「三井の賃貸」プロの現場。 | マンションの賃貸管理で気をつけておきたい高齢者の問題

日本社会全体の高齢化に伴い、賃貸マンションへ入居を希望する高齢者が増えてきています。
最近では高齢者の住宅事情が社会問題化するなど、マンションの賃貸管理を実施するうえでも高齢者への対応は避けて通ることはできません。

そこで、今回は賃貸管理において気を付けておきたい高齢者の問題について解説していきます。

1.高齢者を受け入れる際の注意点
高齢者を受け入れる場合については、まずは高齢者だからと一律に敬遠する必要はありませんが、一般の入居者と異なる点もあります。
賃貸管理において高齢者は独自の注意点があるものの、しっかりと注意点を理解することでトラブルなく円滑な管理が可能になります。

【注意点①】緊急連絡先となる家族
緊急連絡先となる家族が存在すれば、有事の際に家族と連携して対応することができます。また、定期的に家族と会う機会があるという場合は、孤独死の可能性も低くなります。

何か問題が発生し、本人との話し合いが困難というときにも、家族を交えて対話していくことでスムーズに事が運んでいくということもあるため、緊急連絡先となる家族の有無はとても重要な確認事項です。
一般的なマンションにおいては、管理会社あるいはオーナーだけで対応できることには限りがあります。
入居者ご本人にとっても、契約するマンションとしてもご家族の存在は不可欠だといえるでしょう。

【注意点②】介護の必要性
高齢者となる方の中には、介護を必要としている方もいらっしゃいます。
介護がどの程度必要なのか、マンションで日常生活を送ることができるのかをまずは確認する必要があります。

【注意点➂】設備の安全性
一般的な入居者にとっては何気ない設備でも、高齢者にとっては不便であったり、怪我の危険のある設備も存在します。
たとえば、室内にちょっとした段差があるケース。一般的にあまり問題となることはありませんが、高齢者にとってはその段差が大きく感じ、つまずいて怪我をするということもありえます。また、足腰が弱っていると立ち上がるのも一苦労で、室内に一切手すりがない状態では快適に過ごせなかったり、立ち上がろうとして怪我をしてしまう可能性もあります。

入居後の安全性を重視するのであれば、高齢者を受け入れられるバリアフリーになっているマンション・部屋であるかどうかも重要な観点になります。また、例えば何年も前に既に竣工しているマンションにおいては、個別のお部屋をバリアフリー対応にリフォームするというのはコストもかかりあまり現実的ではないかもしれません。それでも近年では最初からバリアフリーを意識して建てられたマンションも増加傾向にありますし、お部屋の中の段差もできるだけなくすことがバリアフリーに限らず一般的になっているといえるのではないでしょうか。

【注意点④】意思能力
入居時に意思能力がしっかりしていても、入居から月日が経ってくると記憶能力が衰えたり認知症を発症するケースもあり得ます。それによって付帯設備を破損させたり、共用部で他の入居者に迷惑をかけてしまうということもありえます。

そういった場合に備え、入居者の意思能力が衰えてしまった場合の対応についても事前に考えておかなければなりません。ただし、一般的なマンションでは管理会社であっても特別な対応をすることは難しいので、ここでもご家族の協力が不可欠になります。

【注意点⑤】孤独死
高齢者が一人で入居する場合、特に注意しておきたいのが孤独死です。
一人暮らしで年に数回しか子供や孫と会うことがない、というような入居者は、亡くなった後も長期間発見されずに孤独死してしまう可能性があります。大変残念ですが、そうなってしまうと特別な室内清掃も必要になりますし、最悪の事態を避けるためにもやはりご家族の協力は不可欠なのです。

2.高齢者との契約で盛り込んでおきたい条項
高齢者を受け入れる賃貸マンションは日々増えてきています。その際は、入居者となる高齢者の方を守るためにも、事前の契約である程度のルールを定めておくことが理想的です。

ただし、あまりに理不尽で一方的な条件を盛り込んでしまうと、それはオーナー・管理会社と入居者双方にとって良い契約内容とはいえません。
なお、契約にあたってはご家族の方に同伴していただき、ご家族と本人含め三者で十分に話し合い、理解いただいたうえで入居してもらうという流れが理想です。

【盛り込みたい条項①】外泊時の連絡義務化
「何日も連絡が取れない、姿を見ないと思ったら亡くなっていた。」
こういったケースを防ぐため、外泊・旅行をする場合は必ず管理会社まで一報を入れるようお願いすることが大切です。
孤独死や体調不良で寝込んだりしているのか、それとも旅行で外泊しているだけなのか、即座に判断するためにも、ぜひ盛り込んでおきたい条項です。
この条項は入居者となる高齢者自身の命を守ることにも繋がります。

【盛り込みたい条項②】家族への連絡と安全確認の実施
数日間連絡が取れないという場合は家族へ連絡し、家族またや警察立会いのもと安全確認として部屋に立ち入ることも明確化しておきたいポイントです。
一見するとプライバシーの侵害と思われるかもしれない条項ですが、孤独死を防いだり体調が急変している場合に、すぐに対応するためにも必要な条項です。

この条項を先の条項と併せて盛り込んでおくことで、高齢者を受け入れる際に大きな問題となる孤独死や体調の急変といった事態を、ある程度抑制することができます。

3.賃貸管理における高齢者の問題は管理会社にお任せ
日本全体が高齢化問題を抱えているとおり、高齢者の賃貸マンションへの入居情は今後も増え続けることが予想されます。
大切なのは本人や家族と十分に話し合い、協力していくことです。
持ち家を持たず、賃貸マンションに入居することが当たり前になりつつある昨今、マンションの賃貸管理を実施する以上高齢者の問題も無視することができません。
ただし、他の入居者同様に何も問題無く賃貸マンション生活を送られている方も多くいることも事実です。高齢者だからといって過剰な反応をしてしまい不必要に契約のハードルを上げてしまっては、空室率の悪化という面で影響が出るかもしれません。

バリアフリーの観点も含めて、マンションを建てる前から対応しなければならない事項もありますので、当社では竣工前のお手伝いを含めて対応させていただきます。
マンションの賃貸管理を当社にお任せいただければ、迅速かつ最適な対応をさせていただきます。
 
以上

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