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不動産コラム | 【マンション売却の流れ】必要な準備や費用、売れるまでにかかる期間は?

■初めてのマンション売却…何から始めればいい?

マンションの売却をスムーズに進めるには、まず全体的な流れを掴むことが大切です。特にマンションの売却が初めての方は、何から手を付ければよいのか、いつから始めればよいのか、分からないことがたくさんあると思います。

全体的な流れを把握したうえでおおまかな売却のスケジュールを立て、スケジュールに沿ってしっかり準備をすることで、慌てず納得のいく売却が行えるようになります。この記事では、なるべく早く・少しでも高く売却するためのステップについてご紹介します。

マンション売却にかかる費用・期間ってどれくらい?

マンションは購入時だけでなく、売却する際にもお金と時間がかかります。「売却時にはどんな費用がかかるのか」「マンションの売却活動はいつから始めればよいのか」など、いろいろな疑問や不安もあることでしょう。
そこで、まずはマンションの売却にあたっての準備についてご説明します。

売却時の主な諸費用としては以下のようなものがあります。

●売却にかかる諸費用の内訳

仲介手数料 仲介(媒介)した不動産会社に支払う手数料です。売却金額の3%+6万円+消費税(売却価格が400万円以上の場合)※で算出できます。
不動産売買契約書に貼る印紙代 売却価格によって印紙代は異なります。不動産の売買契約の場合、軽減措置制度があるので確認しておくとよいでしょう。※1
登記費用(抵当権抹消) 不動産の所有者変更(所有権移転)や住宅ローンの担保(抵当権)を抹消など、土地建物について登記を行う費用です。売却の場合は、住宅ローンなどの抵当権抹消の登記費用のみ売主の負担となるケースがほとんどです。※2
譲渡所得税 売却を行い譲渡益が出た場合、譲渡益に対して譲渡所得として課税されます。税率は不動産の所有期間によって異なります。

※速算式で計算した場合を想定

このほかに、ハウスクリーニング代や契約時に約束した補修費などがかかる場合があります。細かいところでは銀行への振り込み手数料などもあります。また、譲渡所得税は、売却するマンションの所有期間が売却した年の1月1日時点で取得から5年以下か5年超かで税率が変わりますので注意が必要です。ただし、譲渡益が発生しなければ課税されません。

また、マンション売却にかかる期間は、一般的には3ヶ月〜半年程度といわれています。次の章からは、売却活動の流れについて以下の6つのステップでご紹介していきます。

[ 1 ] 事前準備
[ 2 ] 査定
[ 3 ] 販売活動
[ 4 ] 売買契約
[ 5 ] 決済・引き渡し
[ 6 ] 確定申告

■マンション売却の流れ [ 1 ] 事前準備

売却活動をスムーズに行うためには、事前の準備をしっかりしておきましょう。準備は大きく3つあります。

営業担当と話す夫婦

売却の希望条件を整理する

売却活動を始める前に、売りたい条件を整理しておくとよいでしょう。条件を整理しておくことで、その後の売却活動がスムーズになります。

たとえば、希望条件としては次のような形で考えておくのがおすすめです。
・いつごろまでに売却したいか
・希望する売却価格はいくらぐらいか
・引越しのタイミングに合わせて引渡しをしたい
など

住宅ローンの残額を確認する

今利用している住宅ローンの残高を確認しておきましょう。売却に必要な資金や売却後の資金計画を判断するために重要な材料になります。
転居先での生活資金に問題ないかも考えて売却を行うことが大切ですよ。

書類を用意する

事前の準備として必要な書類を用意します。なかでも不動産の「(登記済)権利証」(登記識別情報)は最も大切です。早めに確認しておきましょう。

・運転免許証など本人を証明する書類
・マンションの管理規約
・マンションのパンフレット(間取り図などが分かるもの)
・建築確認済証(写し)
・権利証(登記識別情報)
・固定資産税評価証明書(固定資産税通知書)
など

これらの書類は、役所に取りに行かないといけないものがあったり、必要となる時期がバラバラだったりなど、準備が煩雑になりやすいものです。仲介する不動産会社の方に聞いて余裕を持って準備してくださいね。

また、マンション購入時のパンフレットや住宅内の設備の取扱説明書、管理組合からの通知や議事録などマンションに関係する書類も事前に準備しておくと非常にスムーズに売却を進めることができますよ。

■マンション売却の流れ [ 2 ] 査定

売却前に必要な準備が出来たら、不動産会社にマンションの売却価格査定を依頼します。その後、査定価格を元に販売(売出)価格を決定します。査定の際には、いくらで売れそうなのか、その価格できちんと売れるのか、とても心配になることでしょう。
後悔しないために押さえるべきポイントを4つご紹介します。

不動産販売会社の女性

相場を調べる

まずは近隣の中古マンションの売出価格を調べて、相場の価格を把握しましょう。相場を知ることで、売れる価格設定の目安になります。自分の考える売却希望価格が妥当なものか、査定価格に無理はないかなどの比較材料となりますよ。
相場を調べる際には、できるだけ売却するマンションと似た条件の物件を調べることをおすすめします。立地や築年、広さ、リフォームの有無などを見てみてください。

複数の不動産会社に査定をしてもらう

売却価格の査定依頼を1社だけにすると、査定額が適正かどうか判断するのが難しい場合があります。不動産会社によって査定価格に差が出ることがありますので、必ず複数社に依頼することをおすすめします。

売り出し価格を決める

査定で提示された金額を元に、不動産会社の担当と相談しながら売出価格を決定します。事前に確認したローンの残高を踏まえたうえで、近隣の相場価格とのバランスを考慮して売出価格を設定することが大切です。
「早く売却したい」場合は安めに価格設定し、「少しでも高く売却したい」場合は売却に時間がかかることをあらかじめ想定しておくとよいでしょう。一度出した売出価格を上げることは難しいので、高く設定したいところですが、相場から逸脱した売出価格だと全く反応がない場合もありますので、必ず不動産会社の担当と相談して決めることをおすすめします。

不動産業者に仲介(媒介)を依頼する

マンションの売却を仲介(媒介)してもらう不動産会社を決め、依頼します。不動産会社の選び方は、周辺での売却実績や査定額に無理がないか、査定時の説明が明確で信頼できるかどうかなどを参考にしましょう。

媒介(仲介)契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つがあります。それぞれの契約条件が異なりますので、下記の表を参考にしてくださいね。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
自分で買主を見つけて直接売買できる できる できる できない
複数の不動産業者と同時に契約できる できる 1社のみ 1社のみ

媒介契約に関する記事はこちら
https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0002/

■マンション売却の流れ [ 3 ] 売却活動

売出価格が決定したらいよいよ販売活動の始まりです。「まだ住んでいるけど、内覧のときはどうすればよいの?」「なかなか売れなかったらどうしよう…」と新たに気になることが出てくるかもしれません。
上手く買主を見つけるために売主ができることは何でしょうか?なかなか売れない場合の対策についても併せてご紹介します。

引越し作業をする男性

内覧の準備をする

売主にできることは、購入希望者が「室内を見たい」というときにスムーズに見てもらえるように準備することです。室内を見ることを「内覧」といいます。まだ売主が売却物件に住んでいる状態でも内覧を実施することが一般的です。内覧時の部屋の第一印象は非常に重要なポイントになります。特に室内の清潔感は人の印象を大きく左右し、購買意欲にも影響します。内覧の前にはいつもより念入りな清掃をしておきましょう。また、マンションの室内設備が正常に動作するか確認しておくことも大切です。内覧の際、設備についての質問にすぐに答えることができ、印象がよくなります。

内覧の対応をする

内覧者には、明るく親切に対応しましょう。買主は物件はもちろん、契約を交わすことになる売主のこともチェックをしています。どんなによい物件でも、トラブルが起こりそうな相手とは売買契約を結びたくないですよね。内覧中、質問された内容にはしっかりと対応して、質問にはできるだけ誠実に答えるようにしましょう。

購入の検討に対しての相談には柔軟に対応する

売却活動中には、購入を検討している人からさまざまな相談が持ち掛けられます。たとえば、価格の交渉や引き渡し時期の相談、壊れた設備の補修などが代表的なものです。こうした相談に対して応じられるものについては、自分が納得できる範囲で対応することが早く売却するためのコツになります。

また、真剣に購入を検討している人の中には何度も内覧を希望する人もあります。その場合は購入申し込みの最終段階であるケースが多いので、できるだけその要望に応えるようにしましょう。

状況によっては方針の見直しを!

なかなか買主が見つからず、想定していた売却期間をオーバーしそうな場合は、売却活動を見直す必要があります。「売出価格は高過ぎないか」「物件を適切にアピールできているか」など、問題点を洗い出し、解決方法を不動産会社の担当の方と相談しながら考えてみてください。
状況によっては媒介(仲介)の委託先である不動産会社の見直しというのも検討する必要があります。

多くの不動産売買を経験してきた不動産会社の意見は参考になることも多いはず。早く買主が見つかるよう不動産会社と協力することが売却活動のポイントです。

■マンション売却の流れ [ 4 ] 売買契約

購入希望者は正式に購入する際、購入申込書という書面で意思表示を行います。正式な申し込みを受け、条件面などで折り合いが付けば、売主買主双方の日程を調整して売買契約となります。
ここでも「申し込みが複数あったらどうするのか?」「売買契約はどう行うのか?」など心配が出てくるかもしれません。

不動産の売買契約は高額なものですので、後日後悔しないためにもとても重要です。しっかりと内容を確認するなど必要な対応をしましょう。ここでは、購入の申し込みから売買契約までの流れをご紹介します。

家の模型と鍵を持つ男性

購入申込書を受け取る

購入希望者が見つかったら媒介(仲介)する不動産会社を経由して購入申込書を受け取ります。購入申込書はまだ正式に売買が約束されたものではありません。購入希望の条件が書かれているもので、内容を確認して承諾できるものであれば売買契約へ進めます。
もし、交渉が必要な場合は、この段階で購入希望者と売主とで交渉を行いましょう。
複数の申し込みがあった場合は、先着順となるのが一般的です。最初の申し込みが条件で折り合わなかった場合に、次の申し込み者と話をすることになります。

売買契約をする

購入条件に納得できたら、いよいよ「売買契約」となります。売買契約は売主と買主、媒介する不動産会社が揃って行います。買主側にも仲介する不動産会社がある場合には、売主と買主、仲介する不動産会社2社の担当が立ち会うことになります。

当日には以下のようなことを行います。
・買主に対し、重要事項説明書の説明
・物件状況確認書、付帯設備表の交付
・重要事項説明に関する質疑応答と記名・捺印
・契約書の説明(契約条件の確認)
・契約書への記名・捺印
・手付金の授受

売買契約後にすること

売主に住宅ローンの残債がある場合は、抵当権を抹消するための準備にかかります。
一般的には抹消書類の準備は1~2週間程度かかりますが、金融機関によっては1か月程度かかる場合もあります。契約前から金融機関へ相談しておくと安心です。

■マンション売却の流れ [ 5 ] 決済・引き渡し

不動産の決済・引き渡しは、大きなお金の授受がありますので、最後まで気を緩めずしっかりと対応したいところ。ここでは、決済と引き渡しの流れをご紹介します。

物件の売買代金などの決済をする

売買代金の残金の授受、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などのほか、マンションに関係する金銭の清算などを行うことを「決済」と言います。

決済日当日は、売主、買主、仲介する不動産会社の担当のほか、司法書士が同席することが一般的です。司法書士には売主から買主へ名義を移転する所有権移転登記、売主の設定している抵当権の抹消登記、買主の抵当権設定登記など、さまざまな登記をこの日に行ってもらいます。

司法書士は自分で選ぶこともできますが、一般的には仲介する不動産会社が紹介する司法書士か、住宅ローンを融資する金融機関が指定する司法書士となることが多いようです。

物件を引き渡す

売買の決済が完了したら物件の引き渡しとなります。 引き渡しは、売主の指定する口座などに残金が振り込まれていることを確認してから、 マンションの鍵とマンションに関係する書類を買主に引き渡します。売主は引き渡し日までに自分の引越しを済ませ、所有しているマンションの全ての鍵と関係書類を渡せるよう準備しておきましょう。
一般的には、売主買主の間で鍵の受領書や引渡完了書といった書類のやり取りを行って引き渡しが完了します。

■マンション売却の流れ [ 6 ] 確定申告

マンションを売却したら、確定申告についても注意しなければなりません。「会社員でも確定申告する必要があるの?」「なぜ不動産を売却すると確定申告が必要なの?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。
不動産売却を行ったら確定申告が必須のケースもあるので、事前にきちんと確認しておくことをおすすめします。

確定申告とは?

確定申告は、 1年間に得た収入とかかった経費をもとに収めるべき税金を申告すること です。給与所得のみの方(一般的なサラリーマン)の場合は、会社で源泉徴収されているため、確定申告は不要ですが、不動産を売って得た譲渡所得があった場合は、確定申告をすることが必要になります。

自分が住んでいた住宅を売却した場合は確定申告を行うことで、売却で利益が出たときは節税でき、一方損が出たときは還付を受けられることがあります。

マンション売却でかかる税金や節税対策に関する記事はこちら
https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0003/

ご紹介したように、マンションの売却にはさまざまな準備があり、時間もかかるため、途中で売却を諦めてしまう人もいるそうです。しかし、売却するためのパートナーである不動産会社の担当者と上手く信頼関係が築ければ、売るための負担が減りスムーズな売却が可能となります。

マンションの売却にあたって不明な点や不安はそのままにせず、自ら調べることも重要ですが、不動産会社の担当者に相談しながら一歩ずつ着実にステップを進めていくことが一番の近道となりますよ!

※1 出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置,国税庁
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
(最終確認:2020年6月19日)

※2 出典:登録免許税の税額表,国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
(最終確認:2020年6月19日)

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