眺望をリビングの大開口から取り込む家

歴史的な古墳に面した素晴らしい立地に佇む邸宅。この地に相応しく、クラシカルな英国の伝統的なスタイルを取り入れた三角屋根のチューダー様式を基調に、ご夫妻のリクエストを配した重厚感漂う風格のある家が完成した。

エクステリア

大きなケースメントウィンドウが特徴的な外観。品格のある焦げ茶色のトリミングが印象的だ。「家の顔は『本物』だけで」と、ご主人が力強く語る。門柱や玄関回り、外壁にも自然素材の花崗岩を惜しげもなく使い、本物がもつ豊かさを実感している。

インテリア

やわらかな光が降り注ぐ、大きな吹き抜けのリビングの天井高は約5.5メートル。実は北向きなのだが、K様のご希望を伺い、設計士が家の中のどの場所にいても眺望が主役に、部屋の隅々まで光が入るようにと、計算し尽くした空間なのだ。リビング・ダイニングには、お母様と時を刻んだ思い出の家具たちがコーディネートされ、受け継がれてきたストーリーを感じる。そして、奥様が選んだ、白いキッチンは框扉(かまちとびら)と黒のパネルがアクセントになり凛とした雰囲気に。

エピソード

和室の間取りを考えていたK様に設計士から「和室は遊んでみてはいかがですか」と、提案が。室町時代の「婆娑羅(ばさら)」のイメージだそう。「驚いたのは、土間に並べる石は建て直す前の家の庭にあった天然石を使おうと発案されたことです」。豊かな発想に感動し、一緒に考えた楽しい時間だったとK様は笑顔で語った。

VOICE

生まれ育った家をいつかは建て替えることになるだろうと考え、ご夫婦で理想の家づくりを話し合い、モデルハウスにも出かけていた。しかし、「商品を超えて、思った通りにつくれるのだろうか」と、疑問も。ところが「実際はすべてがフレキシブルで、思いを絶妙な形で反映させてくれました」。たとえば天然石を使いたいという希望には、玄関回りに花崗岩を“水磨き”と“バーナー”加工を組み合わせた素材の美しさを最大限に生かした手法で応え、玄関ホールは大理石を敷き詰めたご提案に。お母様が好きだったアンティーク家具をという希望には、ダイニングに色調を合わせたフローリングの床材をという提案で応えた。全館空調は奥様の希望。冬でも本当に快適だと語る。すべての“こうありたい”を実現したくつろぎの家を、10年後、20年後、そしてずっと家族とともに育んでいくのだろう。

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