寺と鶴見神社を中心に開催されるお祭りの数々は、この街の夏の風物詩。
また、地域住民同士の交流の場にもなっており、鶴見を語る上で欠かせない行事です。
鶴見駅からバスに17分ほど揺られると、「三ツ池公園」に到着。
園内には大きな三つの池があり、穏やかな景色を眺めながらお散歩が楽しめます。
「三ツ池公園」は日本の「さくら名所100選」にも選ばれた桜の名所として有名で、春になると園内はお花見を楽しむ人の姿で溢れます。広い園内にはロングすべり台やアスレチック遊具なども置かれているので、子どもたちも思いっきり遊べそう。
休日はゆったりと森林浴ができ、子どもと存分に身体を動かせる自然豊かなスポット。また、季節折々のイベントではこの地域ならではの思い出が心に刻めそうです。
■暮らす人の懐の深さが見える街
この日、最後に訪れたのは、鶴見駅東口から徒歩3分ほどの「PATISSERIE Laplace(パティスリー ラプラス)」。朝の連続ドラマ小説『まれ』(NHK)にも登場したことのある地元で人気の洋菓子店です。日々おいしいスイーツで街の人を笑顔にしているシェフパティシエの関口善勝さんに、この街の魅力を尋ねてみました。
(※以下、「」内は関口さんのセリフです)
――関口さんはどうして鶴見にお店を開かれたのですか?
「生まれ育ったこの場所にお店を開きたいと思ったんです。周りに住んでいるのがみんな幼馴染で心強いという理由もありますが、この街には親切な人が多いんです。お店には遠方から車で来店する方も多く、近隣の方にはご迷惑をかけてしまっていると思うのですが、優しく受け入れてくれています。クレームになったことはありません。街全体からそんな懐の深さを感じますね。お店をやるにはもちろん、暮らす街としても、とてもいいと思います」
――具体的にはどんなところに暮らしやすさを感じますか?
「区役所や税務署も歩いて行ける距離ですし、小学校や中学校など教育機関も整っています。電車のアクセスもいいですし、車で国道にも出やすいので、暮らすのにとても楽な街ですね。新しく建築されたマンションに引っ越してくる人も多いですが、街に住んでいると意外と古いものに接する機会もあるんですよ」
――古いものとの関わりですか?
「はい、鶴見には長い歴史を持つ場所が多いんです。鶴見のシンボルとなっている『總持寺』は、石原裕次郎さんが眠る有名な寺院ですし、お店のすぐそばには『鶴見神社』もあります。以前、原寸大の鶴見神社のお神輿を砂糖菓子で作ったことがあり、それがご縁で神社との繋がりが深まりました。祭りなどを通して地元との絆が育めるのも、この街ならではの魅力だと感じています」
■横浜・川崎からほど近い、住みやすさが詰まった街
好立地で活気がありながら、不思議と居心地の良を感じられる「鶴見」。
実際に歩いてみると、
「生活に必要なものがコンパクトに揃う駅前」
「地元の名店が軒を連ねる商店街」
「街の人に愛される神社やお寺」
などなど、
街のことを知れば知るほどに、最初に感じた「なんだか生活しやすそう」という印象が間違いではなかったことを実感することができました。
横浜方面に引っ越しを考えている方は、一度「鶴見」に訪れてみてはいかがでしょうか。街を探索してみれば、理想の暮らしの姿が見えてくるかもしれません。
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