「三井の賃貸」プロの現場。 | 消防設備(避難器具)|マンションでの災害時、どうやって避難すればいいの?

マンションには、火災時など避難のために使用する設備があります。
当社では消防設備点検時に、これらのチェックをしておりますが、日頃はご入居されているみなさまでもご注意が必要です。

今回は、主にバルコニーやベランダに設置されている代表的な避難設備とご注意いただく点についてご紹介いたします。

【避難ハッチ】
ハッチの中には、避難はしごが折りたたまれて収納してあり、火災などの災害時には、ハッチを開けてはしごを降ろして下の階に避難していきます。
一気に下まで落下しないよう、次のハッチは少し離れた位置に設置されています。
最近のものは、子供がいたずらで開けないようチャイルドロックが掛かっているので、これを外して使用します。
ハッチの蓋には取扱説明のステッカーがありますので、日頃から使用方法を確認しておきましょう。

【避難はしご】
格納箱が設置され、その中にはしごが格納されています。
ワイヤーのタイプや、金属製(折りたたみ)のタイプのはしごが格納されています。
火災などの災害時には、格納箱からはしごを取り出し、箱に貼付されている説明に記載されている箇所に引っ掛けて降ろし、下の階に避難していきます。
引っ掛ける場所は、専用の“はしご取付金具”があることが多いですが、手摺や手摺壁に掛けるタイプもありますので、必ず説明を読み正しい箇所に引っ掛けることが重要です。
格納箱には取扱説明のステッカーがありますので、日頃から使用方法を確認しておきましょう。

【緩降機(かんこうき)】
格納箱が設置され、その中に支柱があり、調速機・ロープ・着用具などが格納されています。
火災などの災害時には、格納箱を外し、支柱に調速機を掛けロープが巻かれたリールを落とします。着用具を着けてそのまま降りると、調速機の働きでゆっくり降下することができます。
ロープには両端に着用具が付属しており、先に落としたリールにもロープの先に着用具があります。1人が下まで避難するともう一方が上がってくるので、次の方は上がってきた着用具で同様に避難をします。これが交互に繰り返されます。
こちらも格納箱には取扱説明のステッカーがありますので、日頃から使用方法を確認しておきましょう。

避難設備に荷物を置くと非常時に使用できません。
見逃しがちな降下地点にも物を置かないよう注意が必要です。

消防設備点検時などに指摘があがる事項についていくつかご紹介いたします。
日頃から入居者の方々にもご注意いただき、常に適正な状態であるようご協力を求めていくなどの対応が必要となってきます。

■当社消防設備点検時などの指摘事例

ケース1:避難ハッチに物が置かれている
非常時にハッチが開けられませんので、この上に物を置いてはいけません。

ケース2:避難ハッチの真下に物が置かれている
ハッチを開けてはしごを降ろす場所にも物を置いてはいけません。
よく見られるのは、簡易物干しや荷物などですが、エアコンや給湯器が障害になるケースもあるので、設置工事の手配の際などはご注意ください。
また、既設の物干しは、使用時以外は竿を外して収納しておくよう注意が必要な場合があります。

ケース3:はしごの降下地点に物が置かれている
主に1階の外構部分になりますが、☒の様なマークが地面に書かれている場合があります。
その場所ははしごが下りる地点となりますので、物を置いてはいけない場所です。
マークの記載がなくても、降下地点は駐輪場や駐車場に利用できない場所ですので、必ず開けておくようご注意ください。

<隔壁版について>
避難設備ではありませんが、バルコニーの隔壁板前へ物を置くことも避難に影響を及ぼします。
非常時は、この壁を蹴破って避難設備の有る箇所まで移動します。
大切な避難経路になりますので、隔壁板の前には障害物となるものを置いてはいけません。
これは、共用廊下も同様で避難経路にあたりますので、荷物や自転車などの障害物を置いてはいけない場所となります。
避難時に障害がないか、日頃から気にしておくことが大切です。

もしものときに備え、いざ使う時に問題がないようにしておくことが大切です。

取扱説明を読んでいただくことも大切ですので、みなさまのご協力をお願いいたします。
なお、定期的な消防設備点検でも確認をしていますが、取扱説明が劣化して読みにくい、破損しているなど問題を見つけた際は、共用部管理会社までご連絡いただきますようお願いいたします。

当社では、専門知識を持ったプロによる建物の定期的な点検やメンテナンスを当社基準に沿って実施しており、
適切な時期に修繕等の提案を行うことで、劣化や機能低下に捕らわれることなく
建物の資産価値を維持することや安全で快適な暮らしを提供させていただくことを心掛けています。
今回は、万一の際に入居者様を安全な場所へ導く「避難設備」についてご紹介させていただきました。

以上

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