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「三井の賃貸」プロの現場。 | 不動産テックについて(可視化・査定編)
昨今、AIによる査定が様々な分野で活用されるようになってきました。不動産の売却査定・賃料査定、自動車の売却査定、損害保険の支払査定など、その進歩と拡大は著しいものといえます。
1.AIとは
AIとはartificial intelligenceの略で人工知能と訳されます。近年では、将棋や囲碁の世界でコンピュータが人間に勝ったという事例が出てきており、人工知能が人間を越える時代も近いのではないかと思わせます。しかし、人工知能にも得意なことと苦手なことがあります。先ずはそれらについて解説いたします。
(1)AIが得意なこと
①単純作業
例えば、倉庫の中などで人工知能を搭載した機械が荷物を運ぶ作業。センサーで障害物がどこにあるか、どうすれば時間が短縮できるかを人工知能によって判断することで、より効率的に物を運ぶことができるようになります。目的や作業内容が明確になっている単純作業程、AIの得意分野です。最近注目される自動車の自動運転もこれと同じ仕組みです。
②データの処理スピードと正確性
AIは大量のデータを処理する能力に長けています。スピード・正確性ともに人間の比ではなく、間違いも起こらないため、結果を確認する作業も不要です。
③評価・予測
通販サイトなどでは、これまでの購入履歴に基づいたおすすめ商品が自動で表示されていることがあります。膨大な商品データと買い物データを照らし合わせて、コンピュータがおすすめ商品を表示しているのです。また、最近では画像から共通点を見つけることもできるようになっています。大量の防犯カメラの映像から犯人を見つけ、自動追跡する技術も開発されています。
(2)AIが苦手なこと
①クリエイティブな作業
「人工知能は創造的な作業はできない」と言われます。特に芸術作品を作ることは無理だというものです。膨大なデータを組み合わせて「模倣」することは可能であっても、ゼロからオリジナル作品を創造するのは苦手です。とはいえ、人間には「模倣」なのか「オリジナル」なのかを正確に見分けることも困難なレベルで、非常に高いクオリティの作品を創造できている事例も既に出てきています。
②文章の解釈
コンピュータも文章を書いたり、認識したりすることはできますが、文章を解釈しているとは言えません。例えばグーグル翻訳は文章を理解して翻訳しているわけではなく、これまでの膨大な文章や単語のデータをもとに言語から言語に変換をしています。ここでも同様に、特定の作家の特徴を模倣した小説を作り出すAIも出現しています。
③考えること
人工知能が考えることと人間が考えるということは、その定義が大きく異なります。例えば人工知能がある結論を出した場合、それはデータ上そのような結論が導き出されたという理由以外ありません。一方の人間の場合、「なぜそうなるのか」と言った場合、「なんとなく」や「特に理由がない」場合もあります。明確な理由が分からない場合や答えが出ない場合でも考えることができるというのも人間の能力だと言えるでしょう。
2.不動産のAI査定
(1)マンションの査定の手法
そもそも、マンションはどんな手法で査定されているのでしょうか。査定は主に次の2種類です。
1つ目は「簡易査定」と呼ばれ、公示地価などの公的なデータや周辺の取引事例などを基に概算の金額を算定します。つまり、実際の建物の状況を見ることなく、あくまでデータ上で算出するというものです。マンションの簡易査定の際には、通常周辺に多くの比較可能な取引事例が蓄積されているため、これをもとに算出する方法が採用されていることが多いです。
対して2つ目は「詳細査定」と呼ばれ、不動産会社の担当者が物件の状態を精査し、個別の要素を加味して、実際の条件を決定します。
(2)AI査定では考慮できない要素
AI査定の金額と人間による査定の金額に相違が発生するのはなぜでしょうか。
物理的な側面から、不動産は一つとして同じ商品がないと言えます。同じマンション内であっても、フロアや向きによって陽当たりや眺望が異なりますし、新築物件でない場合、室内の劣化状態も部屋によって全く違います。
また、不動産の価格や賃料は、オーナー様が最終的に決定します。オーナー様の方針によって不動産の価格や賃料は高くなる場合も、安くなる場合もあります。繁忙期など急いで買う・借りる必要がある場合、高めの金額でも成約する事が往々にして見受けられます。
現在のAI査定は上記のような、個別の案件ごとの細かい差については考慮できていないようにも見受けられます。ただし、システムによって査定方法は異なりますし、多くの要素を勘案して計算するものも出てきているようです。まだ今の段階では、参考程度に考えるほうが良いかもしれませんが、精度が上がってきているのも事実でしょう。
3.まとめ
AI査定は、マンションを売りたい・貸したいと考えている方にとって有効なツールですが、販売会社・管理会社にとっても今後はますます力を発揮するといわれています。一部サービスの中には、物件情報を入力するだけで不動産の価格や賃料を算定するだけでなく、その根拠となる周辺の取引事例やレポートも出力できるため、それらを使ってオーナー様に向けて短時間で説得力のある提案ができるものもあります。
現状、AI査定だけで不動産の価格や賃料を決定するのは難しいですが、今後もAI査定は加速化していくとみられ、注視する必要がありそうです。
AIとはartificial intelligenceの略で人工知能と訳されます。近年では、将棋や囲碁の世界でコンピュータが人間に勝ったという事例が出てきており、人工知能が人間を越える時代も近いのではないかと思わせます。しかし、人工知能にも得意なことと苦手なことがあります。先ずはそれらについて解説いたします。
(1)AIが得意なこと
①単純作業
例えば、倉庫の中などで人工知能を搭載した機械が荷物を運ぶ作業。センサーで障害物がどこにあるか、どうすれば時間が短縮できるかを人工知能によって判断することで、より効率的に物を運ぶことができるようになります。目的や作業内容が明確になっている単純作業程、AIの得意分野です。最近注目される自動車の自動運転もこれと同じ仕組みです。
②データの処理スピードと正確性
AIは大量のデータを処理する能力に長けています。スピード・正確性ともに人間の比ではなく、間違いも起こらないため、結果を確認する作業も不要です。
③評価・予測
通販サイトなどでは、これまでの購入履歴に基づいたおすすめ商品が自動で表示されていることがあります。膨大な商品データと買い物データを照らし合わせて、コンピュータがおすすめ商品を表示しているのです。また、最近では画像から共通点を見つけることもできるようになっています。大量の防犯カメラの映像から犯人を見つけ、自動追跡する技術も開発されています。
(2)AIが苦手なこと
①クリエイティブな作業
「人工知能は創造的な作業はできない」と言われます。特に芸術作品を作ることは無理だというものです。膨大なデータを組み合わせて「模倣」することは可能であっても、ゼロからオリジナル作品を創造するのは苦手です。とはいえ、人間には「模倣」なのか「オリジナル」なのかを正確に見分けることも困難なレベルで、非常に高いクオリティの作品を創造できている事例も既に出てきています。
②文章の解釈
コンピュータも文章を書いたり、認識したりすることはできますが、文章を解釈しているとは言えません。例えばグーグル翻訳は文章を理解して翻訳しているわけではなく、これまでの膨大な文章や単語のデータをもとに言語から言語に変換をしています。ここでも同様に、特定の作家の特徴を模倣した小説を作り出すAIも出現しています。
③考えること
人工知能が考えることと人間が考えるということは、その定義が大きく異なります。例えば人工知能がある結論を出した場合、それはデータ上そのような結論が導き出されたという理由以外ありません。一方の人間の場合、「なぜそうなるのか」と言った場合、「なんとなく」や「特に理由がない」場合もあります。明確な理由が分からない場合や答えが出ない場合でも考えることができるというのも人間の能力だと言えるでしょう。
(1)マンションの査定の手法
そもそも、マンションはどんな手法で査定されているのでしょうか。査定は主に次の2種類です。
1つ目は「簡易査定」と呼ばれ、公示地価などの公的なデータや周辺の取引事例などを基に概算の金額を算定します。つまり、実際の建物の状況を見ることなく、あくまでデータ上で算出するというものです。マンションの簡易査定の際には、通常周辺に多くの比較可能な取引事例が蓄積されているため、これをもとに算出する方法が採用されていることが多いです。
対して2つ目は「詳細査定」と呼ばれ、不動産会社の担当者が物件の状態を精査し、個別の要素を加味して、実際の条件を決定します。
(2)AI査定では考慮できない要素
AI査定の金額と人間による査定の金額に相違が発生するのはなぜでしょうか。
物理的な側面から、不動産は一つとして同じ商品がないと言えます。同じマンション内であっても、フロアや向きによって陽当たりや眺望が異なりますし、新築物件でない場合、室内の劣化状態も部屋によって全く違います。
また、不動産の価格や賃料は、オーナー様が最終的に決定します。オーナー様の方針によって不動産の価格や賃料は高くなる場合も、安くなる場合もあります。繁忙期など急いで買う・借りる必要がある場合、高めの金額でも成約する事が往々にして見受けられます。
現在のAI査定は上記のような、個別の案件ごとの細かい差については考慮できていないようにも見受けられます。ただし、システムによって査定方法は異なりますし、多くの要素を勘案して計算するものも出てきているようです。まだ今の段階では、参考程度に考えるほうが良いかもしれませんが、精度が上がってきているのも事実でしょう。
AI査定は、マンションを売りたい・貸したいと考えている方にとって有効なツールですが、販売会社・管理会社にとっても今後はますます力を発揮するといわれています。一部サービスの中には、物件情報を入力するだけで不動産の価格や賃料を算定するだけでなく、その根拠となる周辺の取引事例やレポートも出力できるため、それらを使ってオーナー様に向けて短時間で説得力のある提案ができるものもあります。
現状、AI査定だけで不動産の価格や賃料を決定するのは難しいですが、今後もAI査定は加速化していくとみられ、注視する必要がありそうです。
以上
更新日:2020年6月11日
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