不動産コラム | 抵当権抹消登記とは?自分で手続きする方法や費用をご紹介
抵当権抹消登記とは?
住宅ローンを完済した後、必要な手続きに抵当権抹消登記というものがあります。抹消登記の手続きは専門家に依頼することができますが、自分で済ませられる場合もあります。
どちらにしても、手続きには時間が必要ですので、事前に知識を蓄えておくと安心ですよ。
今回は、抵当権抹消手続きの方法や費用などについてご紹介します。
抵当権を解除する手続き
抵当権抹消登記とは、不動産に設定されている抵当権を登記簿から抹消する手続きのこと。
住宅ローンを利用する際には、借り入れの担保として「抵当権」を設定しますが、住宅ローンを完済すると金融機関は抵当権を設定する必要がなくなります。
「抵当権は完済すれば自動的に削除される」というわけではなく、抵当権抹消登記を行うことで登記上からも設定が解除されます。
抵当権抹消登記が必要な場合
抵当権抹消登記が必要な場面は、住宅ローン完済以外にもあります。
・不動産を売却するとき
・新たに住宅ローンを利用するとき
・不動産を相続させるとき
抵当権抹消登記は申請をしても、すぐに手続きを済ませることができません。このため、できる限り事前に抵当権抹消登記を行っておくことがおすすめです。
抵当権抹消登記は誰が行うの?
抵当権の抹消登記は、司法書士や弁護士など専門家に依頼して行う場合と、債務者本人が行う場合の2つのケースが考えられます。自分に合った方法を考えながら、見ていきましょう!
司法書士や弁護士などの専門家に依頼する
専門家に依頼する場合は、一般的に司法書士に依頼することが多いです。特に不動産の売却と同時に住宅ローンを一括返済する手続きは難しいため、専門家に依頼することをおすすめします。
司法書士に依頼する際の報酬の相場は、1万円〜2万円程度といわれています。「できるだけ節約したい」という人もいるかと思いますが、専門家に依頼をすることで時間や手間を軽減できたり、不備なく正確に手続きを進められたりするメリットがあります。
自分で行う
抵当権抹消登記は自分で行うこともできます。不動産の売却や相続前に住宅ローンを完済した場合の手続きは比較的簡単なため、自分で申請する人もいるようです。
抵当権抹消登記には費用がかかる?
専門家に抵当権抹消登記の代行を依頼すると報酬費用がかかりますが、抵当権抹消登記自体にも費用はかかります。具体的な項目と費用の目安を押さえておきましょう。
抵当権抹消登記にかかる費用は、対象不動産の数にもよりますが、相場は2000円~5000円程度といわれています。項目は複数あり、内訳は以下の通りです。
●登録免許税(1000円 / 不動産1件)
登録免許税とは、登記を申請する際にかかる税金を指します。
経費は、不動産1件につき1000円です。一戸建て住宅の場合、一般的には土地と建物の両方に抵当権が設定されています。そのため、2000円が必要になります。
ここで注意したいのは、1つの建物の土地が複数に分かれている場合もあるということです。登記簿上、別の不動産扱いになるため、登録免許税の経費も土地の数×1000円の計算となるので気を付けましょう。
ちなみに、土地登記簿において土地を指す単位を「筆」といいます。覚えておくと、手続きの際に役立つかもしれません。
●事前調査費用(334円〜600円 / 不動産1件)
事前調査費用とは、抵当権を抹消したい不動産の登記内容を確認するのにかかる費用です。登記内容を確認するには大きく2つの方法があります。
・最新の登記事項証明書を取得する
・法務局「登記情報提供サービス」で確認する
登記事項証明書は、不動産を購入したい際に受け取ったものが手元に残っている人も多いですが、一般的には最新の登記内容を確認します。登記事項証明書を取得するには、法務局窓口で直接受け取るか、ネットで請求するかのいずれかです。
法務局の窓口で取得する場合:土地1筆あたり600円
ネットで請求する場合:土地1筆あたり500円
手元に証明書を残すことはできませんが、登記情報提供サービスでも確認することができます。この場合、土地1筆あたり334円です。
●抵当権抹消確認費用(334円〜600円 / 不動産1件)
抵当権抹消確認費用とは、抵当権抹消登記後、抵当権の抹消がきちんとできているか確認するための費用です。
事前調査費用同様、登記事項証明書を取得するか、登記情報提供サービスを利用して確認します。確認に必要な費用も同様です。
法務局の窓口で取得する場合:土地1筆あたり600円
ネットで請求する場合:土地1筆あたり500円
登記情報提供サービスで確認する場合:土地1筆あたり334円
抵当権抹消登記の手順と必要な書類
抵当権抹消登記についておわかりいただいたところで、具体的な抹消登記の手順と必要書類についてご紹介します。特に自分で抵当権抹消登記を行う場合は、全体像が分かることで、手続きをスムーズに進められるでしょう。
抵当権抹消登記の5つの手順
抵当権抹消登記の手続きは、5つの手順に沿って行います。
[ 1 ] 金融機関から書類を受け取る
住宅ローンを完済した際には、銀行から以下の書類が送られてくるので、受け取ります。
・登記済証または登記識別情報
・弁済証書
・抵当権抹消の委任状
・場合によっては銀行の資格証明書
[ 2 ] 管轄の法務局を調べる
不動産がある場所によって管轄している法務局が異なります。手続きを行う法務局を調べましょう。管轄の法務局は、法務局のホームページから確認できますよ。※2
[ 3 ] 申請書をダウンロードし、記入する
まずは、抵当権抹消登記の申請書を法務局のホームページからダウンロードします。※1申請書は法務局にも置いてありますが、ダウンロードすれば、ご自宅や会社で入手することができますよ。
法務局のホームページでは、申請書の記載例がダウンロードできるようになっているので、参考に記入していきましょう。
[ 4 ] 必要書類を準備する
必要な書類を準備しましょう。抵当権抹消登記を申請するには、[ 1 ] の書類と、自分で作成した登記申請書を提出します。
[ 5 ] 法務局へ申請
必要な書類の準備が完了したら、法務局へ提出し、抵当権抹消登記を申請します。申請は法務局の窓口へ直接持っていくか、郵送でできます。
書き方が分からなかったり、不安なことがある場合は法務局の窓口に直接行くのがおすすめです。書類に不備や誤りなどがあれば、担当者が教えてくれますよ。
必要書類
抵当権抹消登記の手続きにおいて、必要書類には具体的にどのようなものがあるのか、理解しておきましょう。
●登記済証または登記識別情報
登記済証または登記識別情報とは、抵当権を設定した際に、法務局から発行される書類を指します。抵当権を設定した際には金融機関が保管し、住宅ローン完済後には所有者の住所へ送られることになっています。
現在は登記識別情報が発行されることが一般的ですが、法務局によっては登記済証が発行されていた時期もあります。抵当権を設定した年代によって送られてくる書類が異なりますが、必ずどちらかを用意しましょう。
●弁済証書
弁済証書とは、住宅ローンの完済を証明する書類を指します。
登記申請をするには、登記原因が必要です。住宅ローンを完済して抵当権を抹消する場合は「弁済」が登記原因となり、銀行から送られてくる弁済証書を法務局へ提出しなければなりません。
ちなみに、弁済証書ではなく「解除証書」が送られてくる場合もあります。これは、銀行の保証会社が抵当権を設定している場合に多いですが、住宅ローンの完済に伴い保証委託契約が解除されたときに送られてくる書類です。
●抵当権抹消の委任状
委任状とは、住宅ローンを組んだ銀行が、抵当権抹消に関する登記を委任するための書類を指します。
原則として、登記申請書の申請は、不動産の抵当権者と所有者とで行います。しかし、抵当権抹消登記の場合、一般的には銀行から送られてくる委任状を用いて所有者が手続きを行います。
●銀行の資格証明書(必要であれば)
場合によっては、銀行の登記事項証明書が銀行から送られてくることもあります。「代表者事項証明書」「現在事項全部証明書」「履歴事項全部証明書」「商業登記簿謄本」と呼ばれるものを指し、有効期限は発行から3ヶ月以内です。
●登記申請書
登記申請書とは、自分で作成する必要がある書類です。
法務局または法務局のホームページから取得し、様式に従って、登記簿上の所有者の名前や住所など、必須事項を記入しましょう。
抵当権抹消登記は早めに済ませることが重要!
抵当権抹消登記を自分で行う際に気を付けたいポイントは、早めに済ませるということです。抵当権抹消登記には期限がない分、きっかけがないとなかなか動き出せない人もいるかもしれません。
しかし、先延ばしにしたままでは、不動産を売却したいとき、新たに住宅ローンを利用したいとき、不動産を相続させたいときなど、いざというとき手続きが間に合わない可能性もあるでしょう。
所有している不動産の抵当権が抹消可能になったときは、速やかに抹消登記の手続を行いましょう。
※1出典:不動産登記の申請書様式について,法務局ホームページ
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html
(最終確認:2020年8月31日)
※2出典:管轄のご案内,法務局ホームページ
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html
(最終確認:2020年8月31日)
記事を探す
- 経年優化
- キッチン
- フローリング
- ファサード・アルコーブ・スキップフロア
- 理想の間取り
- 断熱・寒い部屋
- 24時間換気
- 花粉対策
- 災害対策
- 二世帯住宅
- 二拠点生活
- ペットと暮らす
- 楽器可のすまいを探す
- 移住
- 子育て
- シニア向け住宅
- 一人暮らし、暮らしやすさ、理想のすまい
- マンション購入
- 賃貸マンション
- 不動産売買
- リフォーム
- 資産活用
- 資金計画
- 住宅購入にかかる諸費用や税金
- 修繕計画
- 不動産投資
- サブリース
- すまいの維持
- 管理組合
- 埼玉エリア(大宮、浦和、川越)
- 千葉エリア(船橋・津田沼、浦安、柏、幕張)
- 横浜エリア(本郷台、保土ケ谷、戸塚、港南台他)
- 都心に暮らす
- 職住近接と遠距離通勤
- 東京近郊の住みたい街
- モデルルーム
- 内覧