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マイケル・ジャクソン、ダイアナ元妃・・・世界的セレブの相続事情

マイケル・ジャクソン、ダイアナ元妃・・・世界的セレブの相続事情

家族がいれば、かならず相続の話は存在します。けれど、被相続人が亡くなった後に話し合うことが多いからこそ、トラブルになりやすいのかもしれません。
参考になるかどうかはわかりませんが、世間を賑わせたセレブたちの遺産相続を覗いてみましょう。
完璧な遺言書を残したマイケル・ジャクソン
キング・オブ・ポップの称号を与えられ、今もなお世界中から愛され続けているマイケル・ジャクソン。
彼は遺産相続においても成功を収めている大スターだと言われています。
マイケルは生前から優秀な専門家や弁護士と遺言書を綿密に作成していたようで、これは遺言書の枚数にも表れています。通常、10ページ以上になるのも珍しくない遺言書が、彼の場合、わずか5ページに集約。
その内容は、まず遺産の20%をチャリティに寄付し、残りの50%ずつを母親と3人の子供たちに分配するというものでした。
しかし後にマイケルの恩恵にあずかれなかった親族たちからその遺言書は偽物だと訴えられます。死後も取り巻く人たちによってなかなか落ち着きが得られないのも、スターの宿命なのかもしれません。
2人の王子へ莫大な遺産を残したダイアナ元妃
1997年、交通事故による衝撃的な死を遂げたダイアナ元イギリス王妃。
元々彼女は英国の名門貴族スペンサー家の令嬢であることから遺産は莫大で、彼女の息子である二人の王子にそれを分け与える遺産信託を残しています。
遺言の内容は、それぞれ25歳を迎えた時に遺産を受け取れるというもので、後に代理人によって年齢は30まで引き上げられました。
遺産は当初、約16億2500万円(1296万ポンド)でしたが、投資運用がうまくいき、長男・ウィリアム王子が受け取る時、総額は5割増の約25億700万円(2000万ポンド)に。
2014年、ヘンリー王子が30歳の誕生日を迎え、遺言通り、約17億3000万円(1000万ポンド)の遺産を相続しました。
第三者に遺言書を偽造されたハワード・ヒューズ
ロックフェラーと並ぶアメリカの大富豪として有名なハワード・フューズ。
彼は父の遺産を元手に、映画や航空産業に進出して大成功を収め、その生涯はディカプリオ主演の『アビエイター』でも描かれています。
ハワード・ヒューズには子供がおらず、1976年に亡くなった当初は遺言書の存在も確認されていませんでした。ところが3週間後に事態は急変。
ソルトレイクシティの教会の机の上で、直筆の遺言書が発見されたのです。
さらに世の中の注目を浴びたのは、その中に書かれた一文、「放浪の旅をしていた時に1ドルを恵んでくれたガソリンスタンドの店員メルビン・デュマーに、1億5000万ドルを遺贈する」というものでした。
しかし7ヶ月間の裁判の末、この遺言書はメルビンが偽造したものだと断定。
死後7年を経て、25億ドルの遺産は22人の従兄弟たちで平等に分配することになりましたが、メルビン・デュマーの遺言書が本物かどうかは今も審議が続けられています。
父親に遺産を独占されたジミ・ヘンドリックス
1960年代のロック界に突如として表れた天才ギタリスト、通称”ジミヘン”。
ギターを燃やしながら演奏するといった派手なパフォーマンスもさることながら、突如、27歳という若さで亡くなったため、相続争いも字のごとく炎上しました。
遺言書がない場合、アメリカでは遺言検認裁判所によって相続人が指定されます。
確定されたのは、ジミ・ヘンドリックスの2人の子供と父親のアル、弟のレオン、腹違いの姉ジェイミー、恋人、婚約していたと主張する女性の、総勢7人でした。
しかし父親のアルは、州法に従えば自分が唯一の相続人だと主張し、遺産を独占することに成功します。その後アルは、ジミヘンの著作権などを管理する会社を立ち上げ、これも成功しますが、アルが亡くなった後、ジェイミーとレオンによって再び相続の争いに。
もしジミ・ヘンドリックスが遺言書を残していれば、このような骨肉の争いも起こらなかったかもしれない。
遺言書の存在がいかに大切かを考えさせられる事例です。
参考:『世間を騒がせた相続トラブルの真相』『「世界の大富豪」成功の法則』

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