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「家を買う」という一大決心をいつ行うのか、というのは現代人にとって永遠のテーマともいうべき難しい問題でしょう。
結婚のタイミングで購入したところで、甘い新婚生活が終わり、いきなり性格の不一致などで離婚という可能性もなくはありません。
実際、厚生労働省の「同居期間別にみた離婚件数及び同居期間の年次推移」によると、離婚件数全体のうち、結婚から5年以内に離婚した人の割合は、2001年時点でも約35.9%。昨今の離婚件数の増加をふまえれば、この割合はもっと多くなっていることが予想されます。
ローン返済が数十年残るマイホームをどのように財産分与するのかということで、頭を悩まさなければいけないというリスクをふまえれば、「結婚前」にマイホームを購入するというのは、かなりの「覚悟」がなくてはいけません。
かといって、「結婚後」ということになると今度は逆にふんぎりがつきません。夫婦2人だけならば賃貸に住みながら海外旅行や趣味にもお金をつかうことができますので、そもそも「持ち家」の必要性が薄くなってしまいます。
出産や育児も大きなきっかけではありますが、なにかと想定外の出費も生まれ、家計のなかから頭金などのまとまった現金を確保するのも難しくなってくるのも事実です。そうなると、「もっと早くにマイホームを買っておけば」という後悔も出てくるでしょう。
いったい、いつが家を買うベストのタイミングかという大きな問題をさらに複雑にしているが、男女間のマイホームに対する温度差です。
さまざまなデータをふまえると、結婚前に家を購入したいと考えている男性は約4割、対して女性は2割程度ともいわれています。
独身男性のなかで「結婚前にはマイホームを購入しておきたい」という考えが少なくないことに驚くかもしれませんが、実際、不動産情報サイト・アットホームが2009年に行った調査では、不動産を所有している独身男性が「結婚したい」と答えたのは58.4%と6割近くになっています。
つまり、結婚前に家を購入する男性のなかには、「家庭」をもつ条件を先に満たしたことで、とにかく早く結婚したいという「あせり」のようなものがあるとも考えられます。
では、女性はどうでしょう。
先ほどのアットホームの調査をみると、結婚前に不動産を所有している独身女性のなかで、「結婚したい」と回答したのは36.4%足らずしかいません。また、女性向けサイト「ラルーン~女性の悩みケア」が2014年7月に行った調査でも、「結婚をきっかけにマイホームを購入したい」と考えている女性は28%に過ぎませんでした。
ほとんどの女性が、その時点での収入や家族の環境などを考慮したうえで、「機が熟したら購入をしたい」という実に「地に足のついた考え方」をしているのです。
これらの調査から男女の「マイホームと結婚」に対する考えが浮かび上がります。男性はとにかく「マイホームと結婚」をひとつに結びつけて考える傾向があり、女性は結婚という人生のイベントと、マイホーム購入というイベントを必ずしも結びつけない傾向がある、といえるのではないでしょうか。
そんな男女が人生の伴侶となって、ともにマイホーム購入という大きな決断をするわけですから、なかなか意見が合わないのも無理はありません。
結婚前に家を買いたがる男女の考えの違いをお互い理解したうえで、双方が納得のいくタイミングを見つけ出していただきたいと思います。