管理組合の基礎知識(管理組合のお客様) マンション管理適正化法

マンション管理適正化法とは?

平成13年8月1日に施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」は、住民の皆様の意識の変化やニーズの高まりに応えて、マンションの資産価値を守り、快適な住環境が確保できるようにとの目的から定められた法律です。
その中に、管理業者が安心できるパートナーとなるための「マンション管理業者の義務に関して業務規制」が設けられています。それをご紹介します。

マンション管理業者の業務規制の概要

1. 管理業務主任者の設置(法第56条から第69条)

  • 事務所ごとに、事務所の規模を考慮して一定の数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければなりません。
  • 管理業務主任者の国家試験に合格した者で、管理事務に関し一定の期間以上の実務経験を有するものは、国土交通大臣の登録を受けて、管理業務主任者証の交付を受けることができます。
  • 管理業務主任者は、その事務を行うに際し、区分所有者等から請求があった時は、管理業務主任者証を提示しなければなりません。なお、管理業務主任者証の有効期間は5年間であり、申請により更新することができます。
2. 標識の掲示(法律第71条)

マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に国土交通省で定める標識を掲げなければなりません。管理業を営む者は、国土交通省へ登録を済ませることにより、管理業者であることの標識を提示することが可能になります。

3. 重要事項説明と書面交付(法律第72条)

管理組合と管理事務の委託に関する契約の締結および更新をしようとする時は、予め管理業務主任者が、管理等に対して、管理委託契約の内容等の重要事項の説明を行わなければなりません。これらの重要事項説明の機会について、本法律では2つのパターンを用意しています。

  • 1 従前と異なる内容の委託契約を締結しようとする場合
    契約を締結する前に、予め説明会を開催し、区分所有者等および当該管理組合の管理者等に対して、重要事項の説明を行うことになります。その説明会の日の一週間前までに、区分所有者全員および管理者に対して、重要事項および説明会の案内(日時・場所等を記載)の書面を交付することとなります。

  • 2 従前と同一の内容の委託契約を締結しようとする場合
    契約を締結する前に、予め管理者等に対して、重要事項の説明および書面の交付を行うとともに、区分所有者等全員に重要事項の書面を交付することとなります。

4. 契約成立時の書面の交付(法第73条)

管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結した時は、当該管理組合の管理者等に対し、遅滞なく、管理業務主任者の記名押印のある一定の事項を記載した書面を交付しなければなりません。

5. 再委託の制限(法第74条)

管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、一括して他人に委託することができません。

6. 財産の分別管理(法第76条)

管理組合の修繕積立金等の財産については、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければなりません。

7. 管理事務の報告(法第77条)

定期に、マンションの管理者等に対し、管理業務主任者をして、管理事務に関する報告をしなければなりません。

8. 書類の閲覧(法第79条)

マンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類をその事務所ごとに備え置き、その業務に係る関係者の求めに応じ、閲覧させなければなりません。

9. 秘密保持義務(第80条及び第87条)

マンション管理業者及びその使用人その他の従業員は、業務に関して知り得た秘密を漏らしてはなりません。

10. 監督処分(第81条から第86条)

マンション管理業者は、上記の業務に違反すると、国土交通大臣から業務停止命令、登録の取消し等の処分を受けることとなります。

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