いえ白書

親孝行は世界共通?世界の親孝行ことわざ

親孝行は世界共通?世界の親孝行ことわざ

いつかはしたいと思っていて、なかなかできていない人が多いのが実情のようです。
自分への戒めもこめて、先人たちの言葉をお送りします。
孝行のしたい時分に親はなし。
日本/柄井川柳/「誹風柳多留」より
親孝行の切実さを謳った日本の諺の中でも比較的よく耳にするのがこの手の言葉。もともとは社会を洒脱に皮肉る風潮が高まった化政時代に、柄井川柳らが編纂した「誹風柳多留(はいふうやなぎだる)」の中の一句です。日本の諺で他に有名なものは、「石に布団は着せられず」「親の掛替えはない」などがあります。
子供の恩知らずは、まむしの鋭い歯より悪い。
イギリス/シェークスピア/「リア王」より
親に対するおざなりな関係は、時に悲劇にまで発展してしまうことも。この諺は、「リア王」の中で、長女と次女に国を譲ったにも関わらず、2人に荒野に追いやられてしまった王が悲嘆に暮れながら放った言葉。人間のさまざまな苦悩を題材としてきたシェークスピアですが、親と子の関係も恰好のテーマだったのでしょう。
孝は百行の本なり。
中国/孔子/「孝経」より
儒教ではもともと親や先祖を敬うことが道徳観念とされています。この諺は、孔子の言動をまとめた書のひとつ「孝経」の中で記されている言葉。親孝行はすべての善行の基本であるという意味です。他にも「子養わんと欲すれども親待たず(韓詩外伝)」や「子を養いて父の慈を知る(伝習録)」など、宗教観も相まって、中国もまた親孝行の諺の多い国です。
両親の愛は下るばかりで上ってこない。
フランス/エルヴェシウス/「人間論」より
18世紀フランスの哲学者、啓蒙思想家エルヴェシウスが「人間論」の中で残した言葉。父母の子への愛は、子の父母への愛をしのぐという意味の諺です。日本語にも「親の心、子知らず」という諺があります。医者の家系に生まれ、大富豪だった当の本人は、両親からの愛を返上することはできていたのか?気になるところです。
君が君の両親を取り扱うように、
やがて君の子供は君を取り扱う。
ギリシャ/タレス
この言葉を残したとされるタレスは、ソクラテス以前に生存し、「最初の哲学者」ともいわれるほどの賢人で、自らの影の長さと身長を比較してピラミッドの長さを計測したエピソードも有名。親と子の関係を言い当てた諺が紀元前から残っているとなると、親孝行とは永遠の課題なのかもしれません。
参照:「世界ことわざ辞典」「世界ことわざ名言辞典」

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