管理組合の基礎知識(管理組合のお客様) 管理組合

管理組合とは?

昭和37年に制定された「建物の区分所有等に関する法律」(以下、区分所有法)では、管理組合について明確な規定がなかったために、さまざまなトラブルが生じていました。
そのため、昭和58年に大改正された区分所有法では、管理組合の規定を含め、管理制度の充実が図られました。
平成13年には「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が制定され、基本方針には適正な管理や管理組合運営への参加などを明記しています。

  • 1 マンション管理の主体は管理組合であり、管理組合は長期的な見通しを持って、適正な運営を行うこと。

  • 2 管理組合の構成員である区分所有者は、組合への積極的な参加、役割を適切に果たすように勤めること。

管理組合の設立

マンションの管理組合は、区分所有者の意思を反映しながら組織的に、また継続性を持って行う必要があります。
マンションの専有部分に関しては、当然に区分所有者が、自己の責任と負担で管理しなければなりませんが、共用部や敷地については、区分所有者全員の共有財産であるため、区分所有者全員が一定のルールに従って協力して管理しなければなりません。
そのため、マンションの維持管理をスムーズに行うために構成される団体が「管理組合」なのです。

区分所有法第3条(区分所有者の団体)

区分所有者は、全員で建物ならびにその敷地および付属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律を定めることにより、集会を開き、規定を定め、および管理者をおくことができる。


※区分所有法では「集会」となっていますが、国土交通省の標準管理規約では「総会」と称しています。


条文のとおり、区分所有者関係が生じた瞬間から管理組合は成立し、区分所有者はその意思に関わらず構成員になります。
当然ながら譲渡や相続によって区分所有者となった人も組合員となり、売却等で区分所有者でなくなった場合は自動的に組合員の資格もなくなります。
したがって、区分所有者である限り管理組合から脱退することはできません。

管理組合の業務

管理組合の業務は、マンション標準管理規約に次のように定められています。

  • 1 管理組合が管理する敷地および共用部分等(以下本条および第48条において「組合管理部分」という)の保安、保全、清掃、消毒およびごみ処理

  • 2 組合管理部分の修繕

  • 3 長期修繕計画の作成または変更に関する業務

  • 4 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に関する管理

  • 5 適正化法第103条に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理

  • 6 修繕等の履歴情報の整理および管理等

  • 7 共用部分等に係る火災保険その他の損害保険に関する業務

  • 8 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適正であると認められる管理行為

  • 9 敷地および共用部分等の変更および運営

  • 10 修繕積立金の運用

  • 11 官公署、町内会等との渉外業務

  • 12 風紀、秩序および安全の維持に関する業務

  • 13 防災に関する業務

  • 14 広報および連絡業務

  • 15 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成

  • 16 管理組合の消滅時における残余財産の清算

  • 17 その他組合員の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するために必要な業務

管理対象 所有形態 管理主体
建物 専有部分 住戸(住戸設備などを含む) 該当する区分所有者が所有する 区分所有者
共有部分

法定共有部分
玄関ホール、廊下、階段、エレベーター、電気室、屋上など専有部分に属さない「建物部分」


規約共用部分
管理事務室、管理用倉庫、集会室など
一般的には、区分所有者全員で、専有部分の床面積の割合で共有する。 管理組合

専用使用部分
専用庭・バルコニー等

専有使用権を有する方
敷地およびその付属施設

敷地およびその付属施設
駐車場、自転車置場、ゴミ置場など建物に附属する施設

管理組合

以上のような業務を行うために、組合を運営する基本ルールである管理規約を定めることや、管理業務を遂行するための管理者(管理組合の理事長など)を置くことが一般的です。
しかし、管理組合が自ら行うことが困難な業務もあります。そのような業務は、全部、または一部をマンション管理会社に委託して行うこととなります。
なお、一般的な管理組合の組織を図でご紹介いたします。

管理組合組織の管理図

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